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abnormal affection

──春のある日 「…此処かぁ〜」 俺は東京都内にある、とある教会の前に立ち呟いた。 「はぁああ〜…リズムが乱れるぜ…」 俺は今日からこの教会の伝道師となる。 ──ギギギッ… 古びた教会の重い扉が己により開かれた。 「何だよ…誰もいねェのかよぉ〜」 俺は十字架が掲げられている所に向かい足を進める。 「すいませ〜ん今日から此処の教会に伝道師に赴任される物なんですけど〜」 俺の声だけが教会の中をこだまする。 ──ガチャッ 「あ、すまない。突然電話がかかってきやがったから遅くなった」 突然俺の前に現れた若い男。 『何だコイツ…』 俺は男をキョトンとした顔で見つめた。 「あーお前か〜大学出たての伝道師ってのは」 「え…もしかして跡部先生なんですかっ!?」 「何だと!?俺様がここの教会の神父で悪いのかてめェは!?」 俺は神父の言葉に過剰に反応し、首を激しく横に振った。 「まぁ〜いつもの事だから慣れてるけどな…」 そう言って神父は声をあげて笑っていた。 「し…失礼いたしました!!私は神尾アキラと申します。跡部先生どうぞ宜しくお願いいたします!!!!」 俺は深々と頭を下げた。 「まぁ、せいぜい頑張りな!」 そして互いに握手を交わした…それが跡部との初対面。 『話には聞いていたけどここまで若いとは…どーいう事なんだよーう橘さーん!!』 『…しかし何で…こんな奴が神父…初対面の俺に何て口の聞き方しやがるんだ…畜生…』 「なぁ〜神尾君」 「はっ…はい!!何ですか!?」 不意に声をかけられ裏がえった声で返答した自分。 「神尾君って云うの面倒だから、お前の事神尾って呼ぶからな!」 「は…はい」 力の抜けた声での自分の返答。 「あ、因みに俺様の名前は景吾だ。自分の名前は忘れても良いが、俺様の名前は忘れんじゃねーぞ!!」 「は…はぁ〜」 『本当、訳解んない人だ…まぁ…これも何かの出逢い…か?…橘さーん!!』 ──その時俺は跡部によって自分の人生が大きく変わるなんて…想像もしていなかった……。 □ □ □ ──コンコンガチャッ!! 「失礼します…先生!!今日いい加減週報作らないと明日の礼拝に間に合いませんよ!!」 「何だてめェか…煩い!黙ってろ!!」 扉を開けたら、眉間に思いっきり皺を寄せた跡部がベッドから起き上がった。 「昨日説教の内容考えてて俺は寝てねェんだ!そんなのてめェが作れば良いだろうがバカ神尾!!」 ──ガチャン!!!!!!!! 「ちょっ…先生!!まだ話は終わって…鍵…閉めたなぁ……」 いつもこの調子だ。此処に赴任してきて早くも半年が経とうとしている。 俺は雑用係…ご主人様の言う通りにって… 『俺は犬じゃねー!!』 …でも、誰かしないと仕方ないし…何だよ…伝道師になってもちっとも良い事なんてねーよ!! 「畜生っ…」 俺は愚痴をブツブツ言いつつ週報を作成した。 そして、週報も出来上がり後はコピーするだけとなったその時… 俺は突然背後から跡部に腰を掴まれた。 「う…うわっ!!」 「てめェのその反応…いつ見ても面白いな〜ふはははははは!!」 跡部が声をあげて笑う。 「…先生っ!!ふざけるのもいい加減にして下さい!!」 俺は遂に今まで溜め込んでいたものが爆発した。 「何だ、てめェ…伝道師になっても雑用ばっかりでつまんねェとでもいいたのか〜アーン?」 跡部が俺の顔を覗き込んできた。 「……」 俺はその跡部の言葉に反論出来なかった。 「…てめェホントにバカ正直で真面目な奴だな……」 跡部はそう言って俺の頭をポンと撫でて部屋へと戻った。 「…んな事言われたって……」 『俺は何の為に伝道師になったんだよぅ…やりたい事は山のようにあるのに…』 そしてそんなこんな考えていたその時 「…こんにちわ……」 突然の訪問客。 「あ、はい…って深司じゃんか〜久しぶりー!!」 俺は神学校の同級生、伊武深司の訪問により少し気持ちが晴れた。 「…ってどーかしたか?深司だって礼拝前日の準備で忙しいんじゃねーか?」 「…いやね…ちょっとね…急な話があってさ…」 「…此処も何だし…外で話せないかな…ちょっとさ…不味そうなんだよね…」 「あぁ、構わないぜ〜今丁度週報出来た所だし!!」 □ □ □ 「…で、話しって何なんだよー深司〜?」 「えっとね…そーいや…神尾の所のさ…教会の神父って…どんな人か気になるな…」 「何だよぅ〜話し逸らしたら意味ねーじゃんかよぅ!!」 「…相変わらずバカだな…遠回しに云ってやってんのに…早く云えよな……」 ぼそぼそと呟きながら深司が俺の顔を真剣な眼差しでみつめた。 「…ん〜まぁ〜変な奴って感じもあるけど、結構良い人…かもな?雑用ばっかやらされてるけどなぁ〜」 苦笑いしつつ答える自分。 「…そっか…なら…別に良いんだけどね…」 ぼそぼそと呟きつつも少し安心した表情を浮かべた深司がまた呟きだした。 「…今日教会員にお前の教会の神父の噂聞いて…それで来てやってんだよ…」 「…噂?」 「…やっぱり若い神父ともなると噂たつもんなんだ〜へーそれってどんな内容なんだ!?深司っ!!」 俺は興味津々で深司に食い付くように尋ねた。 「…凄くいい難いけど…かなりの遊び人で…前いた伝道師逃げる様に他教会に移ったらしいんだよね…」 深司がそれなりに心配そうな目で俺を見つめる。 「なんだ〜そんな事かよ〜!そんなのもう半年過ぎたし解ってるって!!俺男だし大丈夫だって!」 ポンポンと深司の肩を俺は叩いた。 「あ、御免…まだ俺仕事残ってんだ〜んじゃ又なー深司ー!!」 そして俺はその場を去った。 「あ、まだ話は終わってないよ…って行っちゃったよ…」 「…変わってないな早とちりな所…最後迄人の話聞かないから自業自得だね…」 そう呟いた後、深司は深い溜息をついた。 「その逃げた伝道師が女だったらわざわざ忙しい中来たりしないんだよね…困ったな…どうしよっかな…」 深司は一人残され今後どうすべきか悩んだ。 「自分に自覚がないから怖いんだよね…あーあ…ヤになっちゃうよな…又俺だけ一人で空回り何だよね…」 そして深司はその場を立った。 『もー神尾なんて知らないね…アイツむかつく…どーにでもなっちゃえば良いんだよ…』 そして深司は心配な気持ちがありつつも足は自分の教会の方に向いていた。
next 遂に始まりました〜パラレル物語。 第一弾はベカミです☆でも、登場人物結構多いです。実際、もう深司出てきてるしね。 以後、氷帝学園のメンバーの一部が何らかの形で出てきます。お楽しみにvv 年齢設定としては〜跡部神父が24歳、神尾伝道師が23歳って感じかな? 感想頂けると激しく嬉Cーです☆20030321戒堂訛音

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