abnormal affection

神尾はその機械音により我に帰り、着信ボタンを慌てて押した。 「…もしもし…?」 もしかしたら……そんな期待をして着信ボタンを無我夢中で押した。けど、 「…さっさと携帯電話くらい出てくれよ…携帯の意味ないじゃんか…もう東京、帰って来てるんだろ?」 掛かってきた主は深司だった。少しでも期待した自分に自己嫌悪しつつ深司に普通に返答しようとした。 が、無理…だった。 「…ッ…深司…俺、もう…どうしたら良いか…解んねぇよ……」 電話越しに聞こえる神尾の突然の嗚咽に、流石の深司も驚きを隠せなかった。 「…ちょっと…アキラ…泣いてるのかよ…ったく、一体何があったってんだよ……」 ■ ■ ■ 「…ひっく…ひっく…」 深司は神尾から何とか居場所を聞き出し、自分の家に神尾を連れて来た。 一向に泣き止む気配の無い神尾に深司は掛ける言葉が思い浮かばなかった。 「…ねぇ…びしょ濡れだからシャワー位浴びて来なよ。そのままじゃ風邪ひくってのが解らないかなぁ…」 深司はそんな憎まれ口を叩きつつも、神尾の頭にふわりとタオルを被せ、神尾の濡れた髪を優しく拭った。 「……」 神尾は暫しの沈黙の後、深司に抱き付いた。 「…アキラ……」 深司は神尾の微かに震えている躯を優しく包み込む様に抱き締めた。 「…俺…好きな人が出来たんだ……」 神尾が涙を堪えながら口を開いた。 「…それって…跡部神父…?」 深司がそう言うと神尾は顔を勢い良くあげた。 「…何で…解るんだよ深司!?」 「…顔に書いてあるよ…まぁ…福岡で何があったかなんて面倒くさいから詳しく聞いたりはしないけどさ… 何が原因で泣いてるか位は言ってくれないと…何も言い様が無いんだよね……」 深司は神尾の頭をくしゃくしゃっと撫でた。 「…どうせ俺なんか…前の伝道師の…代わりにすぎねーんだ……」 神尾は深司の胸の中に頭を埋めて又再び泣きだした。 「…やっぱりね…だから忠告しに行ってやったのに……」 「…だって…そんなの…あん時解る訳ねーじゃんか〜っ!」 わんわんと声を上げて泣く神尾。 「…好きに…なっちゃったもんは仕方ねぇだろぉ……」 神尾の声は震えていて、まるで子犬が縋っているようだった。 「…めそめそすんなよ……いい大人だろ…」 深司はそう言いながら、神尾をバスルームにずるずると引き摺りつつ連れて行った。 「…深司……?」 神尾は突然の出来事で思考回路が激しく混乱した。 ──シャァァ…… 二人は服を着たままバスルームに入り、神尾は頭の上から熱湯に近いシャワーを思いっきり深司から被せられた。 「…あ…熱いッ!?」 そう神尾が言うと、深司は冷水を神尾に被せた。 「…つ…冷たいッ!?」 この時の俺はどうかしていた。 普段、こんな事で苛々したりしない。アキラが俺に甘えてくるのなんて今に始まった事じゃない。 そして、アキラの笑顔を見ると今までの事なんて何でも良いって思える内なる自分がいる。 いつも…それの繰り返し。でも、今回はどうも違うらしい。 好きな人が…出来たんだ… そんな話聞いてられるか……そんな事聞いて正気でいられる程俺だってお人好しじゃない。 だって俺はアキラの事をずっと……… 深司がシャワーを止めた。 「…熱いとか…冷たいとか…いちいち煩い口だね……」 深司の唇により、神尾言葉は失われた。 「……はぁっ…」 深司の舌が神尾の口内に侵入する。神尾は朦朧とした意識の中それを受け入れ、互いの舌が絡み合う。 深司は神尾の口内を激しく貪った。 「…っ…いッ……!?」 深司が突如歯を立てた。互いの口内で神尾の血が唾液と舌と共に絡み合う。 深司は神尾の唇から離れ、首筋に唇を這わせた。 「…はぁ…んっ…」 神尾が甘い声を洩らした。 「…嘘つき……」 そう深司は呟いて、神尾の首筋で歯を立てた。 「…ひぁっ…んッ!?」 神尾の首筋には深司の歯形がくっきりと印付けられ、そこからはじんわりと血が滲み出ていた。 「…感度がイイってのと感じるってのは違うんだよね……アキラがこうしないと感じないの位…知ってたよ……」 深司が神尾の顔を見つめて満面の笑みを浮かべた。 「…前からずっと…その顔が……めちゃめちゃに乱れるの…見てみたかったんだよね…」 深司は自分の歯形の付いた神尾の首筋に軽く口付けた。 「…そんな…しん…じ…ふぁ…ッ…」 深司は再び神尾の口を己で塞いだ。 喋らせない…… 今君の声を聞いてしまったら… いつもの俺に戻るだろうから… 黙って俺を見つめて… 俺だけの事を考えて… お願いだから… 今、俺が聞きたい君の声は… 甘い…甘い…声…喘ぎ声だけだ… 沢山鳴いてみせて… 壊れてるアキラが見たくてたまらない…… 「…はひっ…ん…」 深司は神尾の濡れているシャツから微かに透けている突起を口に含んだ。 「…イタ…ッ…!?」 深司は歯を立てて、突起まで引き契りそうな勢いでその部分のシャツを破いた。 続けてもう片方の突起にも同じ事をした。 「…あーあ…血…また出ちゃったね……」 深司は突起を再び口に含み、舌で転がしては強く吸った。 「…ふ…はぁ…ん…」 神尾の甘い声で深司の部屋は満たされた。 深司は神尾の耳を噛み、息を吹き掛ける。 「…そこは…ッ!?」 そこからうなじへと移動し、己の歯形の付いた首筋、そして血が滲み出ている突起へと戻った。 深司はその処、処で紅い印を刻み付けた。 ──ビリビリッ!! 深司は神尾のシャツを思い切り破いた。 「…真っ白な…雪の様な…肌だね……」 深司はスーッと撫でる様に神尾の肌を辿った。 「…この白い肌に…紅い…紅い…華を散らすと…どれだけ…綺麗だろう…ね…」 深司はそう呟き、不敵な笑みを浮かべた。 「……」 神尾はその深司の言葉に対し、絶句するしか無かった。 水浸しのバスルーム、奪われていく体温、そして、目の前で起こっている現実…… 神尾は声を出したいが何故か出ないでいた。心の中では、幾度も同じ台詞が繰り返されているのに…… 『跡部助けて!跡部ーッ!!』 誰?コイツ誰だよ!…教えてくれ……コイツは……誰? 誰か言えよ…コイツは深司じゃないって!そして夢だって言ってくれよ!ねぇ誰かッ!! 「…いた…ッ…!?」 神尾はチクリとした痛みにより、現実世界にへと呼び戻された。 神尾の瞳には、ナイフを肌に這わせる深司の姿がはっきりと映し出されていた。 next

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!