Reunited

 未夢が平尾町を去ってから10年の月日が過ぎ去った。最初は並んでいた二人の道だったが、いつしか道は左右に別れ、交わることも近づくこともなく伸び続け、いつしか互いの姿が見えなくなってしまった。

 「あれ、彷徨?」
 「未夢…」
 そんな別々の道を歩んでいた二人が、真夏の太陽が照りつける平尾デパートの前で偶然出会った。
 「久しぶりだね」
 「そうだな。たしか…八年ぶりか」
 「そんなになるんだ〜」
 「あれ? この子は」
 「へへ〜ん、あたしの子なんだ。去年のクリスマスイブに生まれて今8ヶ月になるんだ」
 未夢が押しているベビーカーには可愛らしい赤ちゃんがすやすやと眠っていた。
 「男の子? それとも女の子?」
 「女の子だよ。名前はみう。未来の未に宇宙の宇って書くんだ」
 「未宇か、いい名前だな」
 「彷徨、これから遊びに行ってもいいかな。未宇に西遠寺を見せて上げたいんだ」
 「いいけど、親父はいないぞ」
 「また、修行に出かけたの?」
 「あぁ、オレと入れ違いにな」
 「大変ですなぁ〜」
 


 「へぇ〜、みずきさんと結婚したんだ」
 「あれ? 彷徨知らなかったの」
 「あぁ、昨日修行から戻ったばかりだからな。親父も教えてくれればいいのに」
 昔のように茶の間で語り合う二人。ただ、あの頃と違うのはルゥとワンニャーが側にいないこと。そして未夢の傍らに未宇がいることだ。
 「修行大変だったでしょ」
 「まぁな」
 「彷徨、変わらないね」
 「そうか」
 さらさらの長い髪、Tシャツの胸の膨らみ、ミニスカートからこぼれてるムチッとした太股、それに鼻をくすぐる雌の匂い。長い修行の間、隠し続けてきた雄の本能が彷徨の中で首をもたげ始めた。
 「どうしたの……きゃっ」
 必死に雄の本能を抑えていた彷徨であった。しかし、まだまだ修行が足りなかったようだ。湧き起こる雄の本能に敗れた彷徨はいきなり未夢の身体を押し倒した。
 「彷徨、やめてよ〜」
 必死に彷徨の下から逃れようとした未夢。だが、5年に渡る厳しい修行で鍛えられた彷徨の力にはとうてい勝つことはできなかった。彷徨の手がミニスカートの中に忍び込み、パンティの上から未夢の秘所を刺激し始めた。
 「お願い、あたし結婚して子どももいるのよ…」
 「オレ…未夢のことが好きだったんだ」
 「えっ…」
 思いがけない彷徨の言葉に未夢の抵抗が一瞬止まった。
 「ずるいよ…今頃言うなんて。あたしだって彷徨のことがす…」
 未夢の言葉を遮るように彷徨が唇を奪う。顔を背けて逃げようとする未夢だったが彷徨は何度も何度も唇を重ねていく。

 「…未宇が起きちゃう…」
 再び抵抗を始めた未夢。だが、みずきが海外出張中の五か月間火照る身体を持て余していた未夢は久しぶりに嗅いだ雄の匂いに酔い始めていた。
 「…彷徨……や…め…て…」
 もはや抵抗は口だけであった。彷徨は秘所を刺激しながらTシャツをたくし上げた。中学生の頃とは違い大きく膨らんだ未夢の乳房を荒々しく揉みしだき吸った。口の中に幼い頃味わった母乳の味が広がっていった。

 「いや……やめて」
 限界に達した彷徨はパンティに手を掛けた。一応最後の抵抗をした未夢だったが形だけであった。彷徨は未夢の手を払い除けると荒々しい手つきでパンティをずり下ろした。そして、熱く猛った肉棒を一気に挿入した。
 「んっ、んっ、んっ、んっ…いや…はっ…はぁ…はぁ〜ん」
 ムチっとした太股を抱えた彷徨は未夢の秘所を激しく突いた。未宇を起こすまいと溢れ出る声を未夢は必死にこらえていた。だが、耐えきれなったのか、いつしか淫らな声を上げ始めていた。

 「マンマ?」
 「…未宇…ダメ……見ないで…」
 いつの間にか未眼を覚ました未宇が、汚れを知らない瞳で自分の母親が見知らぬ男に犯されている姿をじっと見つめていた。

 「くちゅ…くちゅ…ふぁ〜ん」
 不倫という禁断の果実を味わってしまった未夢は一匹の雌と化していた。ピンク色のパンティが絡んだ足を彷徨の腰に絡ませ、彷徨の身体に抱きつくと自ら彷徨の唇に唇を重ね舌を絡ませていった。
 「もっと…もっと…あ〜〜〜〜〜〜〜……あ〜〜〜〜〜〜!」
 10年もの間、心の中に隠し続けてきた気持ちを伝え合った二人を止めるものは何もなかった。汗まみれの身体を重ね合い、手を取り合って一直線に頂点へ上っていった。
 
 「未宇…ごめんね……ママ…はぁ〜ん……ダメ……ママ……あっ…あっ…イク…イッちゃうよ〜〜〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
 身体を仰け反らせ絶頂に達した未夢の中から肉棒を抜き出した彷徨は、5年間ため込んだ熱いエキスを未夢の身体の上に発射した。


 「はぁ…はぁ…」
 畳の上に横たわった未夢は久しぶりに味わった絶頂の余韻を味わっていた。
 「未夢……ゴメン」
 ようやく事の重大さに気づいた彷徨がしょんぼりと頭を下げた時である。
 「おい…」
 よろよろと起きあがった未夢は座り込んでいる彷徨の肉棒に手を伸ばした。
 「未夢…」
 慌てる彷徨を横目に、未夢は彷徨の股間に顔を寄せると長い髪をかき上げ肉棒をしごき口に含んだ。
 「くちゅ……ちゅぱ…」
 もはや未夢は一匹の獣であった。未宇に見られていることも夫のみずきのこともすべて忘れて、一心不乱に彷徨の肉棒をしゃぶり続けていた。未夢の口の中で彷徨の肉棒が再び猛り始めた。
 
 「あたしが上になるね」
 



 「着ている物をすべて脱ぎ捨てた未夢は、彷徨の上にまたがり自ら肉棒を導き入れ、激しく腰を動かし始めた…。綾ちゃん、これ何なのよ〜?」
 教会の控え室でウェディングドレス姿の未夢は綾からもらった小冊子を顔を真っ赤にしながら読んでいた。
 「結婚祝いだよ。未夢ちゃんと西遠寺くん付き合い長いからこういう刺激がないとダメなんでしょう」
 「こんなのいらないよ〜」
 「え〜っ、そんなぁ。ほら、これなんか洗濯屋のケンちゃんに台所で犯される…」
 「あ〜や、未夢と西遠寺くんはラブラブなんだからこんなのいらないんじゃない」
 「そうそう、気持ちだけ受け取っておくよ」
 「え〜、せっかく書いたのに…」
 「お〜い、未夢入るぞ」
 控え室のドアが開きタキシード姿の彷徨が入ってきた。
 「未夢…似合ってるぞ…」
 「ありがとう…」
 ウェディングドレス姿の未夢を見つめる彷徨を横目に、綾とななみはひそひそ話を始めた。
 「ななみちゃん、そろそろお暇しようか」
 「なんで?」
 「だってこれから二人でとってもいいことするんでしょ。だからわたし達はお邪魔虫なの」
 「なるほど、ウェディングドレス姿の未夢に興奮した西遠寺くんが…あ〜や、何てこと言わせるのよ」
 「あたしたち、そんなことはしませ〜ん」

 だが、二人が出ていった後、綾の書いた小冊子を読んだ彷徨が未夢のウェディングドレスをたくし上げ熱く猛った肉棒を挿入れたのは言うまでもない。


 (終)

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