真夏の出来事

 「ピンポーン」
 「……誰だ、昼寝してたのに…」
 「ピンポーン」
 「は〜い、今行きます」
 七月の暑い土曜日の午後、彷徨は一人で留守番をしていた。未夢とワンニャーとルゥは三人で買い物に出かけていた。
 「こんにちは〜」
 「なんだ天地か」
 「未夢います?」
 「あぁ、あいつならワン……じゃなかったルゥを連れてみたらしさんと買い物に出かけたぞ」
 「え〜っ、一緒に勉強するって約束してたのに…」
 彷徨の言葉を聞いたななみの顔が一瞬曇った。
 「約束を忘れるなんてしょうがねぇ奴だなぁ。確か4時には戻るって言ってたから…1時間半くらいで帰って来るかな」
 「どうしようかな…。家に帰るの面倒くさいし…。待っててもいいかな?」
 「オレは構わないけど」
 「本当?  それじゃお邪魔しま〜す」
 「そこに座っててくれ。今お茶入れてくるから」
 「あ、お構いなく」
 彷徨は茶の間にななみを通した。
 「お待たせ。はい、どうぞ」
 彷徨はななみの前に冷たい麦茶を置くと、自分もななみの横に座った。
 「そういえば小西はどうした。いつも一緒だろ?」
 「綾は部活だよ。もうすぐ平尾町演劇コンクールだからね」
 「へぇ〜、もうそんな季節か。今回の犠牲者は誰なんだ?」
 「光ヶ丘くんとクリスちゃん。災難だね〜」
 「そうだよな」
 「それより未夢がいないと寂しいでしょ」
 ななみがからかうような口調で彷徨に話しかける。
 「そ、そんなことはない。絶対にない」
 「怪しいなぁ」
 「だいたいあいつはうるさいし、それに…」
 彷徨は顔を真っ赤にしてななみの言葉に反論する。
 「はいはい、のろけはそれくらいにして」
 「あのなぁ…。それより天地はどうなんだ」
 「えっ?」
 「最近三太と仲良くしてるだろ。ひょっとして…」
 「そんなことは絶対にない。神様に誓うよ」
 彷徨と違ってななみは平然な顔をしてその言葉を否定した。
 「そうか。そうやって否定される三太も不幸なやつだな」
 「そうだね」
 「………」
 暇だったので、珍しくななみと話をしていた彷徨だったが、ふいにその会話が途切れ、なんとなく気まずい雰囲気が二人の間に流れた。
 「お茶、お代わりもらうね」
 「オレが入れてくるよ」
 「いいよ。自分でやるよ…あっ」
 立ち上がろうとしたななみがバランスを崩して彷徨の上に覆い被さった。
 「だ、大丈夫?あっ…」
 ななみの手が丁度彷徨の股間のところに乗っている。
 「ご…ごめん」
 ななみの顔が見る間に赤く上気した。慌てて手を退かそうとしたが、彷徨はその手をつかんで、もう1度股間に触れさせた。
 「あっ…、だめっ」
 ななみは焦った表情で彷徨を見る。彷徨はななみの柔らかい手を、上から押さえつけた。
 「あっ…」
 彷徨はななみの顔をじっと見ながらゆっくりと手で触らせる。
 「………」
 顔を紅潮させながらななみはじっと彷徨を見ている。ななみの柔らかい手が乗せられた彷徨の股間は、熱く大きくなってきている。
 「西遠寺くん…やめて…」
 そう言ったものの、もはやその口調に説得力はなかった。彷徨はななみの手を持ったまま、ゆっくりとファスナーを下げさせていく。
 「はぁ、はぁ…」
 緊張しながらも、ななみの息づかいが荒くなっていく。彷徨がゆっくりとファスナーをずらすと、大きくなった肉棒が現れた。
 「きゃっ…」
 ななみが小さな声を上げて肉棒から視線を外すようにする。
 「ちゃんと見ろよ。天地のせいでこうなったんだからな」
 ななみは驚きと恥ずかしさが入り交じった顔で彷徨の肉棒をながめる。
 「さぁ、触って」
 「えっ‥‥」
 ななみは聞き返すように彷徨の顔を見る。彷徨はななみを見つめながらゆっくりと頷いた。
 「………」
 ななみは彷徨の肉棒に目をやると、こわごわ手を伸ばしていく。ななみの柔らかい手の感触が再び伝わる。
 「こんなに、熱いんだ…」
 ななみは驚きの表情をしながら言った。彷徨はななみの手を押さえて、肉棒を触らせる。
 「な、何だか不思議だね…男の人ってこんなふうになってるんだ……」
 肉棒を触るななみの呼吸が、だんだんと荒くなるのが分かる。
 「上下にしごいてみて」
 「えっ…。こ、こう…?」
 子供が質問するように聞き返すと、ななみは両手で肉棒を持って慣れない手つきで上下に動かし始めた。肉棒にななみの柔らかい手の感触が擦れる度に、彷徨の肉棒が硬さを増してゆく。
 「…すごい、どんどん硬くなってきてる…」
 ななみは息を荒くしながら興味深げに肉棒を見る。何度か手を往復させていると、肉棒の先から透明の液がこぼれ出てくる。
 「あっ…何か出てきたよ…」
 ななみの顔は赤く上気し、呼吸がさらに荒くなる。彷徨はななみの頭の上にそっと手を置いた。
 「天地、舐めてくれないか……」
 「えっ……う、うん…」
 言われるままにななみは顔を肉棒に近づけていった。濡れている部分をもう1度確認してから、舌を出して肉棒に這わせた。なま暖かい舌が彷徨の肉棒に当たる。
 「んんっ…」
 ななみの舌が、彷徨の肉棒を這っていくのが分かる。
 「こんなになるなんて、私知らなかったよ」
 ななみは口を離して、肉棒をまじまじと見つめる。彷徨は無言のまま、そっとななみの頭を押さえてやる。ななみは再び、肉棒に舌を這わした。
 「……んんんっ、んぅっ」
 ななみは、慣れない舌づかいで必死に彷徨の肉棒をなめ上げる。ななみが舌を動かすたびに、肉棒の先からくちゅくちゅと音が聞こえてくる。
 「んんっ…ああっ」
 ななみは呼吸を激しくしながら、さらに肉棒にしゃぶりつく。ななみの熱い吐息が肉棒の先に吹きかかり、こそばゆい快感が走る。
 「すごいっ……どんどん大きくなってきた」
 肉棒を舐めているななみの表情が徐々に官能に染まり出している。口の周りは既に唾液で、べとべとに濡れている。
 「くわえて…くれないか」
 彷徨はななみの頭を押さえた。ななみはそれに素直に従って、肉棒を口に含んだ。
 「んんっ!ううっ、んんんあっ…」
 ななみは慣れない舌づかいで彷徨の肉棒の至るところに舌を這わす。
 「天地、気持ちいいよ」
 ななみは口全体を使って肉棒を吸い上げる。彷徨の肉棒は熱くなり、快感が頂点に達していくのが分かった。彷徨は、慌ててななみを引き離した。ななみの口から大量の唾液がこぼれ落ち、唇と肉棒の間にいやらしい糸が引く。
 「……どうしたの」
 彷徨は不思議そうな顔をしているななみを抱き上げると、そのままゆっくりと床に寝かせた。
 「………」
 ななみが官能に染まった表情で彷徨の方をじっと見つめる。火照った肌に汗がにじんでいた。
 「天地…」
 「西遠寺くん…」
 ななみは顔を赤く染めた。彷徨はゆっくりと近づくと、ななみの体に自分の体を這わすようにしながら覆い被さった。ななみの息づかいと体温が直に伝わってくる。
 「………」
 彷徨はななみの髪をそっとかき分けると、じっと目を見つめてやる。ななみもしっかりと見つめ返す。彷徨は、ゆっくりと顔を近づけていった。
 ななみの潤んだ目をじっと見つめながら、そっと顎に手を添えてやる。ななみが静かに目を閉じると、彷徨は顎に添わした左手をそっと持ち上げて唇を重ねた。ななみが一瞬ピクっと震えるのが分かる。ななみの温かく柔らかい唇の感触が伝わってくる。彷徨は、ゆっくりとななみの口の中に舌をこじ入れた。
 「んっ…んん…」
 彷徨の舌先がななみの舌先に当たった。ななみは躊躇して舌を引っ込める。彷徨は舌先でそれを探して刺激してやる。
 「んんあっ…んんんっ…」
 ななみの舌を優しく刺激し続けると、それに答えるように舌を絡めてくる。お互いの唾液が混ざり合い、ぴちゃぴちゃと音が聞こえる。彷徨は少しづつ確認し合うように舌を交わらせていく。
 「んんっ…ああっ…はぁんっ」
 ななみは時折小さな声を上げながら、舌をさらに絡めてくる。彷徨は、慣れない舌づかいのななみをリードするように、何度もキスを繰り返す。
 「うっ…」
 キスを続けるに連れて、ななみの動悸が高まっていくのが手にとるように分かる。彷徨はキスを続けながら、手をそっとななみの秘部に伸ばした。
 「ああんっ!」
 彷徨の手が秘部に触れると、ななみは声を上げて腰をくねらせた。一瞬離れた口と口との間に唾液の橋がかかる。パンティの上からでも、ななみの秘部が熱く湿っているのがすぐに分かる。彷徨はそれを確認するとななみの服をゆっくりと脱がしていった。
 「………」
 ななみは彷徨に体を寄り添わせたままじっとしている。服を1枚1枚丁寧に脱がしていくと、やがて彷徨の前に普段は制服に隠されている、まだ誰にも見せたことのないななみの素敵な裸体があらわになった。
 「そ……そんなに見ないで……」
 ななみの秘部からは愛液が溢れている。彷徨はななみの姿をじっと見つめた。
 「…なんか恥ずかしいよ…」
 ななみが潤んだ目で彷徨を見つめる。
 「天地の裸、とってもきれいだよ」
 「え、そうかな……ありがとう…」
 彷徨は滑らかで中学生にしては豊かに成長したななみの胸を掌に収めるとゆっくりと揉みしだいた。
 「はぁぁっ…ああっ」
 彷徨はうっすらと汗ばんだ胸を掌で包むようにして何度も揉みしだいた。
 「あぁぁぁっ…」
 ななみが我慢できずに腰をよじらせた。彷徨の掌に心地いい弾力が伝わる。彷徨はその感触を繰返し楽しんむと、今度は硬くなった乳首を指で挟んだ。
 「くふぅ…あ、あ〜ん」
 彷徨が乳首を指で転がす度に、ななみは甘い声を上げて、顔をのけ反らせる。
 「き、気持ちいいよ〜」
 彷徨はななみの乳首を唇に含むと舌で転がし吸った。そして余った手を赤くめくれた秘部にそっと伸ばした。
 「あんっ」
 彷徨の指に透明の愛液がまとわりつく。
 「も、もう、やめて…」
 ななみが足を閉じようとするが、彷徨はそれを両手で押え込んだ。彷徨は指先で割れ目を丁寧になぞってやる。
 「くううっ、はぁん」
 ななみの口から甘い声が洩れる。彷徨は身体を下にずらすと、ななみの両足を大きく広げた。
 「やだ、恥ずかしい」
 慌てて秘部を隠したななみの手をどかせると彷徨は両手で割れ目を開いて、覗き込んだ。幾重にも重なったななみの秘肉が蠢いているのがよく見える。
 「すごい、奥まで見えてるよ」
 「い、いやっ…そんなこと言わないで」
 彷徨は指の腹にたっぷりと愛液をつけると、クリトリスに塗り付けてやる。
 「い、いやっ」
 ななみの口から甘い吐息が洩れる。彷徨は愛液で赤く光った突起を、口で思いきり吸い上げてやる。
 「くっ」
 ななみの体が一瞬硬直する。彷徨は熱く充血した突起を、指ではさんでつねり上げてやる。
 「あ、あぁ〜ん」
 ななみが腰をよじらせて逃れようとするが、彷徨は指を決して離さずに刺激し続ける。
 「あ、あぁぁぁっ。そ、そんなにされたら…変になっちゃうよ〜」
 ななみの甘い声が部屋に大きく響いた。彷徨は足をいっぱいまで広げさせると今度は秘部に指を滑り込ませた。
 「あっ」
 生暖かい肉襞が指に吸いつく。彷徨は指を深くまで差し込み、繰返し出し入れしてやる。
 「ああっ!凄い!………あはぁ〜ん」」
 ななみは指の動きに合わせて、高い声を上げる。秘部からはとめどなく愛液が流れ出ている。彷徨はななみの感じる顔を見ながら、指先で子宮の入口をぐいぐいと押し上げてやる。
 「はんっ、はぁんっ…な、なんだか変な感じ…」
 彷徨は指を折り曲げてGスポットを捜し出すと、指の腹で、ぐいっ、ぐいっと押し上げてやる。
 「あぁぁぁんっ。こ、こんなの…初めてぇっ」
 戸惑う表情を見せながらも、ななみの腰が自然に上下に動いている。
 「気持ちいいだろう、天地?」
 「はぁぁっ、いやっ、そんなこと言わないで…」
 ななみが羞恥で顔を真っ赤に染めるのを、彷徨は楽しんだ。
 「ひあっんぁぁっ…き、気持ちいいよ〜」
 彷徨の指の動きに合わせてななみは面白いように腰をよじらせる。
 「も、もう我慢できないよ…。…入れても…いいよ…」
 ななみが小さな声で言った。彷徨がななみをじっと見ると、ななみは確認するようにコクリと頷いた。彷徨はななみの両足をつかんで持ち上げると、勃起した肉棒をあてがった。
 「西遠寺くん………初めてなの…」
 ななみが潤んだ目で彷徨をじっと見た。薄々そうじゃないかと思っていたものの、実際に告白されると、妙に興奮が高まる。
 「優しくしてね……」
 ななみの体はこれから起こることに備えるように、硬くなっている。彷徨は潤んだ瞳で彷徨を見つめるななみが急にいとおしく思えた。彷徨はゆっくりと頷くと、優しい指づかいでクリトリスを刺激して、ななみの緊張を和らげてやる。
 「んんぁっ……あぁぁぁっ……」
 緊張が和らいでいくのが分かると、彷徨はななみの両足を持ち上げてその上に乗りかかった。
 「えっ…あ、あんっ」
 彷徨の力で、ななみのしなやかな体が猫のように折れ曲がる。
 「ああっ」
 彷徨はゆっくりと肉棒を潤った秘部へ挿入した。
 「くっ」
 ななみが驚きの声を上げ、体を強ばらせる。
 「痛い?」
 「うん……でも思ってたほどじゃないよ」
 ななみは息を荒げながら言った。彷徨はしばらく腰の動きを止めて、ななみが落ち着くのを待った。
 「……だいぶ楽になったみたい……」
 彷徨は肉棒を胎内の浅い所で優しく出し入れした。
 「あ〜んっ…はぁんっ」
 ななみが、緊張しながらも甘い声を上げる。肉棒が出入りする感覚に少し慣れてきたようだ。彷徨は肉棒の出し入れを速めたり遅めたりしながら、秘部に馴染ましていく。
 「あああっ…」
 ななみは少し怯えながら熱い声を上げている。彷徨は頃合を見計らうと、秘部の奥まで一気に肉棒を押し込んだ。
 「うあああっああっ、ああぁぁぁっ」
 ななみが苦痛と快感の入り交じった叫び声を上げる。膣内がまるで外部からの侵入を拒むかのように収縮する。彷徨は構わず、肉棒の出し入れを繰り返す。そのたびにななみの秘部から粘膜質が合わさる音が聞こえてくる。しばらく出し入れを繰り返すと、やがてななみの声に快感が混じってくる。
 「ひ〜ん、凄い、凄いよ〜」
 彷徨が腰を動かすと、ななみの腰がそれに合わせて上下する。
 「ダメ…壊れちゃうよ〜」
 ななみは顔を左右に振りながら、腰をよじらす。彷徨は強烈な快感が押し寄せてくるのを感じて、腰の動きを一気に速めた。
 「あぅんっ! 奥に…奥に当たってるよ…」
 ななみの声が一段と高くなり、粘膜質の擦り合う音が大きくなる。彷徨は快感が頂点に達するのを感じ、腰に力を込め最奥を突き上げた。
 「変、変なの。だんだん身体が浮き上がって……あっ…あっ…あっ」
 ななみの熱い声が部屋に響きわたる。
 「だめ、イク、イク、いっちゃうよ〜〜〜〜」
 ななみは体を硬直させてぴくぴくと震えた。それとともに彷徨の熱い肉棒から精液が発射され、一瞬彷徨の意識が遠のく。2人は折り重なるようにして抱き合った。
 「はぁはぁ…」
 彷徨が快感の余韻にひたりながら静かに目を開けるとななみがじっと見つめていた。
 「こんなことになるなんて…どうしよう、とんでもないことしちゃったよ…」
 ななみは彷徨の目をじっと見ながら、つぶやいた。
 「後悔してるのか?」
 「ちょっとね…。西遠寺くんは?」
 「オレも…ちょっとな」
 二人の脳裏に未夢の姿が浮かんだ。
 「でも…初めての人が西遠寺くんでよかったのかも知れない」
 「そうか?」
 「うん、きっとそうだよ」
 ななみは微笑むと立ち上がり、服を着始めた。
 「私帰るね」
 「その方がいいな」
 「今日のことは二人だけの秘密だよ」
 「あぁ、そうだな」
 「それじゃね」
 「気を付けて帰れよ」
 ななみは彷徨を残して帰っていった。二人の中にちょっとほろ苦い、でも素晴らしい思い出が残った。


 (完)

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