歌手名 | 曲名 |
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JUDE | シルベット |
BEAT CRUSADERS | EYES IN THE SKY |
Crystal Kay | Girl U Love |
浅井健一の歌は鋭利なニヒリズムと人なつっこいぽこぽこ感の同居が鮮やかなメロディーライン(シルベットみたいなのがぼくにとっての美メロ)で縁取られているところがとても好きです。BLANKY JET CITY解散後バンドをいくつも作っていますが、どれも演奏が毛皮風に暖かい(ひんやりぽかぽか)。(たぶん)バイクで激走するようすを「スピードのぬいぐるみを着て」(BJC「青い花」)と形容したり、皮ジャンを着るにしても襟のボアもこもこだったりするベンジーにはどうしても親近感と尊敬の念を持ってしまいます。
「TEENAGE UNIVERSE -Chewing Gum Baby」(1999.9.8発売)にびびって以来、おじさんは恐る恐るケイちゃん(笑)を眺めてきました。途中作風の変更後ベーシックなノリの曲が続いて、安定感があるのはたしかなんだけどみんな同じにように聞こえるのもたしか、という気になっていました。だけどこの曲は文句なし。リズムパターンが私好みなのが一番大きいのかもしれないけど、路線としても熟成してきた感じがあります。ボーカルの楽器性が完璧だ!。ボーカリストにしかできない仕事をしている。まとまりすぎていておもしろくない、レベルをはるかに超えていると思います。Crystal Kayは評論家の評価も高そうだし、完成しすぎていてあえて自分が取り上げることもないだろうとなんとなく思っていたのでうれしい。歌詞が年相応なのもいい。さわやかなそよ風に吹かれる感じ。(2003.2.23)
秘密の作業のためにラジオも音楽もほとんど聴かなかった。
WWWでたまたま音楽チャートを見かけても初めて見るアーティスト名ばかりだった。
JUDEは「じゅーど」ではなく「ゆだ」と読むこともミュージックステーションを見るまで知らなかったし、2003年に入ってからROSSOのビデオをテレビで見たとき、このバンドのことはすでに知っていたはずなのに「なんでこいつはここまでチバユウスケに声がそっくりなんだ?」と本気で不思議がってしまった(^_^;。音楽リスナーとしてほとんどゾンビ状態になってしまった。
こんな状態でも新聞に現象として取り上げられた感のあった元ちとせ、それから一青窈のヒット曲は自然に耳に入った。余談だがどちらも私の好みに合わなかった(^^;(元ちとせの「この街」は「ワダツミの木」と違って彼女の声が生きる歌だとは思った。ビデオを見てソフトスタジオWINGのオカルトゲーム「波動の標的」を思い出した)。でもこの二曲だけでも「JPOPの歌謡曲回帰」という引力を語るには十分な根拠になると思う。以前頭脳警察のPANTAが、歌謡界(ゲーノー界)はロック界の養分を貪欲に吸い取り続けてきたとテレビで語っていたけれど、その事実を前にして脱構築的な逃走として生まれたのがJPOPという概念だったと思う。しかし「脱構築」の宿命として対抗すべき相手のいないJPOPという土壌の養分が不足ぎみになってきたという見方がCD販売不振の影響で強まっている気がする。そこで歌謡曲の持つえぐさ、あっぱーさ、これが日本だ、と開き直れる太さを単純な回帰を避けながら取りこむ方法論として国内ワールドミュージックという方向がひとつ見出されたのではないか、と思われた。
これと関連するのかもしれないけど、KICK THE CAN CREWが♪十二月はなんとかで酒が飲める飲めるぞ酒が飲めるぞ……となんら変わらない宴会ラップをその時季に発表して紅白歌合戦にも出たというのはいいことだと思った(わらい)。うーん、まあ、いいことというかわるいことではないというか、ゾンビ状態だから事実として素直に受け止めた。2003年にラッパ我利ヤが出ても驚かない。
しかし個人的にはなんといっても九月以降のあの展開が、生まれて初めての一大革命でした(1億円で教えます)。
いい! 椎名法子と同じ人とは思えない(笑)。椎名法子時代の芯がまったくない歌(あくまでも歌唱の問題です)はこの弾け方の裏返しだったのか? 曲、声ともに好みに完全に合っている。
曲名に見られる分かりやすく正面向いて見えを切ったウイットそのままのストレートな反戦歌(キャパが活躍するようなキャパシティーのない状態=戦争はごめんだ)。何度聴いても飽きのこない、ポップ感覚=しなやかさを体現した明快なフレージングに好感大。
だんだん彼らのことを迷いなしに好きになってきた。ビデオアートはまちがいなく一級品だし、サウンドもビデオに見られる演奏中のアクションともども80年代的なケレン味があっていい。しかもそれをネタにしていないところがよい。身構える必要のない身近なアートとしての音楽の良さを彼らが大切にしていることが伝わってくる、そんな気がする。(11.6)
デビュー曲を最初に聴いた時に思ったのは、声の動きを追いかけていくこと自体楽しい人だな、ということ。この曲もそれはかわらず、キュートな声をもっとじっくり味わえるのがうれしい。(11.28)