歌手名 | 曲名 |
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KAANA | Dear Sweet Love~夜明けと落日に~ AFTERGLOW version featuring DABO&同vocal edition |
COLOR | 翼がなくても |
ショコラ | Roller Girl |
スパナ | ROUND&ROUND |
セツナブルースター | 靨のない男 |
hiro:nについては、この曲に限らず、ここがもう少しこうならとはっきり言える点がある(※)。非常に歯がゆい。かつてMr. Childrenを「CROSS ROAD」ではなくて「INNOCENT WORLD」で選んだように、デビュー以来の存在感の積み上げも加味してベスト5入りさせてもよかったのだけど、hiro:nに対しては例外的な処理はしたくない。
※大きなノリと小さなノリのメリハリをもっとつけるようにした方がいいと思う。そして伸びやかなところはもっと伸びやかに、刻むところはしっかり刻む、語る時はおっくうがらずに語るように。もちろんこれはわたしの好みの問題ですから異論もあることでしょう。(この注2004.11.22)
BURGER NUDS「ANALYZE」は上のリストに入れてベスト6にしてもいいくらい。非常に文学性の高い作品だけどギターロックの鮮烈さが損なわれるどころか詩と共鳴しあっている。言葉からの硬直も、浮ついたポップさの先行からも逃れられている。
スカパラの「めくれたオレンジ」は、終盤での演奏がもっと狂って暴力的になってくれていたらまちがいなく入れていた。だから葛藤はない。最後までストイックさ、手堅さを保つのがスカパラらしいとは思うけれど、この曲はもっとぶちこわしてほしかった(ひょうきんベストテンのマッチやホタテマンみたいに(^^;)。田島貴男の歌はやはりいい。彼の良さを久しぶりに確認できた。聴いていて荒ぶるものがある。自分も歌いたくなる。
(胸を痛めた。苦しい。)
最高! とにかく最高! 良すぎて、次の二点を苦しさを紛らすために言うのが精一杯。
贅沢な悩みだけど、心地よい余韻(まさにafterglow)を心ゆくまで楽しめるバージョンが用意されていないのが残念至極。AFTERGLOW version vocal edition(トラック5)の最終部としてイントロと対称をなす意味も含め、あの魅惑的なギターのリフを延々と聴かせてくれたならこのマキシシングル全体の締めとしても最高だった(「むふっ」以降は不可欠ではない)。
次に、救いなく残念なのだが、DAWN SKY versionのラップ(GORE-TEX担当)はいただけない。この曲とKAANAの声の魅力を誤解していないだろうか? KAANA自身今一度内省してみてほしい。
つまり、KAANAの魅力は「愛は純粋なものね」というテーマそのものだと直感できるということである。この台詞の持ついかがわしさといとおしさを嘘偽りなく響かせるために彼女の声がこの世に生まれてきたんじゃないのか? そこまで確信してしまうほど彼女の声はえげつなくて赤裸々で身も蓋もない、しかし、それでいて根本的に純然としているわけなんだ(まったく)。まさにFUDATSUKIだ(といったもののこの言葉の適正な使い方を完全に理解しているわけではない(笑))。1曲目に入っているDAWN SKY versionでその絶妙なバランスが失われているのが残念だ。ミックスの狙いとしては、KAANAのボーカルを単なる素材としてとまではいかないものの、サウンドに対して中立的にコラージュする意図が感じられる趣向があるし、AFTERGLOWよりもレア・グルーブ度が高いだけにもったいなかった。今回テレビでビデオの一部を見たものがどのバージョンかわからないままCDを買ったのだが、一般論としてラッパーがゲストで入るこの手の音楽作品の難しいところを痛感した。すべてのトラックを実際に聴くまでかなりヒヤヒヤドキッチョだった。DABOもGORE-TEXも普段どういうラップを披露しているのか私は無知だけど、この曲が帯びている愁いだけは尊重すべきだし、その点でDABOの方が雰囲気に合っていると思う。さらに、AFTERGLOW versionのうち、DABO入りバージョンの方が同じおしまい=ボーカルパートでのフェードアウトであっても構成上すでに述べた余韻に関する不満が少ない。
後は言葉が続きそうにない。無理にいうと冗談しか出てこない。それは年末までとっておきたい(フィ~!)。今はただ余計なことをいわず濃厚なアロマに浸っていたい。
クリス・ペプラーとタイラーが司会を務めているテレビの深夜番組でarrested developmentのスピーチがこの歌のビデオを見た上で「ボーカルアレンジがうまいね」と(英語で)言っていた。
そのビデオだが、私がTVKの「S Presso」で初めの3分間弱見た限り、溝口健二の「雨月物語」を想起させるほどの出来でこれまたcool。大ざっぱに言えば昨年からジャンルを問わずやたら目にする外国人受けを狙ったと思われるジャポニズム刺激路線(例えばバンバンバザール「新宿駅で待ってた」)に分類されるのだが、そういう意図(私は別に嫌いではないし、この作品については結果的な効果にすぎないだろう)とは無縁に、陰翳と淡い光の交合をかいま見させてこの歌の雰囲気を申し分なく高めていた。襖の隙間の奥でうごめくKAANAは青い愛の亡霊めいていた。(2001.4.4)
この人は作詞、作曲、歌唱の三拍子がそろっている。すべてが高い水準にあって全体が押し寄せてくる。古めかしい言葉の使い方──「よしんば」「ナウい」「ワイフ」等が天才的だ。
骨太なギターサウンド 歌唱力 歌詞の歌詞らしさ テーマ=接写の集合がモンタージュ合成 ウイット ステディー 堅実
その堅実さはポップな感覚をもてあそばない生真面目さゆえ 声の良さ=歌のうまさは出色(2004.11.15)
この歌...ちょっと猥猥しすぎ。(2001.9.9)
なによりもまずボーカリストの声がかわいい(^_^)。小島麻由美の毒を濾過したよう(冗)。また、私にとってテクノっていうのは、どんなにチープさや軽さをアピールしたものでもリズム音に一定の重量感がないと不満を覚えることが多いんだけど(たとえば石野卓球プロデュースの五島良子「ツキノハナ」のサウンドは五島良子の声との兼ね合いを抜きにしても一様に軽すぎた)、この作品の場合、ビデオにも出てきたフレームCGアートのような開放感が心地よいくつろぎの一曲に最適な音の刺激度バランスが取れていて言うことない。また、字足らずのフレーズのかわいらしい音数の合わせ方からは、日本語のテクノポップ独特の味わいがにじんできてちょっとうれしい。
この一曲だけだとこのグループの全体像、たとえばポリシックスのようにパンクの資質もあるのかどうかといったことはわからないけれども、スパナという名称からしてクラフトワークのようなフレームテクノ(今とっさに作った(^^;)が好きで、その秘儀もかなりマスターしている方たちだという印象を受けました。(2001.6.19)
歌詞のほとんど全部はっきり聞こえるところが偉い。ことばの存在感、聞き流させまいとする意識が演奏の持つ適度な鈍さと相俟って際立つ。母音が律儀に付きまとう日本語の音圧を感じる。はっきりと伝えたいがために声を大きく張り上げる本来の姿がここにある。(2001.5.28)
LOVE PSYCHEDELICOについて感じる不満を大分解消してくれる、歌としての存在感があるちょっとサイケ風のポップなロック。ルックスの点から言っても、この二人もしかしてそれなりにろくでもない人達なのかしら、でもちょっとキュートな魅力もあるし、う~んよくわからないけどサウンドはまちがいなくヘンタイよいこっぽさがあるからいいか...ってなぐあいだ。リードボーカルのYurippeの歌いっぷりに惚れ惚れ。
インターネットで調べたらサブボーカルの人は佐々木ゆう子だとわかった(笑)。(2001.6.19)
「珍走団」という言葉はまだなかった(ジョン・レノンはすでになく、黒人は皆アフロでもなかった──元ネタ:さいとうみわこ「エイズの人よ」)1980年代の恥ずかしい一面をねたにした良質のポップスということにしたい(笑)。しかし...尾崎豊ってこういう学蘭野郎にも受けは良かったのだろうか。(2001.7.7)
#お断りしますが、音楽家としての尾崎豊はおおむね昔から私の好評を得ております(おこがましい言い方)。
サカノウエくんにはぜひヴァージンVSをカバーしてほしい。「コスミック・サイクラー」「さらば青春のハイウェイ」なんかいいと思う。(2001.7.22)
雰囲気がいいとしかいいようがない。歌声とサウンドが迎合なく溶け合い一体化した存在感がある。個人的にはCORNETS「長い塀」と比べたくなる。(2001.7.25)
盛り上げてなんぼ 客引いたらアウト
ハコを盛り上げてなんぼ 現場持ち上げてなんぼ(なんぼもろても割の合わない仕事のテンポ)
ニッカボッカ姿でヒットとばしてライト/レフトの上に立つタフネス階級見せつけるぜ ぱっと
内装 外装 異様な形相 分け隔てなく実力主義で現ナマ飛び交う現場に生きる
見境なく そこはかとなく 暑苦しく 迫り来る現場アクター
日課に埋没する暇もなく体しびれさせ道路かち割る現場アクター
ノトーリアスなゴロがピンハネしたくてもできない言葉破棄散らかし
社会に一泡吹かせて鶴の恩返しとするアッパーなラッパー
時代のファッショナブルな上澄みとヘドロ同時にすくい上げて投げつけて跳ね返って汚れていくニッカボッカー
盛り上げてなんぼ 客引いたらアウト
ハコを盛り上げてなんぼ 晒しageすらなんぼ...
(2001.8.11)
初めて聴いた「帰り道」で詩がサウンドに対して求心力を持っているというロックバンドでは貴重な状況を作っていたので気になっていたのですが、この作品では疾走する感傷にニューミュージック的と言ってもいいかもしれないある種の歌謡の型を感じさせる風味が加わっていて余計に私好みであるし、ジャンルを問わず核を持った歌を欲している人の要求に応えるものでもあると思います。(2001.12.16)