メールマガジン　今月の本　2207号　マウス細胞の遺伝子突然変異の線量率依存性

　　今月の本　2207号　マウス細胞の遺伝子突然変異の線量率依存性　
（トリチウム水タスクフォース報告書について　参考資料６　トリチウム水の生体影響について（基礎実験データから）ｐ．５）
[https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/tritium_tusk/pdf/160603_02.pdf]

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)

　

　

　今日も原発関連資料になってしまいました。以前も少し紹介したトリチウムについての文書のグラフです。それは、パブコメも実施したのにあいも変わらず基準値はIAEAに丸投げで、規制庁が汚染水放出計画を認めてしまっていることです。

　 IAEAの基準がおかしなことについて規制当局もまったく気がついていないですし、パブコメの方も質問がほぼなくて、一番トリチウムについて重要なことについて世界中の方に再認識していただきたくてこのグラフに絞ってみました。

　これまで、さんざん汚染水放出の問題について述べてきました。
今月の本　1810号国際核融合実験装置（ITER）の誘致を見直して下さい
今月の本　2104号廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議（第５回）配付資料一覧
今月の本　2108号　福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する検討状況について
今月の本　2111号　福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価(設計段階)について
今月の本　2112号　第3回東京電力福島第一原子力発電所多核種除去設備等処理水の処分に係る実施計画に関する審査会合
今月の本　2205号　ＡＬＰＳ処理水の海洋放出関連設備の設置等に係る審査書案

　しかし、あまりに書きすぎて伝わっていないのかなと思い今回はグラフ一個に絞ってみました。このグラフは小柴昌俊さんが危惧していた通りのこと（今月の本　1810号国際核融合実験装置（ITER）の誘致を見直して下さい）が起きていることを如実に示しています。

　このグラフの見方は、ガンマ線が３０Gy/hのときと同じ突然変異頻度が、０.０３Gｙ/hの被爆線量のトリチウム水でおきることを意味しています。つまり同じトリチウム水の線量が小さくても１０００倍危険だという図なのです。これは小柴さんが危惧していた遺伝子内にとりこまれることによる影響でしょう。

　この図だけで、トリチウムの放出を全世界的にやめるべきということがわかると思います。それをICRPの見積もりではガンマ線ほど変化しないから増やしてもいいんだというとんでもない解釈をしています。これでは全世界的にがんが増えるわけですし、特に原子炉とがんとの距離の依存性がでてくるわけです。

　実際、次のページで一日０．２ｍGy/dayという小さな値でも平均寿命が短くなっています。標準偏差内だからと言いたいのだと思いますが、３．６の値が高めな点を除けばほぼ一定に寿命が短くなっています。そして、その３．６の標準偏差は非投与の値とほぼ同じはずですから、統計誤差の範囲とみなせて、僅かな量でも寿命に変化があることが明示されています。

　この実験結果に対して真っ向から否定するようなものはなにも書かれていないのですから、トリチウムをあれだけ大量にながしてよいなどということはできないのです。

　中国韓国も放出を批判しているようですから、全世界の原子力施設からのトリチウム水の放出を直ちに停止すべきですし、福島事故をおこした日本は率先してトリチウムの放出をやめるべきです。

　では、また来月に。

　関連リンク：http://yokutoku.y.ribbon.to/mm256wwn.html

　

　

　
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マウス細胞の遺伝子突然変異の線量率依存性　
（トリチウム水タスクフォース報告書について　参考資料６　トリチウム水の生体影響について（基礎実験データから）ｐ．５）
[https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/tritium_tusk/pdf/160603_02.pdf]

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