今月の本 2104号 廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議(第5回)配付資料一覧
[http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/dai5/index.html]
トリチウム水タスクフォース報告書について
[https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/tritium_tusk/20160603_01.html]


(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)





今回は緊急に必要だと思ったので メルマガを本日発行します。 ですので、いつも以上に誤字やおかしな表現があるかもしれませんが、 ホームページ上に載せるときには治す予定です。

もちろんなぜ緊急かというと 福島のトリチウム汚染水の海洋放出を政府が決めたからです。

先月は力学でしたが、 今回はエントロピーを官僚や政治家の方はご存知ないのでしょうか。 文系的言い方をすれば覆水盆に返らずということです。

なぜ、せっかく汚染物質を集めたのに放出するのでしょうか。 いくつものレトリックに政治家や官僚の方が騙されているように 見えます。

まず、トリチウムは安全だという文言がうそです。 それを言っているのは福島事故では放射能ではだれも死んでは いないということを言っている人たちです。 それ自体が放射能防護の専門家ではないことを意味してます。 放射能に比例して被害がでるというのが 世界的専門家の認識ですし、 原理的に考えても当たり前です。 当然事故前よりも日本人の受けた放射能が増えている以上 被害者はでているのです。 政治家では森さんや甘利さんはたまたま病気になったのでしょうか? 他にも若くして亡くなられた方もいます。 芸能界でも東北復興の活動をされていた 菅原文太さんをはじめ、 がん系の病気で亡くなられた方が多いです。 最近ではやはり復興の活動をされていた サンドウィッチマンの方も病気を発表されてます。 ジャーナリストでも何人もなくなったり ガン系の病気になってます。 ある番組ではMCがつぎつぎ病気になっているように見えます。 それなのに、いまだに原発の被害については 風評被害についてしか報道していません。 いい加減マスコミも目を覚ますべきですし、 そのように誘導している与党も目を覚ますべきです。 何度も述べてますが、2000年から2010年から想定される死亡率よりも 2011年以降増えている死亡率から 推定すると100万人以上の方がなくなっているように見えます。 上記の現象は当然なのです。 まして、病気になった方はそれより桁違いに多いはずです。 実際私の親戚でもガン系の病気になる方が何人も思い当たります。 日本全国すべての方が思い当たるのではないでしょうか。

何ミリシーベルトだから安全などということは ないのです。ふえればその分被害も増えるのです。

福島事故で放射能をばらまいた以上 いかにこれ以上環境中の放射能を増やさないかが 政府方針となるべきなのです。

ですからいかにうすめようが量をへらそうが 環境中の絶対値を増やすのが考え方として問題なのです。

しかも、説明文中で すでにサブドレインでもおなじようにして流している という今回の結論を誘導している文もあります。 だから私はサブドレインの水を流すのも反対でした。 もう忘れているかもしれませんが、 原子炉に流れ込む地下水です。それがなぜか汚染されていて そういうものは海に流すべきではないのに 薄めてながしているのです。 今回の結論を誘導するためのように思われます。 そしてもしそうなら、そのうち 他の汚染物質も海に流そうということに なるのではないでしょうか。 実際その下地となるように 現在トリチウム汚染水には 他の物質も入っているのですが、 規制値以下になったら 薄めて流すということも 今回決めているのです。

せっかく回収した物質を なんで流すのでしょうか。 最近も力士の方が多臓器不全で亡くなられましたが、 どういう影響があるかまったくわからないのですから、

しかも、SDG'Sでは世界的に水がないことが 問題となっているのです。 それをさらに汚染してよいわけないです。

そういう主張に対しては薄めていると主張しているのですが、 今回の文書にあるシミュレーションでは 3桁薄まるまで100kmかかるそうです。 [トリチウム水タスクフォース報告書について 参考資料集(PDF形式:28,395KB)160603_02.pdf参考資料2 p.10] そして、基準の何分の一という言い方で 国民や恐らく政治家の方もだまされて しまっていると思いますが、 平常時の1500倍の濃度の汚染を 放出するのです。 当然100km以上にわたって 濃度勾配ができます。 もし311以前の44基のすべての 原子炉からそういうものが流れたら 日本をとりまく海域中のトリチウム濃度が上がることが 想定されます。

そういうとよく自然にもトリチウムがあると説明されますが、 [ トリチウム水タスクフォース報告書について 参考資料集(PDF形式:28,395KB)160603_02.pdf参考資料3 p.12]をみると各国が一国で自然に発生するものと同じ量のトリチウムを 環境中にながしているのです。 環境中のトリチウムは人工のものであり、 当然減らすべきと考えるのがSDG'Sの下での人間のあり方だと思います。 そして実際その方向で取り除くようにしている国もあるのです。 その方向に進むのが世界に尊敬されるべく行動するように 憲法に義務付けられている日本人の正しいあり方です。

実際戦後一貫して日本人のガンの死亡率は 上がっているのです。 まず、いかにして環境中の放射線源を取り除くかを 技術者は考えるべきです。 よく1mSVだから安全だなどという 論議を聞きますが、そう考えている技術者が 100人いたら100mSvになってしまうのです。 現状まさにそういう状況です。 だれもトータルの影響を考えずに 自分の製品の範囲でしか安全を考慮していません。 とてもそういう状況で政治家や国民は 安全だと判断すべきではないです。

さらにトリチウムは安全としているのは 水素なのでほとんど水として流れるという説明です。 しかし生物濃縮もおきることが 海外の研究よりあきらかになっています。 5%が臓器に取り込まれます。 そしてその臓器を上位の捕食者が食べたら だんだん濃度が上がります。 さらに、今回の文書では 平均40日だから大丈夫みたいな 書き方をしてますが、 常時取得したら 排出する期間は意味ないですし、 当然臓器によっては何十年も 体内にのこります。水素なので あらゆる臓器に使われる可能性があるのです。 それなのに平均化するのは おおきな間違いです。

そういうと確率計算だからよいという主張が あると思いますが、そこには前回も問題となった 大数の感覚の欠如があるのです。 日本人だけで一億人いるのです。 一人も死なないためには 一億分の一の確率もおきないように しなくてはなりません。 そうなると工業的にもめったに 使わない9σの制度で 安全を制御する必要があるのですが、 通常はσや2σ程度の制御しかしません。 ですから政府が安全だといっても 100万人がなくなっても不思議ないのです。 それでも日本の人口にして1%なのです。 2σの理論なら十分許容できる誤差です。 しかし前にも述べましたが そのようなことを人間が行ってよいのかは、 橋から人をけり落とすと100人が助かるときに それをやってよいかを思考する訓練をつんだ 哲学者が判断すべきことで 小学校の算数のようにして問題を処理しようとする 理工系の技術者が判断すべきことではないのです。 そして私自身の回答としては 極力全員が助かる道を探るのが正解だということで、 そんな粗い安全管理を人間がとるべきではないと思います。 そして日本にはそのような道を選んでほしいものです。

あと、ほかにも突っ込み場所があるので、 いかに列記します。 ただ、時間ないので一部です。 ぜひみなさんも読んでみて問題点を発表して、 政治家の方に伝えてください。 本来こういうことはマスコミの方が調べて発表してほしいものです。

まず、 参考資料2のALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行のために当面取り組むべき措置 では、風評被害ばかりで、上述のように実際の被害がでるかどうかを 調べようとしていません。 これでは、いつまでたっても被害者がいないことになるわけです。

つぎに、参考資料1では、 (2)の基本方針の決定に至る経緯に  専門家が6年以上議論し、2020年2月に報告書をとりまとめ。 - 技術的に可能な5つの処分方法を検討し、「海洋放出がより現実的」と評価。 とありその理由として - 長期保管については、「タンク増設の余地は限定的」 福島で人が入れない地域はたくさんあります。これも単に費用を 問題としていると思うのは邪推でしょうか。 さらに、 - 分離技術については、「直ちに実用化できる段階にある技術は確認されていない」 とありますが、 トリチウム水タスクフォース報告書(平 成 2 8 年 6 月)みると 別紙3で有用なものがいくつもあるのに 別紙4でむりやり否定している感じです。 小規模プラントで問題ないなら大規模 プラントを現地で、組んで実証実験すれべよいでしょう。 海に流すにしても何年もかける計画です。 ちょっとずつ処理しても問題ないはずです。 そして、問題がないものを 選んでいけばよいのです。 しかも実用化しているものについては 値段で否定している感じです。 安全よりも利益を優先してはならないという 原子力基本法や規制法違反でしょう。

結局これから議論する将来の 電源構成でいかに原子力の値段を下げて シェアを確保するかに力点を おいて原子力行政のすべての行動がなされている ように見えます。

そんな思惑で最適解でない行動をとって 福島や国民が割をくってしまってよいのでしょうか。 きちんとこれらの文書を読んで抗議 して決定を取り下げさせるべきです。

それがだめなら 選挙で争点となるように国民一人一人が行動すべきです。 もっともまたしても野党一本化の過程で 再稼働反対ということはいわなくなったようです。 いかに原子力産業の政治力が強いかがわかります。 しかし。上述したように 我々全員の安心した生活がかかっているのです。 私自身は上記のように 推進派は人類の過半数が生き延びればよい というような考え方をするので、 原子炉を安全に使う能力を人間はもっていないと考えている ので再稼働反対ですが、 全世界の原子炉からトリチウム排出させないということなら、 本当の推進派の人こそ賛成するはずです。 なんとか一致点を見つけて野党には行動してほしいですし、 与党でも政府の行動を止めてほしいものです。



では、また来月に。

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