メールマガジン　今月の本　2111号　福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価(設計段階)について <br>

　今月の本　2111号　福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価(設計段階)について
[https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1657175_8711.html]

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)

今日も原発関連資料になってしまいました。分量も膨大ですから本当はマスコミの方に詳しく分析して発表してほしいのですがまったくその気配がない（それどころか各局の解説者の方は総理に決断が必要ですとかいって推進派として活動しているようにみうけられます。もちろんそれらの方がちゃんと調べたうえでそういうかつどうされているのならばよいのですが、そういう推進派の方は立場上そう主張しているだけなのでおそらく規制法もよんでないのでしょう。でなければ今回の文書が発表されたら直ちに反対の声を上げるはずです。そういう原発の安全をだれも担ってない状況こそ私が原発反対に宗旨替えした根本です。最近ようやく小惑星軌道をそらす実験が始まりました。まだ実験ですから実用化されてません。当然月軌道より近いところを通る小惑星があったら原発を停止して燃料棒を地下深くへと移さねばなりません。しかしそんな国はないのです。人類は原子力を扱えるほどまだ進化してないようです。（最近も中央構造線ぞいに富士山付近和歌山そして熊本まで地震が観測されています。そして、四国あたりが空白域となっています。地震に詳しい方ならおわかりでしょうが次に危険なのは空白域なのです。さらに３１１の時のように中央構造線全体が動いてもおかしくはないのです。それなのにまさにその線の上にある伊方原発が再稼働されてもだれも問題視していません。当然日本も政府マスコミ含めて原発運用の資格がないことがわかります。））ので忙しい月末なのに私なりに読み込んで、ここでおしらせします。

（それにしても、もっとライトノベルなど楽しい本を紹介するためにこのメルマガは始めたのですが。。。今度そういう本をご紹介できるのは一体いつになるのでしょうか。）

内容は何度もご紹介しているトリチウム汚染水の海洋放出について、事業者である東電が影響を推定したものです。

東電はパブリックコメントを求めているようなので、世界中の人が読んで問題点を指摘すべきです。

私が気がついたことをざっと述べます。

膨大な文章で丁寧にまとめられていて担当者の方の苦労がしのばれますが根本的なところが間違ってます。原子力村の放射能被害の影響をいくら積み上げてもそのほかの影響を考慮できないのです。まず、私や益川さん（すいません小柴さんと書き間違いしてました。）がこれまで述べてきたような単純な放射線以外へのトリチウムの害がまったく考慮されてません。トリチウムは水素として体内で扱われます。カルシウムのような信号物質でなく構造体である有機物質そのものなのです。当然それが崩壊してヘリウムになったらいたるところの有機物が損傷を生じます。以前ご紹介したように益川さんは遺伝子がそれで壊れることを問題視していました。放射線が命中するよりよっぽど確実なのです。改めてデータをみてみると、以前ご紹介した [トリチウム水タスクフォース（第15回）資料1　トリチウム水タスクフォース報告書（案） (https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear /osensuitaisaku/committtee/tritium_tusk/pdf/160527_03.pdf)] の参考資料６の５ページをみると２０Gy/hというとんでもない線量のガンマ線とその千分の一の線量のトリチウムが同じ頻度で突然変異を引き起こすことがわかります。（道理で原子炉からの距離に応じて乳がんが増えるわけです。日本は狭すぎてそういう傾向はわかりませんが、そのかわりに国全体のがんになる率が他国より高くなっているのでしょう。 CMではついに三人に二人ががんになる時代と宣伝してます。３１１の事故で大量に放射性物質がまき散らされてさらに被ばくしているのでしょうからもっと放射性物質の量を減らして被ばくする機会を減らすことに注力すべきです。）単純な放射線の害だけでは被害を想定できないのです。（この図をみるとトリチウムには放射線以外の毒性があることがわかるのに、IAEAは放射線を変化させても一定な場合は影響が少ないなどという理解しがたい解釈で問題としていないようです。トリチウム処理が大変だから害があったら大変だという忖度が働いているのではないでしょうか。ちゃんとグリーンピースのような反対派の意見も参照すべきです。）

ほかにも以前私が指摘したような平均の誤謬がいたるところにみうけられます。一億や百億の人口を想定して安全を考えるべきなのですから、９シグマや１２シグマで安全を見積もらなければなりません。平均の海藻摂取量で判断するのでは海藻好き海産物好きの人の被害を防げないことでしょう。（もっと実感がわかるように例えるとすると、平均で考えるということは、平均年収以上の人の平均年収を超えた分の税率は１００％にしても問題ないということです。平均で考えてるとそういう人はほとんどいないので問題ないということになります。しかし現実には、そんなことをされたら困るという方がたくさんおられることでしょう。暴動がおきるのではないでしょうか。そういう割合の人を無視した議論なのです。）

また、これも前に述べましたが、トリチウムは水として入ってきて大多数が排出されるとしても、めったに変化しない部位に取り込まれると長期間体内にいることになります。これも平均値で判断してはならないのです。そして一部残った部位を捕食することで上位の生物は生物濃縮をおこすはずなのに、まったく濃縮されないという係数を用いています。（先ほどの資料の参考資料３の４ページには濃縮係数が３０００を超えることもあるとあります。）それを1で判断しているのですからこれでは被害が小さくでるわけです。そもそもトリチウムは分離も検出も難しいので十分な実験評価は行われてないはずです。実際経験値と表記されています。そういう場合はもっと理論的にあらゆる可能性を考察すべきです。

さらに、海に流されたトリチウムが蒸発して陸に上がる効果も考慮されていません。ネットでトリチウムがあると雹が降りやすいという説をみたことがあります。実際３１１後見たこともない雹が大量に各地で降っています。福島第一原発の映像をみているとよく湯気がたっています。冬などは十分蒸気の影響も考えるべきでしょう。

そして、他の多数の元素もまるで毒性がないかのように放射線の影響のみ考慮してます。前にも述べましたがせっかく分離できたものをなぜ放出するのでしょうか。人間が使える水は少ないのです。その水を汚染する行為は SDGｓに背く行為です。こういうトリチウムを含む物質を放出しなければ動かせない原子力産業も化石燃料と同じように規制をかけるべきでしょう。

さらに前にも述べたものを含めていろいろありますが、時間がないのでそれらはみなさんが調べてみて東電に教えてあげて下さい。ぜひ地球や人類の未来を安全なものにするように行動してください。

では、また来月に。

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