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インディペンデント勢はもちろん、クレドールもG-SHOCKも躍進を遂げる日となった。

史上初となった、日本をテーマにしたフィリップスによる時計オークションTOKI-刻-。昨日(11月22日)に終えたばかりかつ、本日と明日で香港時計オークションⅩⅨも開催されるため、まだ香港は熱気に包まれている状況だ。ただ、ここで一度、我々HODINKEE Japanがオフィシャルメディアパートナーを務め、1年近くに及ぶ壮大なプロジェクトとなったTOKI-刻-の振り返りをしたいと思う。

特に、想像以上の躍進を遂げた日本勢に焦点を当てて、落札結果とともに現地の様子を交えてお届けしていく。なお、記載している落札価格は、ハンマープライスに27%のバイヤーズプレミアムを加えた価格となっている。

極上スーパーコピー Nランク代金引換専門店そら~ロット105:クロノトウキョウ グランド“虹” 落札価格 22万8600香港ドル(約454万5000円)

全体で115のロットが用意されたTOKI-刻-オークションだが、今回一つの目玉とも言える日本のインディペンデントウォッチメーカーによる11本の時計たちには、ロット105~115の番号が与えられた。口火を切ったのはこのクロノトウキョウのグランド“虹”だ。独特なニュアンスを持った漆文字盤と同ブランド初の金無垢ケースを備えたユニークピースは、みるみる間に入札合戦が繰り広げられた。

ロット106:タカノ シャトーヌーベル・クロノメーター“TOKI” 落札価格 21万5900香港ドル(約429万2500円)

続いて登場したのは、今年復活を遂げたタカノ。本作も前出のクロノトウキョウ同様、浅岡 肇氏が率いる東京時計精密による作品で、同社によるこのオークションでの収益は全額が能登半島地震で被害を受けられた輪島塗の救済のために寄付される。この1本のためのサーモンダイヤルは日本の伝統色である朱鷺色で、タカノ自体になじみはなくともその珍しい文字盤に引かれたのか、中東などからのビッドも目立った。最終的にはカタールの幸運な落札者の手にわたることに。

なお、出品前の東京時計精密・浅岡 肇氏への取材記事はこちらへ。

ロット107:大塚ローテック 6号 東雲 “SHINONOME” 落札価格 55万3400香港ドル(約1100万2600円)

ジャパニーズ・インディペンデントへの期待感がさらに顕在化したのが、このロット107からだった。前ふたつのロットもハイエスティメートを2倍近く上回る結果だったわけだが、ここからグッとギアが引き上がる。それもそのはず、大塚ローテックは現在日本在住者しか抽選に応募することができないうえ、直前のGPHG・チャレンジ部門で受賞を果たすなど海外勢から見ても話題が豊富だったのだ。結果、ハイエスティメートの10倍近い42万香港ドルでハンマーが鳴る。会場も合わせて熾烈な競り合い合戦となった。

なお、本作はブラックIPコーティングが施された、片山次朗氏によるユニークピースだが、コレクターから出品された6号、7.5号も同様に高い評価を受けて落札された。特に6号は本作に迫る勢いの37万香港ドルをつけたのだから、日本人のコレクターのあいだで大きな話題になるだろうと予感させられた。

出品前の大塚ローテックへの取材記事はこちらへ。

ここからさらにオークションのボルテージが最高潮に達するのだが、それ以前、前半戦でも大躍進を果たした日本の時計ブランドによる輝いたロットも紹介したい。

ロット45:クレドール ノード 叡智 落札価格 177万8000香港ドル(約3535万円)

年々評価を高めるクレドールの叡智。2008年に発売された、この初代・叡智は世界初のトルクリターンシステムを備え、年間で5本程度しか生産されなかった高い希少性を持つ時計だ。叡智 Ⅱにも引き継がれた磁器製のダイヤル、磨き込まれたスプリングドライブムーブメントなど、独自の魅力が凝縮された本作はこれまで出品された叡智 Ⅱの記録を大幅に更新(2024年5月の香港オークションで33万200香港ドル<約656万5000円>、2023年5月の香港オークションで40万6400香港ドル<約808万円>、)することになった。

僕は本作が落札された瞬間、香港のペダーアーケードのなかでマーク・チョー氏と一緒にいたのだが、彼もこの結果には驚きを隠せないようだった。長らくグランドセイコーやクレドールを愛好するマーク氏からすれば、ようやく世界もこの時計の魅力を大きく評価しはじめた、というところだろうか。ヴィンテージでもなく、スイス時計のようなヒストリーを持たない日本の時計が世界から注目を集めるというのは、間違いなくウォッチコレクティングの潮目が変わってきたことを意味する。

ロット49:カシオ G-SHOCK G-D5000-9JR 落札価格 114万3000香港ドル(約2272万5000円)

ノード叡智に続き会場(とペダーアーケード)を沸かせたのがこのG-SHOCKだ。本作は2015年にバーゼルワールドで特別展示された「DREAM PROJECT DW-5000 IBE SPECIAL」に端を発した、G-SHOCKのゴールドモデルを実現したもの。2019年に35本限定で販売された本作は、ケースやブレスレット、ビスのすべてに18金を用いて製作された。G-SHOCK35周年を集大成したモデルだったが、あれから約5年を経てさらにその評価を確固たるものとする1本となった。

本作の落札は、同様にフィリップスが手掛けた2023年のG-D001の成功も影響しているだろう。アメリカの時計好きの手にわたることになったゴールドG-SHOCKは、ラグジュアリーウォッチにおけるクォーツ時計の可能性をも示唆してくれるかもしれない。

さて、日本勢の評価の高まりに胸を躍らせたところで、オークションの実施時間が5時間を経過してなお、熱が高まり続けた最終ロットまでを振り返りたい。

ロット110:菊野昌宏  蒼(SOU) 落札価格 86万3600香港ドル(約1717万円)

さて、ラストスパートと言わんばかりのジャンプアップを果たしたのは、日本人で初めて独立時計師アカデミー(AHCI)の正会員となった菊野昌宏氏だ。この蒼(SOU)という時計は販売を目的としたものではなく、自身のために製作した2本のうちの1本。もう1本は本当に日常使いしているようで、会期中は菊野氏の奥様が着用されていた。

文字盤に星座を描いた本作には世界中からの入札が相次ぎ、日本からのビッドも確認。このロットの最中、オークショニアのトーマス・ペラッツィ氏が壇上から菊野氏に目配せすると、「enough、enough!」ともう十分な入札が入ったと遠慮する姿を見せ、時計同様にまっすぐな人間性を伺わせた。結果、本作はニューヨークのコレクターの手にわたることになった。

「enough,enough!」

ロット111:菊野昌宏 トゥールビヨン 2012 落札価格 228万6000香港ドル(約4545万円)

ロット110の興奮冷めやらぬなか、本人も「次が本番」と語ったトゥールビヨン2012が満を持して登場。前ロット以上にハイペースで進む入札合戦は、電話入札も多数入り乱れてかなり長い時間がかかって進んだ。本作は菊野氏が初めて自身の工房で製作したユニークピースでそのすべてが本人の手作業によって作られている。彼の工房に10年以上にわたって保管されていた本作が改めて日の目を見ることになったわけだが、菊野氏は独立時計師のなかでも極めて生産本数が少なく、過去12年のあいだに販売した時計は20本程度だという。

オークション終了後、多くの関係者からも質問の嵐を受けることになった菊野氏。彼の作品が再びオークションの場に現れるのがいつになるのかは神のみぞ知るが、日本人独立時計師の元祖ともいえる菊野氏がこうした評価を受けたことは後進にも大きな影響を与えるだろう。

なお、出品前の菊野昌宏さんへの取材記事はこちらへ。

ロット112:マサズパスタイム 那由他モデル A 刻 落札価格 55万8800香港ドル(約1111万円)

菊野氏の後進、という意味では篠原那由他氏もそれに当てはまる。ヒコ・みづのジュエリーカレッジで菊野氏の薫陶を受けた篠原氏は、ご存知の通り第10回ウォルター・ランゲ・ウォッチメイキング・エクセレント・アワードの最優秀賞受賞者だ。オリジナルウォッチの製作も手掛けるマサズパスタイムで働く彼だが、この那由他モデルについては完全に自由な発想で社内チームの協力のもとで手掛けているものだという。彫金が施された文字盤中央部分と篠原氏自身が設計、製造を手掛けたムーブメントが大きな特徴。共通して見られる装飾は、刃物の波紋のような揺らぎのあるテクスチャを浮かべているが、これは刀を完成させる前に行われる、炭で金属を磨く処理を施したものとのこと。本来、表面に出ることのない模様が日本らしさを演出しているのがユニークだ。

本作は会場からのビッドによって落札され、終了後に落札者との記念撮影に応じる那由他氏の姿が見られた。彼は、次世代時計師のひとりとして、間違いなく今後名を挙げるひとりだろう。

ロット113:マサズパスタイム カスタムリピーターウォッチ by マーク・チョー 落札価格 38万1000香港ドル(約757万5000円)

Image courtesy:Phillips

マサズパスタイムからのもう1本の出品は、懐中時計のミニッツリピーターをベースにアーモリー共同設立者であるマーク・チョー氏からの特注によって製作されたもの。マーク氏とマサズパスタイムオーナー・中島正晴氏による友情によって実現した本作は、1990年からアンティーク、特に懐中時計の修復をはじめ、2000年頃から開始したカスタムウォッチ製作によってかなえられた賜物と言えるだろう。

「代々受け継がれる宝物の時計」をテーマとする同社は、こうした100年前の時計を現代につなぐことを可能としており、ゼロから生まれる篠原氏の時計とともに日本の独立時計メーカーとしてのユニークさを示している。

なお、出品前のマサズパスタイムへの取材記事はこちらへ。

ロット115:Naoya Hida & Co. TYPE1D-2 落札価格 63万5000香港ドル(約1262万5000円)

TOKI-刻-最終ロットとして登場したのは、Naoya Hida & Co.によるTYPE1D-2。本作は同社が初めて市場に投入した18KYGケースのモデルをベースとしており、ケースバックに特別なエングレービングが施される。しかも落札者とのコミュニケーションを通して、自由にオリジナルな彫金が可能ということで、落札時点ではまだ未完成の時計である点でもユニークなロットとしてオークション全体を締めくくった。

本オークション開始時点からNH WATCH代表の飛田直哉氏と行動をともにしていたが、珍しく緊張の色を浮かべた姿が印象的だった。“飛田さんでもナーバスになることがあるのか”と少し驚いた僕だったが、無事によい成果を収め、別途公開する動画でも終了後のコメントをいただけたので安堵した。ご自身のアイデアもまだまだ尽きないという飛田氏だが、日本の時計業界の行く末もまた真剣に見つめている。TOKI-刻-が始動した初期から賛同してくれた飛田さん、NH WATCHの皆さんには感謝してもしきれない思いだ。 

なお、極上パテックフィリップスーパーコピー代引き専門店そら~出品前のNH WATCHへの取材記事はこちらへ。

誇るべき、日本のインディペンデントウォッチメイキング

NH WATCH代表 飛田直哉氏、菊野昌宏氏、マサズパスタイム 篠原那由他氏、同代表 中島正晴氏。

日本が持つ時計のカルチャーを広めたいと始まったテーマオークション、TOKI-刻-。このような機会を与えていただいた、フィリップス、そしてアジア時計部門のヘッドであるトーマス・ペラッツィ氏に改めて感謝をお伝えしたい。日本国内のみならず、海外に対してもこうした施策を増やして時計の面白さを発信していきたいとHODINKEE Japanとしても想いを強めている。素晴らしい結果を得た、日本の独立ブランド/時計師の皆様、本当におめでとうございました!

オメガ シーマスター 300Mから“ダニエル・クレイグ”モデルとシルバーダイヤルの新作

ジェームズ・ボンドことダニエル・クレイグ氏がその存在を隠し続ける必要はもうない。新たに登場したブラック(およびシルバー)のノンデイト仕様シーマスター 300Mが発表された。しかし、その内容はリーク情報から期待されたものとは少し異なるようだ。

以前大いに注目されたブラックダイヤルを持つステンレススティール(SS)製ノンデイト仕様シーマスター 300Mは、オリンピックでジェームズ・ボンド…いや、ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)氏の手首に巻かれた数カ月後に正式発表された。そのエピソードもあり、すでに“ダニエル・クレイグ”という愛称で呼ばれ始めているのも納得だ。しかしさらに驚くべきことに、オメガはこのモデルに加えて、ブラッシュ仕上げのシルバーダイヤルとベゼルを備えたオプションも同時にリリースした。そして、これらの新作にはダイヤルとベゼル以外にも注目すべきポイントが数多く存在する。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(原題: No Time to Die)』のシーマスターを彷彿とさせるディテールが随所に散りばめられているのだ。

Seamaster 300M
今回登場した新モデルはふたつで、ウブロスーパーコピー代金引換を激安合計4つのSKU(それぞれ異なるブレスレットオプションを持つ)からなる。どちらもSS製の42mm径ケースを持つシーマスター 300Mで、厚さは13.8mm。いずれも『ノー・タイム・トゥ・ダイ』エディションと同様、わずかにドーム型になったサファイアクリスタルを採用しており、それが厚みを少し増している。内部にはコーアクシャル脱進機を備えたマスタークロノメーター認定のCal.8806が搭載され、シースルーケースバックを備える。しかし外観をひと目見れば、その特徴からシーマスター 300Mであることがすぐにわかる。力強いダイビングベゼル、スケルトン化されたソード針、竪琴ラグ、そして10時位置の手動式ヘリウムエスケープバルブといった定番のデザインは健在だ。両モデルの最大の違いはその美学的要素にあるが、さらに注目すべきディテールがある。

まずは最も注目を浴びるであろうブラックダイヤルから。ダイヤルにはアルミニウムが素材として使用され、表面のウェーブパターンが従来よりも小さくなっている。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』エディションや“ボンド60周年記念”モデルと同様に、このブラックのウェーブダイヤルモデルはベゼルインサートにもアルミニウムを採用している。これにより従来のポリッシュ仕上げのセラミックに比べて、ややマットな印象を与えている。一方でシルバーダイヤルモデルはPVD加工されたブラッシュ仕上げのSS製で、ベゼルインサートにはレーザー加工が施されたチタンが使用されている。この仕様はややマイナーだが“ネクトン”エディションを思わせるものだ。ブラックダイヤルが人気を集めるのは間違いないが、SSダイヤルも目を引く魅力的なオプションと言えよう。

どちらのモデルも、ブラックのダブルリッジ(2本の隆起を持つ)ラバーストラップ(ピンバックル付き)またはSS製メッシュブレスレット(幅20mm、フォールディングクラスプ付き)を選択可能である。こちらも『ノー・タイム・トゥ・ダイ』モデルのような仕様だ。価格はブレスレットモデルが100万1000円、ラバーストラップモデルが91万3000円(ともに税込)となっている。

我々の考え
私は実は、この時計が初めてリークされたオリンピックの現場にいた。そして今回ついにその時計が発表されたのだ。当時私ダニエル・クレイグ氏がオリンピックで着用していたこの未発表のシーマスター 300Mの謎に迫るため、すべての作業を中断して調査を始めた。それ以来、この正式発表をずっと待ち望んでいた。そう、あの“リーク”が偶然だったとはまったく思っていない。オメガがリリース前の期待を高めるために意図的に仕掛けたものである可能性が高いのだ。ただし、オメガ側から報道を依頼されたわけではない。

実際、私がブランド側にこの件について質問した際(そのなかには、現在ブレゲのCEOである元オメガ製品開発責任者のグレゴリー・キスリング氏も含まれていた)、彼らは少し驚いている様子で、何も情報を持っていないと言われた。いずれにせよ、この話が我々の記事のなかでも年間で最も読まれたもののひとつになったという事実は特段驚くべきことではない。もちろん、我々の記事内容が完全に正しかったわけではない(今回のモデルにはセラミックベゼルは採用されていなかった)が、それでも素晴らしいリリースであることに変わりはない。

Daniel Craig
シニアエグゼクティブのダニエル・クレイグ氏(どこの部署だろうか...)。Photo: Getty Images

ブラックダイヤルモデルは確実にヒットすると言っていいだろう。メッシュブレスレット付きで155万1000円(税込)の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』モデルよりも手ごろな価格で、オメガのラインナップにおける素晴らしいエントリーレベルのダイバーズウォッチを提供しているからだ。確かに期待されていたよりもやや大きく厚めかもしれないが、私は42mm径のシーマスター 300Mが手首にしっくりくると思っているし、ブラックのダイビングウォッチにハズれはない。

シースルーケースバックが採用されている点は、オメガのエントリーレベルモデルとして非常に素晴らしい選択だ。これらすべてを総合すると、オメガが中価格帯の高級ダイバーズウォッチ市場で再び競争力を取り戻しつつあるのだと感じる。ロレックスが価格の高騰と入手の難しさによって長いあいだこのマーケットから離れてしまっているのは残念だが、オメガがその隙間を埋めようとしているのだ。これまでの傾向を考えると、今回のシーマスター 300Mはしばらく入手困難になる可能性もあるが、いずれは在庫が安定するだろうと予測している。

Silver 300M
Silver 300M Lume
基本情報
ブランド: オメガ(Omega)
モデル名: シーマスター ダイバー300M(Seamaster Diver 300M)
型番: 210.30.42.20.01.010(SS製ケースとアルミニウムベゼル、ブレスレット仕様) /210.32.42.20.01.003(SS製ケースとアルミニウムベゼル、ストラップ仕様)/210.30.42.20.06.002(SS製ケースとチタンベゼル、ブレスレット仕様)/210.32.42.20.06.002(SS製ケースとチタンベゼル、ストラップ仕様)

直径: 42mm(ラグトゥラグは49.7mm)
厚さ: 13.8mm
ケース素材: SS製ケースとシュウ酸アルマイト処理を施したアルミニウム製ベゼルインサート/ SS製ケースとレーザー加工によりダイビングスケールをあしらったグレード5チタン製ベゼルインサート
文字盤色: 微細なウェーブパターンを施したブラックアルミニウム/ブラッシュ仕上げのシルバーグレーSS
インデックス: アプライド
夜光: 針とインデックス
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: フォールディングクラスプ付きSS製メッシュブレスレット(幅20mm)、またはピンバックル付きのダブルリッジブラックラバーストラップ

Seamaster 300M Caseback
ムーブメント情報
キャリバー: オメガ 8806
機能: 時・分・秒表示
パワーリザーブ: 55時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き、秒針停止機能付き)
振動数: 2万5200振動/時
石数: 35
クロノメーター認定: マスタークロノメーター
追加情報: コーアクシャル・エスケープメント、シリコン製ヒゲゼンマイを備えたフリースプラング式テンプ

価格 & 追加情報
価格: ブレスレットモデル 100万1000円/ラバーストラップモデル 91万3000円(ともに税込)
発売時期: 発売中
限定: なし

機械式腕時計製造の拠点であるグランドセイコースタジオ 雫石から、

9月下旬に私たちはグランドセイコー各施設の見学ツアー(前編)を掲載した。前回の訪問からグランドセイコーではさまざまな変化があったが、おそらく最も大きくインパクトのある出来事は2020年7月20日に機械式腕時計製造の新たな拠点グランドセイコースタジオ 雫石がオープンしたことだろう。前編で雫石の工房内部を期待していた読者諸兄を長らく待たせしてしまう形になったが、ついにお見せできる時がやってきた。

Shizikuishi
 この新しい施設がGSファンを魅了する理由は、機械式腕時計製造に関する話だけではないようだ。確かにグランドセイコーが誇る機械式時計は、新たに導入された“Kodo”のコンスタントフォース・トゥールビヨン(実際には銀座で組み立てられている)や手巻き式のハイビートムーブメント9SA4によって新たな高みに到達した。また、グランドセイコーの近年の新作に多くのインスピレーションを与えている現地の自然環境、それらと見事に一体化したグランドセイコースタジオ 雫石が放つ独特な魅力も、GSファンを惹きつける要素となっている。この工房は日本の著名な建築家、隈 研吾氏がブランド哲学を体現するためにデザインしたものだ。

Shizikuishi
さて、後編はこのスタジオの話から始めたいと思う。さらに銀座にあるセイコーミュージアム 銀座(以下、セイコーミュージアム)についても簡単に紹介する予定だ。こちらは東京への短い旅行のなかでも訪問しやすく、最信頼性の日本スーパーコピー時計Nランク代金引換専門店時間をかけて行く価値がある場所だ。日本を訪れるのが難しい人にも、この記事をとおしてグランドセイコーが現代の腕時計製造において特別な存在である理由を感じていただければ幸いだ。

3日目: グランドセイコースタジオ 雫石(そして、いくらなんでも多すぎる蕎麦)
Shizikuishi
 すでにご存じかもしれないが、グランドセイコーは自社の伝統に強く根ざしている。これまで訪問したどの施設にも、訪問者に歴史を感じてもらうための展示があった。グランドセイコースタジオ 雫石は木曜日と金曜日に一般公開されているが、ここに来るには岩手県の盛岡駅まで東京からクルマで6時間、もしくは鉄道で2時間半かけて行き、そこから約20~30分タクシーに乗る必要がある。東京から盛岡まで来たものの銀座のセイコーミュージアムには行きそびれた、という人はこのスタジオでブランドのメカニカルな側面について貴重な体験を楽しめるだろう。

Shizikuishi
Shizikuishi Museum
国産初の腕時計、“ローレル”。

Shizikuishi
Shizikuishi
Shizikuishi Museum
models of 9S27
Cal.9S27の分解展示。

Model of 9SA5
同じくムーブメントパーツの展示。こちらはCal.9SA5。

Meister certifications
以前の記事でも紹介したかもしれないが、グランドセイコーの時計職人は仕事を通して、その技術とそれを将来世代の時計職人に伝える能力の両方に基づいてプロフェッショナル人材制度(通称マイスター制度)による認定を受けることができる。ここでは現地のマイスター、スペシャリストが何人か紹介されている。

Hallway
この廊下を進むと、グランドセイコースタジオ 雫石がその名を知られる所以であるムーブメントの組み立てを見ることができる。だがその前に、外に出てみよう。

 非常に厳しい暑さにもかかわらず、個人的には再びスタジオの外に出るのがとても楽しみだった。上に掲載したスタジオの写真は、アスファルトに描かれた印にきちんと立って撮影したものだ。この位置に立つとスマートフォンなどで撮影する際に完璧な構図が得られるよう工夫されている。グランドセイコースタジオ 雫石での体験にどれほど細やかな配慮がなされているかがよく分かる話だ。外壁は下見板張りという技法で杉の無垢材を使用。内壁は日本の伝統的な大和張りの技法で仕上げており、板は不均等に配置されることで光と影の戯れ(たわむれ)を強調している。

 日本の国土の70%は森林に覆われており、グランドセイコーにとって大きなインスピレーションの源である白樺林ももちろんそのなかに含まれている。北向きの窓からは標高2038mの岩手山を望める。この山はスタジオから20kmほど離れているが、晴れた日には時折その姿を拝むことが可能だ。グランドセイコーは建築だけでなく、その他の面でも自然との調和を大切にしている。なお盛岡市郊外にある施設のために所有している土地の4割近くは、緑地として保全、活用されているという。

Studio Shizikuishi
Studio Shizikuishi
盛岡市郊外を歩き回る際にはツキノワグマが現実的な心配の種となる。雫石スタジオのチームは鈴(サンタのトナカイに付いているようなもの)と熊よけスプレーを携帯していた。私の記憶ではおもしろいことに、スタジオがある盛岡セイコー工業の敷地内にもクマが出没したことがあるそうだ。

Studio Shizikuishi
グランドセイコースタジオ 雫石を取り囲む白樺林。

Studio Shizikuishi
遊歩道から見たスタジオの外観。

Studio Shizikuishi
盛岡セイコー工業が保全に力を入れている動物相の生物多様性を維持するための小さなインセクトホテルを、スタジオの周りではよく目にした。

Studio Shizikuishi
インセクトホテルというよりも、ニューヨークのワンルームマンションみたいじゃないか?

Studio Shizikuishi
 スタジオ内に戻ると機械式腕時計製造の基礎を支えるパーツ、具体的にはプレートやネジが展示されていた。ここでは腕時計に使用される多くの部品を目にすることができる。普段は見過ごしがちな要素のひとつに、部品を固定するためのネジがある。これらのネジがどれほど小さいかを理解しているつもりでも、実物を見ると改めてその小ささに驚かされるだろう。

Grand Seiko
切り出されたムーブメントパーツ(地板と受け)。

Studio Shizikuishi
ムーブメント用の小さなネジ。どのくらい小さいかって?

Studio Shizikuishi
米粒と比べてこれくらい。

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そしてこれが顕微鏡で見た米粒とネジ(ひげ持ちネジ)だ。

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グランドセイコースタジオ 雫石に足を踏み入れると、その内部を窓の外に見える自然とつなぐ縦張りの木製羽目板が目に留まるだろう。また組み立てを担当する時計職人のために光を取り入れる大きな窓もある。

Studio Shizikuishi
上からは腕時計の組み立てに関わるさまざまな作業がよく見える。私が見た場所では部品製造は行われていなかった。

Studio Shizikuishi
Studio Shizikuishi
廊下を歩いていくと、最初に見えた2列ではムーブメントの組み立てが行われていた。その次はヒゲゼンマイの調整。4列目は歩度調整の工程を見ることができる。以下の写真を見て、どの作業が行われているか分かるだろうか。

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時計職人がいかに精密な作業を要求されているかを実感してもらうために、グランドセイコースタジオ 雫石はこんなものを用意している。このわずか5mm四方の紙を使って小さな折り鶴を折ることができる時計職人がいることも驚きだ。

Studio Shizikuishi
歩度調整の作業の様子。

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外装取付の工程。ムーブメントがケースに収められている様子を見ることができる。

Studio Shizikuishi
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2階のラウンジには小さなショールームもある。なぜここに来たかって? その理由については、下の写真をご覧いただきたい。

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工房見学でのみ購入可能なスタジオ雫石限定モデル、グランドセイコー SBGH283。私は最近の記事で、これを含む3本の日本限定モデルを実際に手に取り、紹介している。

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遠くに岩手山を望む。

Studio Shizikuishi
GPHG賞にノミネートされた新モデルSLGW003に搭載されている、新開発のハイビート手巻きムーブメント9SA4について最後に詳細な説明を受けた。このムーブメントを開発し、今回説明を担当してくれたのが田中佑弥氏である。私にとってこの体験は、まるでロックスターに会うような感動を与えてくれた。

Studio Shizikuishi
このムーブメントを搭載した腕時計の成功に大きく寄与している、巻き上げのクリック感。これを最適なバランスにするために、田中氏はヴィンテージの手巻き式時計の研究に多くの時間を費やしたという。

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これまでに発売された2本のモデル、“白樺”ダイヤルのSLGW002とSLGW003。

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ゼンマイ巻き上げ時のクリック感を調整する“コハゼ”を指差す田中氏。グランドセイコースタジオ 雫石周辺でよく見られる鳥“セキレイ”から着想を得たデザインだ。

Studio Shizikuishi
受けに施された仕上げと波目模様を改めて見てみよう。この腕時計はジュネーブ製ではないので、“コート・ド・ジュネーブ”と呼ぶのは適切ではないかもしれない。ここでは“雫石川仕上げ”と呼ばれている。

Studio Shizikuishi
Studio Shizukuishi
盛岡での食事と自己嫌悪、観光も少々
 前編では旅行中の食事や余計なことは紹介しないと約束したが、例外を設けたい。グランドセイコーのチームは素晴らしいことに、彼らにインスピレーションを与えている文化的背景に触れる機会を私たちに与えてくれた。午前中の雫石での見学ツアーのあとに、スタジオ近くの盛岡周辺で午後の小旅行に連れて行ってくれたのだ。でもその前に昼食をとろう。具体的には、わんこそばだ。

Soba Noodles
 グランドセイコーが日本文化という大きな枠組みのなかで自分たちの仕事を巧みに位置づけていることについては、前編でも触れた。こうした広い意味での文化体験は3日目に集中していた。その重要な部分についてはこの後すぐ触れるとして、わんこそばはしばらく夢に出てくるだろう。

Soba noodles
 簡潔に説明すると、わんこそば(“わんこ”はこの地域の方言で“木製のお椀”という意味)は岩手県発祥の日本蕎麦の一種である。ツアー一行が入った東家(あずまや)というお店では、蓋付きの大きな器とお好みで選べるつけ合わせや肉が置かれたテーブルに座ると、給仕さんたちが小さなカップに入った蕎麦を次々とお椀に入れてくれた。目的は昼食を楽しむことか、できるだけたくさん蕎麦を食べることのどちらかである。どれだけ食べられるか皆で予想し合ったが、100杯完食すると特別な証明書がもらえると聞き、私はそれを目標にすることにした。空になったお椀は15杯ずつ積まれ、手に持ったお椀には蓋をしない限り蕎麦が次々と入れられる。蓋をしたらそこで終了となり、再開はできない。

Soba Noodles
 そういうわけで、私は28分ちょっとで100杯(とビール数杯)を完食した。しかし、ペース配分を考えなかったのは初心者らしいミスだった。グランドセイコーのチームメンバーのひとりに、数杯差で負けてしまったのだ。彼らはもっとゆっくり食べ、いいペースを保っていた。そして不思議と誇らしい気持ちと、とてつもない悔しさが同時にこみ上げてきた。この誇りと悔しさを忘れないように、証明書と木製の小さな証明手形を手に帰ってきた。

Morioka certificate
 気分転換に盛岡をもう少し探索することにした。最初に訪れたのは盛岡八幡宮で、この神社は1062年に創建され、1593年に南部氏によって盛岡城の鎮守社として再興された。1884年に焼失したのちに復興されており、現在の社殿は2006年に建て直されたものである。神道の習慣や、多くの日本人が行う神道の文化的な実践に触れるにはいい場所だった。

Morioka
Morioka Hachimangū
Morioka Hachimangū
儀式の一環として手水で清めたのち、神社の境内を散策した。

Morioka Hachimangū
Morioka Hachimangū
Morioka Hachimangū
Morioka Hachimangū
Morioka Hachimangū
 次に訪れたのは、地元のランドマークである歴史的な邸宅だ。ここはインフルエンサー(見た目で区別はつかないが、あるいは観光客)にとって、庭園の美しい写真や往時の趣を感じさせる写真が撮れる絶好のスポットとなっている。しかし実はこの邸宅のなかで、グランドセイコーとのつながりが見つかったのだ。

Nanshoso
南昌荘は盛岡市にある歴史的な邸宅で、明治時代の1885年ごろに地元の実業家であった瀬川安五郎が自邸として建てたものだ。現在は庭園見学や抹茶を楽しめる場所となっている。

Nanshoso
暑さを避けてゆっくりくつろぐ場所を探しているなら、ここはなかなかいい選択肢だ。

Nanshoso
9月にしては季節外れの暑さで池の一部が干上がっていたが、それでもニューヨークのコンクリートジャングルに慣れた身にはいい気分転換になった。

Nanshoso
グランドセイコーは、自然や周囲の世界からインスピレーションを得ることで知られている。漆塗りの床に映り揺れるこの紅葉の葉も、赤い文字盤を持つSBGJ273 GMTのデザインに影響を与えたかもしれない。

Nanshoso
Nanshoso
Nanshoso
4日目: セイコーミュージアム
Bullet train
 4日目の朝、私たちは大都市東京に戻った。ツアー後にさらに1週間東京に滞在したのだが、地図を見てもその広大さを実感するのは難しいと感じた。横浜に行ったときも、東京とほかの都市の境界がどこにあるのかまったく分からないほどだった。

 午前中の移動のあと、セイコーミュージアムを見学するために銀座に到着した。このミュージアムは最近改装され、6階にグランドセイコーミュージアムが新たにオープンしていた。ニューヨークのグランドセイコーフラッグシップブティックに行ったことがある人なら、そのデザインにどこか見覚えがあるように感じるだろう。

Seiko Museum
Seiko Museum
まずはグランドセイコーのファーストモデルをいくつか。

Seiko Museum
展示されていた資料のなかで特に興味深かったのは、グランドセイコーのロゴマークとデザイン文法についてだった。時を超えてきたこのようなロゴの開発プロセスには、何ともいえないエレガントさを感じる。

Seiko Museum
グランドセイコーは長年にわたり、当然の評価として数々の賞を受賞してきた。ここには受賞作のうちのふたつが展示されている。

Seiko Museum
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グランドセイコーを見たいのなら、ここには見るべきものがたくさんある。

Seiko Museum
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このパティーナは素晴らしい。

Seiko Museum
このケースとブレスレットの形状はこれまでに見たことがないものだ。

Seiko Museum
こちらは上で紹介した時計に搭載されているムーブメントの一部。

Seiko Museum
Seiko Museum
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私にとって、さまざまな懐中時計を見られる機会は貴重だ。セイコー創業以前に日本に輸入された初期のものもある。

Seiko Museum
セイコーが自社で部品製造を始めるきっかけとなった初期の機械。

Seiko Museum
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クロノグラフを搭載した初期の懐中時計。

Seiko Museum
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アメリカの鉄道時計は日本にも伝わっていた。日本が急速に鉄道網を拡大したことを考えれば意外ではない。

Seiko Museum
Seiko Museum
初期のセイコー懐中時計をふたつ。

Seiko Museum
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そしてセイコー ローレルをもう1本。

Seiko Museum
このセイコー ローレルの部品の展示は魅力的だった。

Seiko Museum
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初期のセイコーの広告。

Seiko Museum
関東大震災の際、セイコーの前身である精工舎の工場が大火災に見舞われ、このように溶けた金属の塊となった懐中時計が生まれた。

Seiko Museum
マリンクロノメーター。

Seiko Museum
この時計は魅力的だったが、その仕組みや時間の読み方は完全には分からなかった。世界標準時が導入される前の日本では独自の時間体系が採用されており、年間を通して1日の長さが異なっていた。

Seiko Museum
館内をさらに進むと、セイコーの歴史のなかでもより独創的で奇抜な時計が数多く展示されているのが見えてきた。

Seiko Museum
もしこれがアメリカの鉄道用懐中時計に似ていると感じるなら、それはセイコーがアメリカの製品に対抗して作ったからだ。

Seiko Museum
これは現実的な問題に対するもうひとつの魅力的な解決策だ。視覚障害者向けの触覚式懐中時計である。

Seiko Museum Officer's Watch
今回の旅で見た時計のなかで私が1番気に入ったのはこれかもしれない。第1次世界大戦中の精工舎製将校用腕時計だ。同じような品物をずっと探しているが見つかりそうにない。

Seiko Museum
軍用のセイコーがもう1本。こちらは(明らかに)海軍用だ。

Seiko Museum
独創的な文字盤のセレクション。

Seiko Museum
実に興味深いセイコークロノスの展示。

Seiko Museum
ここでクイズ。左の時計の時間が逆向きに書かれているのはなぜだろう? 回答は下のコメント欄まで。

Seiko Museum
セイコー5が好きなら、たくさん展示されている。

Seiko Museum
Seiko Museum
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極上ロレックススーパーコピー代引き専門店そら~計算を行うために携帯電話を持ち歩くのにうんざりしているなら、1980年代に戻ってセイコーの腕時計型コンピュータこと“腕コン”を使えばいい。

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44GS
最後にオリジナルのグランドセイコー 45GSをお見せしたい。そして最後の最後に、新しい復刻モデル(下の写真)と、これらを含む数多くのモデルを手がけたふたりの人物を紹介しよう。

44GS Reissues
SLGW004とSLWG005。

Grand Seiko Designers
デザインを手がけた鎌田淳一氏(グランドセイコー デザインディレクター)と吉田顕氏(グランドセイコー デザイナー)。次に彼らがどんな製品を生み出すのか見たい人は、もう少しお待ちいただきたい。

Tokyo
日本から、おやすみ、そしてさようなら。