「そんなにくすぐったくないだろ。なら、また腋でもやった方がいいか?」 「っ…はぁ…それ…も、やだ……」 「我が儘言うな。あんまり反省してないみたいだな」 弘毅は由香のワンピースの肩のあたりを引っ張って隙間を作り、髪の毛を服の中へと入れた。 「きゃっ!…ぁはっ…ふ……やぅっ!」 サラサラな髪が服の前後に潜り込み、背中や胸のあたりを刺激する。 どう動いても逃れられない、焦らすような微弱なくすぐったさとむず痒さ。 それらが由香の肌を敏感にしていく。 毛の先端が小さな胸の蕾などに触れると、由香は子どもながらにピクッと反応した。 弘毅が服から髪を引き抜いた時には、由香の上半身で自身の髪が触れなかった部分など一箇所もなかった。 弘毅は由香の髪をポニーテールに纏め直し、きちんとゴムで留める。 (まだムズムズする…) 既にワンピースの中には一本の髪も入っていないのに、由香の体にはその感触が残っていた。 「さて。じゃ、また思いっきり笑わせてやるからな」 弘毅は軽い由香の体を引き起こし、後ろから抱き抱えるようにした。 「やだっ!もう、くすぐったいのは……っくぅ!」 弘毅の指が、由香の右の脇腹に押し込まれる。 由香は反射的に逆方向に身を引くが、そこには弘毅の左手が待ち構えていた。 肋骨の下の、骨に遮られないところ。 弘毅は左手の中指で、そこに狙いすました一撃を加える。 「ぁんっっ!」 由香がそちらに体を動かしたこともあり、指先は強く体に食い込んだ。 そして由香の体が右に戻ってくると、再び弘毅の右手がそれを迎える。 「ひ…ぅひゃっ…っ!…ぁははっ!」 体の側面を左右片方ずつくすぐり、体がくの字に曲がったところを逆の手が攻撃する。 由香は頭ではそれが分かっていても、不規則に送り込まれる刺激につい腰が引けてしまう。 しばらく由香が体をくねらせて耐える様子を楽しむと、弘毅は彼女の両脇腹をしっかりと掴んだ。 「っ!」 由香は先程同じようにされた時のことを思い出し、思わず身震いする。 彼女の予想はたがわず、脇腹を揉むようなくすぐりが始まった。