今度は脇腹を指先でちょんちょん、とつっついてみる。
「ん……ぁはっ…!」
由香は笑いを噛み殺すが、それでも声が漏れてしまう。
指は体を登っていき、剥き出しの腋に到達した。
腋のくぼみをくすぐられると、由香は「きゃはっ!」と可愛く笑って身をよじった。
「これは…思ったより楽しいもんだな」
もとより「感じさせる」なんてことは無理だと割り切っていた。
とりあえずくすぐりで体を触らせてもらって、それで満足するつもりだったのだが…
無口な由香が笑いを堪えて声を漏らす様子は、中々に弘毅の萌えツボをついていた。
「ぅんっ…あはっ…ははははっ!」
弘毅が由香の脇腹を揉むようにくすぐると、部屋に甲高い笑い声が響いた。
「お。こうされるの、弱いみたいだな」
弘毅は両側から由香の細い腰を掴み、肋骨の隙間に指を食い込ませる。
「ふぁっ……そこ…駄目っ…んふぅっ!」
由香はエビのように体を丸め、腕と体の間に弘毅の手をきつく挟んだ。
しかし、弘毅は構わずに指を動かし続ける。
「くひっ…ぃ……とめ…て…ぁははっ!」
「罰なんだから駄目だ。その代わり、体は動かしていいぞ」
そう言ってお腹を撫でるようにくすぐると、今度は逆にのけぞり、由香は背中からドンと弘毅にぶつかってくる。
「忙しいやつだな。これでも手加減してるんだぞ?」
弘毅は由香の側面に移動し、右手で由香の左手を上げさせた。
そして、無防備になった腋を左手でくすぐる。
「ひゃっ…は…はははっ!くっ……はぁああぁ〜!」
腕を降ろすことができず、由香は仰向けになってじたばたと暴れる。


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