「サイズはまあ大丈夫…っと。ん、どうしたの?」
気づくと、何故か奈々が美月を見上げてほぅっとため息をついている。
「いや、似合うなーって。強そう」
「それは褒めてない」
上下黒で統一されているからか、確かにスポーティな印象を受ける。
実際に美月は運動が得意であるし、二の腕や太股もよく引き締まっていた。
「よーし。じゃあ美月ちゃん、ベッドに」
「オッケー」
意気込んで立ち上がった奈々の不意をつくように、身月は彼女のワンピースの裾をつまんだ。
「ていっ」
「ひゃうぇっ!?」
美月によってワンピースがめくり上げられ、奈々の下着が丸見えになった。
「なっ、えっ……?何すんのっ!」
「将也くんもスカートめくりしたから電気あんまされたんでしょ?」
「だからって、美月ちゃんはしなくていいの〜!」
奈々は顔を真っ赤にして、しがみつくようにしてベッドに美月を押し倒した。
にやにや笑う美月の足首を掴み、ぐっと開脚させる。
「やめてって言っても、あたしが満足するまでやっちゃうからねっ!?」
「どーぞどーぞ。しましまパンツ」
「なっ……泣かすっ!超泣かす!」
宣言して、両脇に美月の足首をがっちりと挟み込む。
そして、白い靴下を穿いた右足を、美月の足の付けねへと近づいていく。
「やめて奈々様って言ってもやめないんだよ?」
「なんで二度言うの」
繰り返し脅してみても、美月は全く怯む様子がない。
「ちょっとは怖がりなってば……まぁいいや、始めるよ」
奈々は土踏まずの辺りをしっかりと股間に押し付け、右足を動かし始めた。
「ぅんっ……」
未体験の感覚に、美月の四肢に力が入る。
「別に痛くしないから。リラックスしてよ」
「はーい。そういや電気あんまって初めてかも」
「あたしも将也以外にはやったことないや」
まずは反応を窺うように、軽くブルブルと震わせてみる。
「んー…なんかマッサージみたいな感じ…?」
「余裕なのは今だけだよー。それじゃ、ちょっと速く」
言いながら、少しずつ足の動きを速くしていく。
最初は少し腰をくねらせる程度だったが、一分もすると反応に変化が生じた。
「っ、ぅひっ……これ、くすぐった……ぅふふっ!」
状況を面白がっているのが半分、くすぐったいのが半分といったところだろうか。
美月の口からは笑い声が洩れていた。
「電気あんまって……あはっ……くすぐったいんだ?」
「くすぐったいだけじゃないけどね。ほれほれ、参ったか〜!」
「くっ…ははっ!く、くすぐったいくらいで参らない…うひゃははっ!」
振動を小刻みなものにしてやると、笑い声が更に大きくなった。
身を捩って足の当たる位置をずらそうとしても、奈々はその度に美月の両足を引っ張って逃がさない。
「ふふ……あははっ…け、結構きくわね、これ……」
震わされているのは股間だけなのだが、まるで全身が揺さぶられているようだ。
何分間も笑い続け、お腹のあたりが疲れてきた。
「美月ちゃん、疲れちゃった?将也も最初はこの位で降参しちゃったけど」
「ん、ううん……これくらいなれ、くくっ…奈々の足が先に疲れちゃうんじゃない?」
「へー、まだまだいけそうってこと?」
「もちろ…っあははは!」
「じゃあそろそろ本気出しちゃおうかな」
奈々は右足の動きを止め、美月の股間から離した。
――そして、代わりに左足をそこに置く。
「へっ?」
「えへへー。本番、始めるよ」
美月が事態を把握するより先に、奈々の足が再び振動を始める。
「うひっ!?ひっ、ひゃはっ!」
「何とかガマンできそう、とか思ってたでしょ。残念でしたー」
そう。奈々の利き足は右足だったのだ。
もちろん左足でも電気あんまはできるが、やはり何をするにも利き足と比べるとキレが落ちる。
細かく説明されなくとも、美月は体に直接それを教えられていた。


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