不自然な恰好で更に五分程責められ、ようやく由美の足の動きが止まった。 「ふぅ…これ位で、下ごしらえは完了ってとこかな?」 由美が額の汗をぬぐい、一息つく。 「はぁ…はぁ……下…ごしらえ…?」 千佳はぐったりとベットに沈みこみながら、由美の呟きに反応する。 「そ。ここまでは下ごしらえ。いくら千佳だって、これだけ疲れさせちゃえば…体に力が入らないでしょ?」 「…!?」 試しに掴まれたままの足を動かそうとするが、簡単に押さえ込まれてしまう。 「両側から捕まえられて逃げられる訳なかったのに、千佳ちゃんって本当に素直だよね〜。 本番はね…これから始まるんだよ?」 麻美が無邪気に笑ってそう言うと同時に、千佳の体は抵抗する間もなくひっくり返された。 由美は足を抱え直し、麻美はすかさず千佳の上半身を羽がい締めにする。 「さーて…今からは本気でいくよ。今度は利き足使っちゃうから」 由美は左足を上げ、千佳に見せ付けるに揺らしてみせた。 千佳は気付いていなかったが、由美は今まで利き足でない右足で電気あんまをしていたのだ。 さすがバレエを習っているだけあって、腰を降ろしたままにも関わらず、 由美の足は膝が胸につく程高々と上げられている。 「由美ちゃん由美ちゃん…パンツ見えてるよ」 「あっ」 麻美の指摘に慌てて足を降ろし、由美は仕切り直すようにコホン、と咳払いしてみせた。 「えーっと…千佳、よく聞いて。これから千佳に、二つの選択肢をあげる」 「「選択肢?」」 千佳と麻美の声がハモる。 「どんな?」 麻美は由美に興味津々な目を向ける。 「一つ目は、このまま私に電気あんまされること。これはパス?」 「パスッ!」 「だよね。で、二つ目は…」由美は一瞬間をあけてから「胸を触られること」と続けた。 「そ…そんなの、選択肢になってないよ〜。それに、胸はナシって約束したじゃない!」 もっともな言い分だが、由美は「話は最後まで聞いて」と千佳をなだめた。