「はぁ……きゃはは…ぁ…あはははは!お願い、だから…やめてぇっ!!…きゃはははっ!」 
「じゃあ、好きな人は?」 
「あは…はははっ!……やっぱり、言わな…い…っっ!」 
「ふ〜ん」 
麻美が由美を体の上に乗せたまま、にやーっと笑う。 
由美からはその顔を見ることはできないが、気配はしっかりと伝わってきた。 
「な…何?」 
「ふふっ…もうすぐ言いたくなるよ。由美ちゃんの一番弱い所、もう分かっちゃったから」 
麻美は両手を由美のお腹にあてると、指先でちょんとつついた。 
「くうぅっ!」 
軽く触れただけにもかかわらず、由美の体はビクンと大きく震える。 
「おなかとおへそ。ちょっと触っただけで、すっごく弱いって分かっちゃったよ」 
麻美はTシャツを捲くりあげて由美のお腹を露出させると、その縦長のお臍に指を近づけた。 
そして、両人さし指の爪を潜り込ませる。 
――クリクリクリクリ…… 
「ひゃはっ…ああぁぁぁっ!駄目っ!ふ…くぅ〜〜っっ!ひゃっはっはっはははは!」 
由美は手足をバタつかせるが、麻美の足がしっかりと組みついていて離れない。 
麻美の指はお腹を這いまわり、爪はお臍の中まで丹念に責めたてる。 
それだけでなく、麻美は体をさらに密着させて首筋に息を吹きかけてくる。 
「ほら、由美ちゃん。好きな人は?」 
「ぁ…ふぅっ…言う…言うからっ!言うからやめてぇぇ!!」 
由美がついにそう叫ぶと、麻美の手はぴたりと止まった。 
「三組の…山根君…」 
息も絶え絶えにそう言うと、由美はぐったりと麻美の体から転げ落ちた。 
「はあっ…麻美、覚えてなよ…」 
「ごめんごめん。あんなに我慢できると思わなかったから。つい、本気でやっちゃって…あぁっ!」 
由美が麻美の視線を追ってドアの方を見ると、そこにはトレイに飲物を乗せた千佳が立っていた。 


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