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タイトル「思想戦」としてのテロ
投稿日: 2004/12/19(Sun) 23:12
投稿者北の狼(山椒庵)
題:香田君惨殺:自己責任について
氏名:北の狼 /日:2004/11/04(Thu) 02:15 No.1138

香田君の殺害について、巷間で「自己責任論」をよく目にします。
イラクへ旅行するのは自由だが、その自由には誘拐され殺害されるかもしれないという危険性がつきまとい、そのことは甘受しなければいけない、といった言説です。
さらには、香田君がその危険性を察知できていなかったとしてもーーー実際には周囲の人たちがしきりに注意・警告していましたので、この仮定は成り立ち難いですがーーー、その「無知」はやはり香田君の責任に帰されるべきである、と続きます。

上はある意味その通りで、ここでは、そのこと自体についてとやかく言うつもりはありません。
ただ注意しなければいけないのは、この「自己責任論」がどういう”文脈”で用いられているのか、ということです。

1)日本政府(小泉首相)の言明に対する擁護として
 日本政府(小泉首相)が「自衛隊は撤退しない」と言明したことによって香田君は殺害されはしたがーーーただし、香田君は48時間の期限以前に、つまり誘拐直後に既に殺害されていたという情報もありますーーー、責任の所在は本来的に香田君自身に帰されるべきあり、日本政府の責任問題には発展しない。

2)日本政府(小泉内閣)の方針に対する批判として
 危険地帯にあえて踏み込んだのだから、香田君が殺害されたのは、ある意味当然ともいえる。しかし、そもそも自衛隊をイラクに派遣していることこそが間違いのもとなのであって、自衛隊を撤退しない限り同様の事件は起こりうる。自衛隊を撤退させるべきである。

私は、上の二つの所論のどちらにも与しません。
なぜなら、上のいずれも、「香田君殺害の”絶対的”責任は、殺人犯たるザルカウィ一派にある」という視点が欠落しているからです。

「香田君がイラクに旅行したから殺害されたのだ」という言説(自己責任論)は、「自衛隊がイラクに派遣されているから事件が起こるのだ」という言説同様、事象の”意味”を考察しない単純な因果論にすぎません。
以下に『おちょくり塾』の私の投稿から引用しますので、参考までに。


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原理的思考とは  氏名:北の狼  日:2004/10/31(Sun) 23:07 No.1107

(前略)

>自衛隊の派遣がなければ事件は起こらなかった。

この種類の単純な言説(因果論)は、俗耳に受けやすいものです。
歴史認識論争においては、例えば「日本が中国にいなければ、『通州事件』も『南京事件』も生じなかった」といった左翼や中国側の言説があります。この種の言説をはく者は、「原理的思考」ができていないのです。「原理的思考」は、「原理主義」とは似て非なるものですので、誤解なきように。
今回の例で、「自衛隊の派遣」と「テロ」の関係を考えてみましょう。

「原理的思考」の第一歩は、”意味”を考えることです。

私は「自衛隊の派遣」を支持していますが、その理由を羅列しますと・・・・イラク人民のため、一国平和主義の打破、アメリカとの同盟関係重視、北朝鮮(拉致)問題でのアメリカの協力、軍事大国中国に対抗、領土問題(竹島、尖閣諸島)関連、既成事実を積み上げ憲法改正のテコとする、といったところです。つまり、国益重視ですね。これが私なりに「自衛隊の派遣」を支持する”本質”です。
対して、「テロ」は、国益に適わないどころか(皆が認めるように)平和を脅かす絶対悪なわけですが、今回のテロ(香田君殺害)は、「自衛隊派遣」という行為に伴って生じた”現象”です。

”本質”は行為の目的、”現象”はその行為に伴って生じる副作用といってもいいものですが、それに置き換えて考えてみましょう。

・手術に例えれば、病気の治療が目的、(手術に伴う)合併症が副作用です。
・資本主義社会に例えれば、自由の獲得が目的、貧富の格差が副作用です。
・自動車に例えれば、利便性や娯楽性が目的、事故や環境汚染が副作用です。
・自衛隊の派遣は、国益(普通の国になること)が目的、テロに巻き込まれることが副作用です。

確かに、行為(手術、資本主義、自動車、自衛隊の派遣)を放棄すれば、副作用(手術の合併症、貧富の格差、事故や環境汚染、テロ)をなくすことができますが、同時に目的(病気の治療、自由の獲得、利便性や娯楽性、国益)も放棄されることになってしまいす。
しかし、人はそれで納得できるのでしょうか? 

人が納得できるのは、より少ない副作用でもって目的を達成できる、別の行為が示される場合に限られます。
しかし、「自衛隊の派遣がなければ事件は起こらなかった」という言説には、目的(国益)を達成するための、よりよき別の行為がまったく示されていません。ですから、この言説は空虚に響くだけなのです。
「事件」という副作用を重大視して「自衛隊の派遣」中止を求めるのであれば、「自衛隊の派遣」という行為の目的(本質)を捉えて、その目的を達成するためのよりよき別の行為を示す・・・・これが責任ある言説というものですが、岡田民主党代表の言説にはそういう視点が全く欠落しているのです。


【目的(本質)を考慮することなく、副作用(現象)のみを取り上げて、行為を否定しにかかる。】

こういう思考法は、(事象や行為の意味をこそ考察する)「原理的思考」ができない連中が陥るものであり、その典型が(政治・思想・宗教・民族対立を基にした)イデオロギー的思考というものです。

「自衛隊の派遣」によって実現される国益を重視すると同時に、「テロ」を撲滅するべきと考えるならば、とるべき態度は以下のいずれかです。

1)「自衛隊の派遣」を堅持して、テロには断固たる態度で臨む。
2)テロには断固たる態度で臨みながら、「自衛隊の派遣」を中止するとともに、それに代わって国益を実現できるものを示す。

そして、以下はまさに最低の態度ということになります。

3)口先でテロを非難するだけで、(テロに屈して)「自衛隊の派遣」の中止を要求し、それに代わって国益を実現できるものも示しえない。

共産党、社民党、そして岡田民主党代表らがとっている態度が「3)」であり、政治家としてまさに最低といっていいでしょう。

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因果論を唱えるのであれば、ザルカウィ一派をこそ(香田君殺害の)原因のメインに据えなければ本質を見逃します。
香田君殺害事件の”絶対悪”(絶対的原因)は、あくまでザルカウィ一派にこそあるのです。対して、「イラクへの旅行」や「自衛隊の派遣」は、どうひいき目にみても”相対悪”(相対的原因)にすぎません。
そして、”絶対悪”(絶対的原因)をなくす努力をしないことには、”相対悪”(相対的原因)をいくら批判しても、問題の根源的な解決には至りません。例えば、ザルカウィ一派がその勢力を保持し続ける限り、邦人がイラクに旅行しなくても世界各地で危険にさらされ続けるでしょうし、また、自衛隊を撤退しても日本がアメリカ支持を表明し続ける限りザルカウィ一派による日本非難(脅し)が止むことはないでしょう。

そして、”絶対悪”(絶対的原因)たるザルカウィ一派に対する我々庶民の心構えは以下のようなものです(『おちょくり塾』から再掲)。


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テロの論理  氏名:北の狼  日:2004/10/28(Thu) 12:48 No.1074

共産党や社民党などが、今回の誘拐事件についてコメントし、一方でテロ行為を非難し、他方で「イラクからの自衛隊撤退」を要求していますが、彼らは自分たちが何を言っているのか分かっているのでしょうか?

「聖戦アルカイダ組織」(ザルカウィ一派)の狙いは、通常のテロ組織と同じく、「政治目的」の達成に他なりません。その「政治目的」とは、外国軍隊のイラクからの撤退です。


人質を誘拐・殺害する。
 ↓
残虐な映像をネットで流す。
 ↓
人々の心に”恐怖(テラー)”をうえつける。
 ↓
世論を、テロ組織の狙いどおりに誘導する。
 ↓
政治目的(外国軍隊のイラクからの撤退)を達成する。


これは、「テロの論理」のイロハです。
一連のテロの動きを追ってみますと、テロ組織(特にザルカウィ一派)はこの論理に忠実にかつ冷酷に行動していることがみてとれます。

我々庶民がテロ組織に対抗する(殆ど唯一かつ)有効な方法は、以下の段階で論理の連鎖を断ち切ることです。

人々の心に”恐怖(テラー)”をうえつける。
 ↓
世論を、テロ組織の狙いどおりに誘導する。

テロを非難するのであれば、このことをこそ実行しなければなりません。
ところが、あろうことか、(テロの尻馬にのって)「イラクからの自衛隊撤退」を要求している共産党や社民党というのは、この連鎖をより強固なものにしようとしているわけです。つまり、彼らは、テロ組織の狙いどおりに行動しているのであり、テロの間接的協力者と言っても過言ではないのです。こういった愚かな連中がいる限り、テロ組織は誘拐・殺害を止めません。

テロ組織というのは、あくまで政治的な組織なのであって、政治的効果が期待できないような行動はとりません。このことを銘記すべきです。

共産党や社民党のごとく、テロの尻馬にのって自分たちの政治的要求を満たそうというのは、火事場泥棒に等しき所業ではないでしょうか。
テロは絶対悪ですが、「イラクへの自衛隊派遣」はどうひいき目にみても、せいぜいが相対悪です。
まずは、絶対悪を根絶することに全力をあげるべきなのです。

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「自己責任論」が香田君の行為に対する批判の論拠として使用されることは間違っているとは思いませんがーーーただし、香田君は既にその「責任」をとるカタチで殺害されたのですから、私はこれ以上言いつのるべきではないとも思いますーーー、「自己責任論」によってザルカウィ一派の行為の極悪性を相対化しようという態度は誤りですし、また、「自己責任論」をいくら唱えても、テロ撲滅に向けた努力の必要性が軽減されるわけでもありません。

香田君殺害の”絶対悪”(絶対的原因)はザルカウィ一派であり、絶対に許してはならない・・・・・我々がこのことを軽視して追求の手を緩め、結果としてザルカウィ一派をつけ上がらせ、さらなる悲劇(凶行)を招くことになったとしたら、今度は、それは我々の「自己責任」ということになるでしょう。


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題:「思想戦」としてのテロ
氏名:北の狼 /日:2004/11/04(Thu) 21:52 No.1139

私は先の投稿で、「テロの論理」を以下のように説明しました。


===============
人質を誘拐・殺害する。
 ↓
残虐な映像をネットで流す。
 ↓
人々の心に”恐怖(テラー)”をうえつける。
 ↓
世論を、テロ組織の狙いどおりに誘導する。
 ↓
政治目的(外国軍隊のイラクからの撤退)を達成する。
===============


この「テロの論理」は、「思想戦」の範疇内で解釈することが可能です。
そこで「思想戦」ですが、概略は以下のようなものになります(『プロパガンダ戦「南京事件」』、松尾一郎著)。


===============
今まで「戦(いくさ)」と申しますと、それは武力と武力との戦、即ちいわゆる武力戦はほとんど全部であったといっても過言ではありません。
ところが近代になりましてからは、平時戦時の明確な区別が次第になくなって参りまして、戦は平時から経済、外交、思想などのあらゆる方向において行われている様な状態であります。
そこで私は思想戦というものの重大さを広く皆様に認識して頂きたいのであります。

思想戦という言葉はお解り難いと思いますが、思想戦は平時と言わず、戦時事変と言わず、常に絶えず行われている「武器なき戦い」であります。
これを戦時事変で申しますならば、思想戦は相手方にわが正義の存する所を伝え、我が威力を識(し)らせてその戦意を失わせ遂には我に帰一させ、また第三者の認識を是正しその態度を有利に展開させて戦争目的を達成するために用いられる手段であります。
即ち戦場に在っては戦線の崩壊を促進させ、敵国内に対しては戦争遂行の意思を挫折させ、第三国に働きかけては戦争を有利に終結へ導く為に用いられるのであります。

さて思想戦は世界大戦の時に盛んに行われました。
世界大戦は武力戦から経済戦へ、経済戦から思想戦へと移った、しかも思想戦が大いなる威力を発揮して武力戦さえ圧したといわれる位であります。
今回の支那事変におきましても、思想戦は盛んに行われているのであります。
それでは平時における思想戦とは何かと申しますと、それは我が方の正しいと信じる考えを彼に伝えて彼の迷蒙を解き、彼をして我に帰一し同一の理想実現に向かわしめる為の手段であります。
平時の思想戦に敗れた国家は、武力戦を待たずして敵に屈服せねばなりません。

(中略)

これから思想戦は一層大切になって参ります。
思想戦における宣伝の威力は益々発揮されなければなりません。
しかも国民の一人一人は日々の思想戦の戦士であります。
それはどういうことかと申しますと、国民の各自が夫々の仕事の中で、正義日本の真意を、躍進日本の真の姿を海外に知らせることも出来ますし、日本精神の発揚に貢献することも出来るのです。
それは平素の心構え、ちょっとした工夫で出来るはずであります。
私は今後挙国一致して長期戦に対処するために、武力戦の戦場に立たぬ国民各自も思想戦の戦士としてご活躍願いたいと存じるものであります。

・・・・・・『思想戦について』(横溝光輝によるラジオ放送より)
================


横溝氏のいう思想戦は、技術的には宣伝戦と殆ど同義なのですが、宣伝によって人を”納得”させて政治目的を達成するものです。対してテロは、人の心に”恐怖(テラー)を植えつけて政治目的を達成します。
つまり、宣伝とテロでは、”納得”と”恐怖”という違いはありますが、人の心に干渉して政治目的を達成するという共通点があり、この点で同じく思想戦の範疇に属するといえるわけです。

ですから、香田君の殺害に接して「自衛隊は撤退すべし」との主張が蔓延した場合、日本は思想戦に敗れつつあり、武力戦を待たずしてテロ組織に屈服しつつあるともいえるわけです。
もっとも、左翼のごときは、日本政府を屈服させること自体を本来の目的として、敢えてテロ組織の代弁者に成り果てているといった観がありますが。実は、日本の左翼が現在でも唯一優位を保っているのが、思想戦におけるこの技術(宣伝)なんですね。

このような思想戦に敗れないためにも、日本国民一人一人が「思想戦の戦士」であるとの自覚のもと、「平素の心構え」から鍛えていく必要があります。
そのために、以下のように実践することの重要性を私は再度説くものです。


=================
我々庶民がテロ組織に対抗する(殆ど唯一かつ)有効な方法は、以下の段階で論理の連鎖を断ち切ることです。

人々の心に”恐怖(テラー)”をうえつける。
 ↓
世論を、テロ組織の狙いどおりに誘導する。

テロを非難するのであれば、このことをこそ実行しなければなりません。
=================


ところが、過去の例に照らし合わせて、日本人はこの思想戦がすこぶる苦手のようなんですね。その弱さが、殆ど日本の文化的レベルにおける特徴なのではないか、とさえ思えてくるほどです。
外国(とりわけ中国や韓国)にとって、これほど組しやすい国もないでしょう。

松尾一郎氏は前掲書の最後を「日本政府が、このような国際宣伝(情報・思想)戦に対し、現在もなお有効な対策を打ち出せない以上、今後も悲しい敗北をつづけるのは間違いない」としめくくっていますが、私もまったく同感です。
しかし、日本政府が頼りにならない以上、良識ある国民一人一人が「思想戦の戦士」であるとの自覚のもと戦いを挑むしか、この状況を打開する手立てはないでしょうね。現状を顧みるに、非常に困難な道であるとは思いますが。


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題:ヴェストファーレン体制
氏名:北の狼 /日:2004/11/07(Sun) 22:34 No.1141

本日(11月7日)の『読売新聞:地球を読む』に、キッシンジャー元米国務長官が「ブッシュ政権の責務」と題して寄稿しています。
現在、世界の安全保障を脅かすものとして「テロ」と「核拡散」をあげて、米国がこれらの問題に真剣に取り組むことを、米国新大統領(ブッシュ)の責務として論じています。そこで、「テロ」について、以下のように評価しています。

”前線も地理的な定義もない戦争を遂行しなければならない。しかも同時に、世界貿易センターと米国防総省から上がる煙とともに消滅した伝統的な世界秩序に代わる、新たな世界秩序の基本原則を構築しなければならない。これはかつて一度もなかったことである。・・・・・・
しかしながら、ソ連の挑戦が具体的かつ地理的に定義し得るものだったのに対し、今日の主要な脅威は抽象的で、かつ所在が一定しない。・・・・
一つはテロである。つい最近までは国内警察力の対象とみなされていたのに対し、いまや国際的な政策が求められている。”

上でキッシンジャーが述べている「伝統的な世界秩序」とは、「ヴェストファーレン(ウエゥトファリア)体制」のことです。

* ヴェストファーレン体制  出典: フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』
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