Lack of Moon -欠けた月- #12


        注:性描写あり




 これは罰なのかもしれない。
 記憶を失ったザックスから目を背けて逃げ出した自分に対して下された罰。
 ならば、それを甘んじて受け入れなければならない。例えどんなにひどいことをされようとも。
 これはザックスへの贖罪なんだ…。




 眼の前に半勃ちになったそれを差し出され、思わず顔を背ける。
 すると今度はそれを頬に擦り付けられた。
「ほら」
「や…」
 拒否の声をあげたところで許されるわけもなく、ザックスは無理やり口内にそれを押しこんできた。
「ん!うぅ…」
 口ですることを強制され、それでも泣きながらそれに吸いつく。
 "ザックス"にそれをしたのは数える程度しかなく、その時を思い出しながら舌を動かす。それでは物足りないのか、ザックスはオレの頭を掴んで自身を喉の奥へと押し込んできた。
「んー!」
 嘔吐感を覚え、口を離そうとするが、後頭部に添えられた手がそれを許さない。
「これが欲しかったんだろ?ちゃんと咥えろよ」
 こんな風に無理強いされたことなんて初めてで…拘束する力の強さにザックスはソルジャーなのだと改めて思い知らされ、身体がガタガタと震え出す。
「…出すぞ」
 それが口から出された瞬間、熱い精を顔に飛ばされた。
「ふっ…はぁ」
「やらしいなあ。こっち勃ってるじゃん」
 ジーンズの上から兆しを見せだしたそこを撫で上げられ、ビクリと身体が震えた。
「無理やりしゃぶってるのに感じるんだ?オレって随分調教上手かったのな」
「……」
 本人の口から出て来た言葉だけれど、自分ではなく"ザックス"が侮辱されたような不快感を覚える。
 下着とズボンを一気に剥がすと今度はザックスが緩く勃ったそれを口に含んだ。
「やっ!?あ、あ、あああ…」
 嫌なのに、快楽を感じてしまう身体が憎かった。

 愛のない言葉。愛のない口づけ。愛のないセックス。
 心のこもっていない、決して満たされることのない行為なのに…それでも身体はザックスを求めていた。
 最後に"ザックス"としたのはもう一週間以上も前のことで。慣らされた身体は与えられる刺激に敏感に反応してしまう。

「う、あ…だめ、だめ!!…あっ」
 緩急をつけながら強く吸われ、あっけなく達してしまった。ザックスは口内に吐きだした白濁をこちらの口に移し入れてきた。
「ん、やぁ……っけほ…」
 飲み切れずに垂れたよだれと一緒に顎を伝って喉に落ちて行った。
 それが扇情的に映ったのか、ザックスは生唾をごくりと飲んで垂れたそれを掬い取ると、一番触れて欲しくない場所に塗りつけた。
「ひっ!?だめ!そこはやだあ!!」
「ここまでしといて"やだ"はないだろ。…脚広げろよ」
「や、やだ……ザックス…やめて」
「……」
 ふと、ザックスが何かの痛みに耐えるような、苦しげな表情を浮かべた。
 しかし、すぐに元の表情に戻ると、指を強引に中へと滑り込ませた。
「いた……やっ…痛い!…痛いよ」
「痛いわけねーだろ?オレといつもヨロシクやってたんだからさ」
「もう、やだあ……やめて…」
 いつもしてくれてたのはこんな痛みを生む行為じゃなかったのに。
 このまま入れられたら……それを考えると恐怖で身体が震え出す。

 十分に慣らさないうちに入れられていた指が引き抜かれる。ザックスはそそり立つそれを手で掴むと軽く扱いた。
 本能的に逃げようとして身体を起こすが、ザックスによってすぐにソファに押し付けられる。
「や、やだ!やめて、やめてよお」
 必死に訴えかけてももう止まらなかった。ザックスは再び熱を持って硬くなったそれをあてがうと一気に貫いた。
「いっ――…やあああっ!痛い、痛いっ!!」
 全身に迸る痛みに頭がクラクラしてくる。
 無理やり捩じり込まれたそこが熱を帯びて痛い。
「っ…ぬ、抜いて…もうやだ、やだあぁ!」
「腰振れよ」
 無慈悲にただ抽送を繰り返すザックスの声がどこか遠くて。
 もう抵抗する気力も声を出すことも出来なくなった。

 突然静かになったオレにザックスは動きを止めてこちらを窺う。
「なん…だよ…」
 ザックスから顔を背け、流れる涙をそのままにどこかへ行ってしまった"ザックス"に縋る。
「…ックス…ザックス……っひっく…ザッ…クスっ」
 何度呼んでも"ザックス"は戻ってこない。それでも声を絞り出すようにして呼び続けた。
「…ザックス…どこ行ったの……」
 気が遠くなりかけたその時、ザックスが頭を抱えて苦しみ出した。
「や…やめろ…名前を呼ぶな……」
「ザ、ックス…?」
「呼ぶな!…ちくしょう……頭がいてえ…」
 ザックスは頭を振り乱し、名前を呼ばれることを拒否する。

 もしかして、記憶が戻りかけている…?

 藁にもすがる思いでザックスの腕を掴み、呼びかける。
「ザックス…ザックス?オレここにいるよ」
「…ク……クラ…ウド…」
" ザックス"が、応えてくれたような気がした。身体を揺さぶるようにしてもう一度呼びかける。
「ザックス!オレのこと、思い出してよ…」
「やめろ……やめろおおぉぉお!!」
 叫び声を上げながらザックスがオレの上に倒れ込む。
ザックスの身に何が起きたのかわからなくてしばらくそのまま固まった。でもいくら待ってもザックスが起きる気配がない。心配になり、身体を緩く動かした。
「ザックス…ザックス!?」
 声を掛けても反応はなく、ただ荒く呼吸を繰り返すだけだった。



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