ショートストーリー:−なるとも様イラスト「a Woman in Red」に寄せて−

4)

(・・・・ああ・・・・)

頬に、耳元に、首筋に
カルロは唇で触れていく
ゆっくりと 柔らかなタッチで

その仕草はいちど固くなった心を次第に解きほぐしていく
(嗚呼・・私・・今 とても”慈しまれている”って 気がする・・・
 そんな考え方 おかしいかな・・・)
蘭世はその心地よさに素直に身を委ね 静かに瞳を伏せる

そんな蘭世の安堵した表情を見て取ると
鎖骨をキスで愛でながらさりげなく細い肩紐をはらりと落とす
その肌から離れていく紅い薄布を追いかけるようにして徐々に胸元へと唇を這わせていく
「・・・ん・・・ああっ!」
蘭世の平穏はふいに破られる。
元の柔らかさに戻っていた胸の蕾をカルロは今度は口に含み舌で愛し始めていた。
舌先でつついたり、甘がみしたり
包み込んで転がすように・・
「・・・んんっ・・・・んぅ・・・」
その動きにあわせて 蘭世の上体が跳ね のけぞって身体を細かく振るわせる
肌は次第に桃色に染まり蘭世の吐息が 再び熱を帯び始める・・
蘭世の顔が快楽の波でゆがむたびに カルロも己を高ぶらせていく。
カルロは覆う必要の無くなった紅いスリップを さらり と蘭世から引き離していった

胸元から 鳩尾へ そして胃のあたりをつたって臍までも
「ぅぅうん・・」
優しい愛撫のはずなのに 今度は甘い痺れを蘭世の身体の裡へ巻き起こしていく。
ゆっくり ゆっくりと愛し・・・下腹部へ少し近づいたかと思うと
引き返して 脇腹へ
そしてまた鳩尾へ戻っていく。
蘭世はその動作に 思わず息を飲む
(どうしよう・・・私・・・期待している・・・)
そう、秘密の場所へ彼が降りてくるのを。
じらされて 蘭世は自分のその淫らな願いに気づいてしまった。
でも してほしいなんて 恥ずかしくて言えない。
蘭世は顔を更に赤らめてきゅ・・と唇を結んだ。
その表情の変化を見て カルロは微笑むと いちど蘭世のこめかみにキスをした。

脇腹から・・・次第に腰へと降りていくとぴくん、と身体が跳ね
蘭世は俯せになってしまった。
「・・・あッ」
俯せた身体の腰のあたりに唇を寄せるとさらにびくびくん、と大きく体が揺れる
(・・・ここも弱いのだったな)
その以前見つけた敏感な場所を 何度も何度も唇で責める
「・・はぁん・・・あぁ・・・だめぇ・・・っ」
・・・そう、もっと乱れて 甘い声を聞かせてくれ・・・
カルロの想いも高ぶり はぎ取ったスリップの代わりにその白い肌へ
紅い花びらをひとつ ふたつと散らしていく。
 紅いショーツの下から 愛の滴りが蘭世の濡れた甘い香りを運んでくる
(そこを もっとよく見てみたい)
その香りに誘われ 花の蜜に引き寄せられる蜜蜂のように。
カルロはうつぶせた蘭世の腰の下に両手を回すと その細い身体をぐい と引き上げた
「・・・あっ」
腰があがり 猫のようなポーズ・・

「カルロ様ぁっ・・・いやっ恥ずかしい・・」
初めての格好に 蘭世はうろたえたが・・
同時に今まで散々じらされ心の底でわだかまっていた甘い期待にもさらに火がつき 抵抗はしなかった。
カルロの視界に 白い臀部とその間の秘所を覆う最後の紅く細い布が現れる。
それはすっかり濡れそぼり その赤色が濃く変わっていた
「・・・すっかり濡れている・・」
「いやいや!」
恥ずかしさのあまり蘭世は首を横に振る。逃げようとする腰をすかさず抱え
カルロは ショーツの上から鼻先をこすりつけるようにしてその谷間を愛撫し始めた。

つづく


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