ショートストーリー:−なるとも様イラスト「a Woman in Red」に寄せて−

5)

「あぅぅ・・・ン いやぁぁぁ・・・」

蘭世の最後の砦を覆う役目と その場所を際立たせる役目の二つを担う真紅の布は
彼女の愛液に浸され すっかりその色を濃く変えていた
カルロが鼻先を近づければ 甘い匂いが彼の心をさらにくすぐる
まだまだうぶな彼女を気遣い性急に動くのを自粛しているようでいて 実は じらしているような
そして 彼女にとってはとても刺激的な体勢・・俯せの四つん這いで 腰を引き寄せ
後ろから彼は その薄布越しに彼女自身を愛している
腰を突きだしたようなその格好をしているだけで 蘭世は体中が震えるほどエロティシズムを感じているのに
さらに 彼の唇は 舌は ゆっくりとその突き出された秘所の周りを巡っている
「ふぅううう・・ん・・やぁんっ・・・やめ・・てぇ・・・」
「ランゼの身体は そうは言っていない」
・・・ほら、こんなに濡れて悦んでいる。
ショーツの脇からも ぬめぬめとした愛液が溢れ零れだしている
「いやあっ 意地悪ぅ!」
蘭世は ひたすら頭をふるふると振って身悶え・・息をはずませる
顔は見えないが きっと恥じらって眉を寄せ さらに紅揚しているにちがいない
小さな両の手は 思わずシーツをきゅ・・と握りしめている
その うねうねと光る黒髪も 白い背中も 甘い声と共に ますますカルロを高みへ引き上げる
そっとその濡れそぼる紅い布を引き下ろせば 甘い果実がすぐそこに
「あぁぁぁあぁあぁぁ」
舌先で両の襞の間を押し広げるようにして さらに深く舌を差し入れれば
更なる甘さが声に添えられる 

”今 すぐ 欲しい・・・!”

「あぅっ カルロ様っ そんな・・ぁっ ぁっ・・」

カルロはすかさず熱くなった自身を取り出し 差し出されている果実へ埋め込む
それは いつもと違う交わり。
(今日のカルロ様 おかしぃよぅ・・・)
今までなら向かい合って 見つめ合って交わっていたのに
赤に 惑わされたのか
獣のような いえ 獣より露骨に 両手で秘所を押し広げ 彼は後ろから突き入れてくる
蘭世はその押し入ってくる熱いものの感覚を ひたすら受け入れ・・・飲み込んでいく
”私 征服されてる・・・”
でも それが 気持ちいいのだと 思えてしまうわ・・・
私も きっと今 ヘンなのよ・・

「ランゼ・・ランゼ・・」
名前を呼んで 息をはずませて 次第に激しくなって
「うぅん・・あぁっ あっ」
私も名前を呼びたいのに 喘いで 声に・・ならない・・!

やがて ひときわ高く彼女は叫んで 裡にいる彼を強く締め上げる
身体を支えていた両の手を放棄し 蘭世は数度体温の高くなった身体を
崩れ落ちるようにして俯せたままベッドへ投げ出す

「ランゼ・・・」
果ててしまったのか。

だが、カルロはまだその身をそこへ埋めたまま。それは彼女の痙攣を
じっくりと味わうかのように・・
そのまま 自分のネクタイ シャツを 一枚 一枚脱ぎ去って
肌を触れ合わせて まだ息づかいの整わない蘭世を後ろから抱きしめる。

大きく上下する胸を 両手で包み込み 首筋に再びの口づけの嵐を。
まだ まだだ。
まだ愛し足りないんだ。

「カルロ様ぁ・・・」
少し唇を離して顔を覗き込めば 嵐に揉まれてすっかり潤んだ瞳が 私を見上げる。
「ランゼ。」
今夜もまだ・・お前を離しはしない。

少しこちらへ上体を向けたランゼに 足を組み替えて 繋がったままで
向かい合わせに体位を変える
安心したのだろうか 嬉しそうな表情になって 彼女は私に抱きついてくる
時間はいくらでもあるし まだ私の熱は一向に冷める気配がないんだ
彼女に残された赤のひとつ・・甘い唇に
私は再び唇を重ねる

このまま・・・このまま
紅い夢に 揺れていこう・・・


end.
 





 


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