ショートストーリー:−なるとも様イラスト「a Woman in Red」に寄せて−

2)

今 彼女は私の腕の中で震えている 
最近になって やっと心を許してくれた 可愛い小鳥・・・

未だに慣れぬその体験に想いを馳せ 心の糸を張りつめているのだろう
それが この掌に 震えとなって伝わってくる。
彼女の幻想を壊さないように でも 甘い夢だけ見ていたいという願いは
少しずつ裏切りながら・・・

小さく震える伏せた睫毛を愛おしく思い こめかみにキスを
紅いワンピースをさらりと落としたとき 私の目に 新鮮な赤が焼き付いた

白い柔肌に紅(くれない)のシルク。
清純な彼女が 今日、このひとときのために そして私の為だけに冒険をしたのだろう。
その新たな朱が空気に触れたとき 彼女は恥ずかしさに思わず息を飲んでいた
 彼女は・・・

その思い切りにも、そしてその朱に染まりきらない彼女の清らかさにも 私は酔いしれる。
「・・綺麗な 色だね・・よく似合う」
そう耳元で囁くと 彼女の小さな唇から甘い声と吐息がこぼれた

「あっ」

そっと胸元に手を差し入れれば ビクン と身体を震わせ
 眉を寄せてぎゅ・・と目を閉じる。
恥じらいと快感で頬は美しいピンクに染まる
「ランゼ・・」
触れるほどに。名前を呼ぶたびに、愛を囁くほどに・・・
彼女自身もすこしずつ朱く染まっていく。
まだ幼さの残る胸。その初々しく柔らかな肌の感触が さらに私を陶然とさせる。
柔らかだった胸の蕾も 指先で円を描くように愛でれば つん・・と形を露わにし私に応える。
「あんっ ああんっ・・・」
私の指の動きに合わせて彼女は敏感に反応し・・次第に細い身体を私に預けはじめる。
その仕草 ひとつひとつが 愛おしい・・・

もう 逃がさない。離しはしない
”この娘は私だけのものだ”
一層想いは募り、その娘の全てを独占したくなる。
”そう、その唇も わたしだけのものだ”
甘い声をたてる唇を 私の唇で塞ごう・・

「んん・・っ」

キスをするたびに 想いは深くなる
お互いを求めて舌を絡め合わせる
キスを重ねていく毎に 彼女は少しずつ私の想いに応えるのが上手くなっていく
思いを残しながらもゆっくりと唇を離せば・・
なまめかしく潤んだ瞳が 私を見つめている。

「カルロ様・・」

私を呼ぶ声の柔らかさに心が溶かされていく。
力の入らなくなった四肢をすくうようにして私は彼女を抱き上げた

私の視界の隅で 白いシフォンのカーテンが揺れている
それにくるりと背を向け 私は歩みを進め・・奥の扉を 開ける

紅い花を シーツの海で 愛でるために。




つづく


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