ショートストーリー:−なるとも様イラスト「a Woman in Red」に寄せて−

1)

・・・・それは 秋の宵。
灯りを落とした部屋に 月明かりが薄い光を運んでくる。
開け放たれた窓からは 心地よい秋の涼風・・・・

蘭世は部屋の中央に立っている。両手を緩く降ろし、じっと動かない。
その視界の中で・・白いシフォンのカーテンが 秋風の悪戯でふうわりと揺れている。
傍らには温かい彼の気配と・・首筋に柔らかなキスの感触。
暗いその部屋で・・・蘭世は静かに・・でも体中の気をぴん・・と張りつめて
服の上からの愛しい人の指先の動きを辿っていた。
肩から・・・首の後ろへ・・・左手は 背中を辿って 腰を抱えて 私を軽く引き寄せる・・
(いま・・あのひとが 私のワンピースのファスナーに手を掛けた・・)
首の後ろから 背骨の上をスッ・・と降りていく感覚の後に
秋色に相応しく、深い赤のそれがさらりと床に落ちる。
シフォンのカーテンが揺れ・・ガラスに 赤いキャミソール姿の自分が映し出される。
そしてそれは すぐにカーテンの向こうへ消えていった。
「・・綺麗な 色だね・・よく似合う」
耳元で囁く声だけで 蘭世の身体全体を電流が駆けめぐっていく。
「あっ・・・」
思わず 甘い吐息が 漏れる・・・

この日のために、自分で選んだ”赤”。
少し歳の離れた彼を意識して 背伸びをしたつもり・・
そしてカルロも、そんな蘭世の”精一杯”を 可愛く思い さらに愛しさを募らせる。
頬への口づけと共に 濃赤の布で包まれた胸へ大きな掌が忍んでくる。
その熟した色とは裏腹に未成熟な青い果実に 彼は触れていく。
優しく、その柔らかさを確かめるようにその手は胸を愛撫する。
「んん・・っ」
気恥ずかしさと 快感の間で蘭世の心は揺れる。
「ランゼ・・・」
耳元で名前を呼ぶ声に・・頭の芯が熱くなっていく。
「んっ!」
彼の指先が、蘭世の胸の蕾を弄び始めたのだ。3本の指で 摘み上げたり、軽く転がし
たちまちに林檎の芯のように固くなっていくそれの感触をも愉しんでいるようだった。
「あっ・・・あっ・・・・」
指の動きに合わせて 蘭世の吐息も乱れ始める。
胸の高鳴りで熱くなった吐息の漏れる唇に カルロは覆い被さるようにその唇を重ねた。


・・・・A Woman In Red -2-:・・・なるとも様イラストに寄せて・・・
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