2)
にぎわいを見せる夏祭りの神社を後にして、
カルロと酔っぱらい蘭世は人気の少ない場所へと部下の先導で移動しています。
途中、急な登り階段に行き当たり、カルロはそこから足下のおぼつかない蘭世を
両腕に抱き上げて階段を登り始めました。
(なんだろ・・ふわふわして とってもいい気分・・・)
このまま 眠ってしまいたい・・・ずっと こうしていて・・・。
・・・そこは 奥の院 と呼ばれる所。
会場とはそんなに遠くは離れていないのですが、穴場のように人影がありません。
ここでざわめくのは風が撫でる草木と、獣たちの動く気配だけのようです。
元々標高の高い場所にあるこの温泉街。
夏と思えないようなひんやりした空気が漂っています。
涼やかな風が撫でる草達のざわめきの間に、虫たちの声が響いています。
まだ蘭世のお酒は抜けないようです。
「うにゃーん ダークぅ・・・」
寝言のような言葉をつぶやきます。
そしてその夢見心地なうっとりとした表情。
(・・・その平安を破ってみたい・・・乱れさせてみたいんだ・・・いつだって)
その天使な表顔は、邪な想いをカルロに宿らせるのです。
人気のない奥の院をくるり・・と見渡すと、左手の奥にこじんまりした屋根の下に
石で出来た平たい正方形の大きな腰掛けが見えました。
参詣に来た人のための休憩所のようです。
カルロはそこへ歩いていきました。
灰色のよく磨かれた石の上に腰掛け、腕に抱えていた蘭世を
横抱きのまま膝の上に座らせます。
月明かりに、瞳を伏せた蘭世の顔が蒼く・・妖精のように浮かび上がります。
「ランゼ・・」
そっ、と名前を呼ぶと、カルロはその唇を塞ぎました。
「ん・・・」
誘いかけるように深く、熱い口づけを繰り返すと・・
酔った蘭世の意識も少し戻ってきます。
「ダークぅ・・」
少し離した唇から、自分を呼ぶ甘い声が零れました。
「ランゼ・・」
その甘い声に、からみついてくる細い両腕に、愛しさが一層募るのです。
浴衣姿を見てからずっと気になっていた白いうなじに唇を寄せ、
差し入れたかった浴衣の胸元へ右手を忍ばせます。
「・・あんっ」
恥じらって蘭世は胸元へ侵入してくる手を小さな手で押しとどめようとします。
でも。
「やんっ・・んん・・」
首筋に、そして耳元へ降ってくるキスで我を忘れ、その押さえた手も緩むと・・
大きな手は着物の合わせから侵入し・・やんわりと蘭世の左胸を包み込みました。
「あっ・・」
窮屈な着物の中で、カルロの手はもぞもぞと動き
胸の蕾を人差し指と中指の間で捕らえます。
おとなしかったそれも、妖しい指の動きで次第に目を覚ますのです。
「ダークぅ・・」
乱れ始めた吐息の間で蘭世は彼の名前を呼び、再び細い腕で抱きついていきます。
「ダーク・・すきよ・・だーいすきよぉ・・・」
「ランゼ・・」
酔っていつもより温かい蘭世の頬に、カルロは唇を寄せました。
いつでも初々しい彼女は、普通だったらまだ恥じらって硬い表情をしているのですが
今日の蘭世は酔いが回っているせいか、すでに、
実になまめかしい”いい表情”をしています。
「ランゼ・・・とても素敵だ」
カルロは蘭世を押し倒しながらその耳元で囁きました。
「やあんっ・・」
その声は、その言葉は媚薬のように蘭世の身体を痺れさせ・・
その心を甘く溶かすのです。
横たえられた蘭世はゆるゆると動き、裾がはらりと乱れると・・
白い足が太股まで露わになりました。
「綺麗な脚だ」
異国の衣装からのぞく蘭世のすらりとした白い脚は、
どこか芸術作品のように見えました。
露わになった右足をそっともちあげ、カルロは
脚そのものを愛でるように、くまなく唇を這わせていきます。
そう、指の先、そして指の間までも。
それからじっくりと味わい尽くすようにじらすように
ゆっくり、ゆっくりと唇はふくらはぎやすねを巡り、上へ上へと責め上げていきます。
「あっ あっ・・」
やがて到達する場所への甘い期待と脚を這っていく唇の感触で
蘭世は一層女としての本能に目覚めていきます・・
「きて・・きてはやくぅ・・・ああんっ」
酔ってタガが外れている蘭世は思わずそんな台詞を零します。
すがるものがない手は、きゅ・・と着物の袖を握っていました。
ひんやりと冷たかった石の感触も、すっかり体温で暖められていました。
目を潤ませ、頬を赤らめてその感覚に身を任せていくのです。
カルロは、そんな蘭世の悶える表情も愉しみながら・・脚を愛撫していきます・・。
ついにカルロの唇が中心へと到達しました。
内股(もも)にはすでにカルロがつけた桜色の花びらがいくつも散っています。
ショーツの上から唇を寄せると、男を誘う女の蜜がしっとりと香っていました。
「ダーク・・ダークゥ・・」
すっかり蜜で濡れたショーツをするり・・と落とすと、秘所はすっかりぬらぬらと
濡れ光り、ひくひくと誘うように痙攣しておりました。
(かわいい・・・)
カルロはふ・・と微笑むと、その誘いの舞を踊る花びらへ唇を寄せました。
そしてその蜜をくまなく舐めとって行くのです。・・・それでも核心はじらすように避けて・・
「アッ・・アッ・・」
身体の中心へ顔を埋める金色の頭を、蘭世はたまらずにかき抱きました。
「お・・おねが・・」
浅く早くなる吐息の間から蘭世が懇願します。
「・・ひゃうんっ!」
花びらを指先でかき分け・・カルロは敏感な芽を舌先と歯で転がし始めたのです。
「やぁ・・あぁ・・」
秘所はますますひくひくと蠢きます。
「ううううんっ・・・!」
彼女の手足がぴん・・と伸びていきます。息を詰め身体が弓なりにのけぞっています。
蘭世はついに高みに追いつめられてしまったのです。
体中を大きく震わせると次の瞬間くったりとなり、はあはあ・・と
呼吸を乱れさせておりました。
裾がすっかりはだけ、胸元も乱れた浴衣姿。
上気した顔もほつれてきた結い髪さえもどこか日本画の美人絵のように思えてきます。
カルロは満足げに微笑むと・・自らの着物の裾もさっ、と払うと蘭世の細腰を抱え込み、
熱く猛ったそれを彼女の中心に埋め込みました。
「・・あぁっ・・・」
すっかり潤み熱くなったそこは、易々と彼を受け入れました。
彼女の内部さえも味わい尽くすように、ゆっくりと、丁寧に・・そして時に激しく
巧みにカルロは腰を使っていきます。
一度果てたそこは、緩やかなカルロの動きになだめられ、やがて責め立てられ・・
再びゆるいカーヴを描いて2度目の絶頂へと登り始めました。
「ダークっ、ダーク・・・」
「ランゼ・・・」
身をつなげたまま深く唇を奪い合います。
舌を絡め合い、お互いをどん欲に求め合うのです。
蘭世の細い足がカルロの腰へ巻き付いていきます。
「愛してるの、愛してる、ダーク・・!」
「ランゼ・・私の・・」
・・・いとしい女・・・。
やがて二人は急カーヴを描いてお互いの想いを遂げたのでした。
睦事の後。
酔いの残る身体をなだめながらカルロも手伝って緩んだ浴衣を整えていきます。
蘭世はちょっと照れながら前を寄せなおしたり帯のゆがみをなおしたりしていました。
「あ。」
ぽーん、ぽぽぽーん。
蘭世は音のする方を見上げました。
少し遠いところで、花火が上がったのです。
「綺麗だな・・・」「うん、でもすっごく大きい〜!!」
少し高いその場所からは、花火がひときわ大きく見えます。
二人は、しばらくベンチに座り、肩を寄せ合って夏の風物詩をながめるのでした。
・・・二人きりの 夏祭。
了。(おまけありますので最後まで読んでみて下さいね♪↓)
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あとがき。
萌様の地下掲示板200ゲット記念に書きました。
今まで地下ではキリ番リクを考えていなかったのですが
あまりにもドンぴしゃな番号だったので、嬉しくなってお受けいたしました。
で、リクエストの内容は
『
「カルロ様、酔っ払い浴衣娘にドッキドキ☆の巻」
・・・(*^_^*)
お酒で正体を無くし、いつもと違ったムードの蘭世ちゃんと、
それを楽しむカルロ様、
』
ということでありました。
表のなるとも様の暑中見舞いイラストと相まって私の頭の中は
そりゃあすっごく盛りあがったものであります♪
嗚呼、お引き受けして本当に良かった・・v
萌様、非常に萌えなリクエストをありがとうございました。
拙文ですが、どうぞお受け取り下さい・・・
でっ。
ちょっとおまけを書いてみました。 こちら からどうぞ。