おまけ。)
夏祭りから帰ってきたカルロと蘭世は、旅館の部屋へ戻りました。
部屋にはすっかり布団が敷き詰められていました。
実は布団を敷いたのは仲居さんではなく部下達です。
プライベートを気にするボスを気遣ってのことでした。
「ふうー。ね、ダーク、温泉に入ろ〜」
その旅館でも最上級の部屋をとっていたので、その部屋専用の露天風呂があるのです。
カルロは蘭世の誘いににっこりと笑顔で返しました。
(そういえば・・・)
蘭世の浴衣姿をずっと見ていたカルロは、あることを思いつきました。
動かないで腕組みをしてじっとこちらを見ているカルロに、蘭世は?と思い声を掛けました。
「・・・どうしたの?」
「いや・・少し前にサムライの映画を見たことがあるのだが・・・」
「??」
カルロは蘭世のそばへ歩み寄ると、そっと帯に手を触れます。
「・・・えっ!?」
カルロは能力を使って一瞬で帯を緩めたのです。
黄色い帯は中途半端に緩み、ひと巻きほど螺旋をかいて
蘭世の細い身体にまとわりつきました。
解けた帯の片端を手に持ち、カルロは再び にこっ と笑います。
(まさか・・・)
蘭世はまん丸の目でカルロを見返します。
カルロは実に器用に、ぐいっ と帯の端を引きました。
「ひゃあああーっ」
蘭世の身体はコマのようにくるくるっ、と回り布団の上に突っ伏し倒れ込んだのです。
帯を無くした着物はすっかり前がはだけて白い肩も背中も露わ。
かんざしも飛んで結っていた髪も解け布団の上にカラスの濡れ羽色をした扇を拡げました。
漸く覚め始めていた酔いが回されたことでまた戻ってきます。
「ふにゃあーん・・・」
「ランゼ、ちょっと台詞が違ったぞ」
くすくす笑いながらカルロが背後に近づいてきます。
「”あーれぇーっ” てぇ・・?もうっ・・!!」
突っ伏し目を回しながらも蘭世はもの申します。
そんな蘭世の白い肩にカルロはひとつキスを落とし、耳元へ囁きました。
「続きはここで?それとも風呂でのほうがいいかな?」
「もうっ・・・ダークのえっち!」
・・・・おあとが、よろしいようで。
了。
2)へ戻る