『a foreign・・・』

(10)



カーテンで遮られていることも手伝って 次第に蘭世はカーテン越しの隣人について
意識することを放棄し始めていた。
胸をねっとりと時間をかけて愛撫されて・・上げたい声を押し殺す。それだけで 蘭世はもう
すっかり花開いていた。
”カーテン越しの隣人”がいるが故に 一層淫靡な心地がしていることに ふと蘭世は気づく。
(なんで・・・なんでこんなことで わたし こんなに気持ちいいの?!・・信じられないよ・・・・)

「カルロ様・・・カルロさまぁ・・」
とぎれとぎれの息の下から 蘭世は男の名を呼ぶ。
だが、まだはっきりとした睦声は 健気にも吐息の下に抑えつけている。
(意外に強情なんだな だが・・・それも時間の問題だ)
カルロが ふっ と胸から唇を離し 愛しい娘の乱れた表情を愛でようと顔を上げる・・がしかし
まるでそれをあっさりとかわすかのように・・もちろんそんなつもりはないのだが・・
 蘭世は思わず彼の首にむしゃぶりつくようにしてその両腕をまわしていた。
クス・・と思わずカルロは微笑む。
頬を寄せてくる蘭世に カルロはそっと囁きかける。
「ランゼ・・・私はずっと お前を 抱きたかったんだ」
「・・・うれしい!・・・私もよ・・・!!」
私、貴方に抱かれたかったのよ ずっと ずうっと・・・
そう もう ずっと長い間待ったのだもん。

可愛らしい返答に口元でふ・・と笑みをつくると
カルロはその手をそっと蘭世の下腹部の茂みに添え・・ゆっくりとカーヴをたどり
長い指先で秘密の場所へ上からなぞるように分け入った。
(・・・んぅ・・・っ!)
蘭世の顎がぴくん・・と上がる。
「もう・・・こんなに濡れている・・・・」
優しく 甘い ファルセットの声が蘭世の鼓膜をくすぐり それはじわじわとその体へ染み渡っていく。
(あ・・ああ・・・)
待ちわびた男の指先が 降りてきた。
そう気づいた途端 それだけで蘭世は未だ捨て切れない恥ずかしさと つい願ってしまう期待とが
ないまぜになり とまどい瞳を揺らし・・その中心は一層潤みを帯びてくる。 
その指は その中心の入り口を その粘膜の感触を確かめるかのように 
・・指先で まさに”愛でる”仕草で ゆっくりと ゆっくりと巡っていく。
そして、奥への道は入る素振りも見せないが・・時折その上をかすめていく。
(・・・っ!!)
そのとき 蘭世の吐息が、一層熱くなっていく。
声は殺そうとしても 吐息はもうどうにも抑えようがない。
隣の縛られた男の耳にそれが届いていようがいまいが もう考える余裕などない。

「かるろ さまぁ・・・っ」

(・・・)

”隣の男”筒井は ごくっ と何度目かのつばを飲み込む。
そして 蘭世の声のトーンが変わったことに気づいた。
声の質が明らかに先程と違う。甘みを帯びているのだ
(・・・もう 行くとこまでいっちまったのか?・・どうなんだ・・・?)
もう、 思わずカーテンの向こうへと体全体の神経が研ぎ澄まされていく。


(ああ・・・・はや・・く・・・)
願っても。
カルロの指は 急ぐ素振りも見せず ゆっくりゆっくりと蜜壺の入り口を巡る。

早く 私の中へ触れて。
あのときの感覚を 思い出させて。
一度味わった熱く甘い感覚に はやくあなたと辿り着きたい。
そう体の奥が言っている・・・でも・・・乙女はその言葉をのどの奥へ押し込み
そう思っている自分自身にもとまどい 眉を寄せて必死に声を殺している・・

抱きついていた蘭世もいつしか両腕を投げだし また両手でシーツを掴んで悶えはじめていた。
(ああ カルロ様は 私を じらしているんだ・・・!)
鷹揚な蘭世さえそれに気づいてしまっていた。
(ああ・・・)
来て、欲しい。
苦しいくらいよ・・・!

蜜壺の周りを巡る指の誘惑に絶えきれず 蘭世は首を振って悶える。
そんな仕草をみてとり カルロは きゅ・・と花びらの一つをつまみ上げた。
「ランゼ。誘っているのか?ここがひくついている」
いつしか蘭世のそこは カルロの思わせぶりな指を飲み込もうと 全体で大きく波打っていたのだ。
最初は頑なだった蘭世も 次第に カルロの術中へ墜ちていく・・
「吸い込まれそうだ・・・ 淫らだな」
「いっ・・・いや!」
恥ずかしさで顔が真っ赤になり 蘭世は両手でその顔を隠すようにしてイヤイヤをする。
だが、それに追い打ちをかけるように・・
カルロは 突然の行動に出た。

いちど蘭世から身体を離し
・・・隣部屋との境にあるカーテンをさっ・・と引いて開け放ってしまったのだ。
(!)
ほの暗い部屋の中央に 闇がぼんやり固まったような黒い物体。
それは 目隠しされ縛られた哀れな筒井。
蘭世の視界に 再び その男の姿が飛び込んでくる。
「イヤお願いやめて!」
蘭世は慌ててブランケットを自分へ引き寄せ 起き上がってカーテンを元に戻そうと手を伸ばすが、
あっさりとカルロに引き戻されてしまう。

いくら筒井君には目隠しをしているとしても。
彼は手出しできない状態だとしても。
「こんなのは いや!」
蘭世は怒りカルロをキッと睨み付けた。
・・・だが。
カルロの表情は・・・真剣な・・・どこか物寂しげな表情・・・
冗談で遊んでいるわけでも 楽しんでいるわけでもなさそうな・・・
「ランゼ」
自分を呼ぶその声の、憂いを含む静かさに蘭世の尖った気持ちが  つい そがれてしまう・・

「私に示してくれ あの男の前で お前は私だけに抱かれたいのだと」
「えっ」
「ランゼ。この私が お前が他の男に抱かれても 平気な男だとは思わないで欲しい」
「?!」
「私に・・・おまえの気持ちを示して欲しいんだ」
「・・・!」

呆然とする蘭世に カルロは更に要求する。
「足を開いて・・そこを指で押し広げて 私を誘ってくれ」
そうだ おまえは私だけのものだと あいつの前で宣言するんだ。
驚きのあまり目を見開いたまま 真っ赤な顔でゆっくり首を横に振る蘭世の
その瞳をじっと見つめ返しながら カルロは追い打ちをかける
「でなければ 私はここにいる意味がない にどと 日本へは来ない」

なんてこと・・・・
”お仕置き”
この言葉が再び蘭世の脳裏に思い出された。
どうしよう、どうしよう・・・

赤かった蘭世の顔が今度は青ざめていく。
優しい蘭世はカルロを責めず 自分の油断に心を痛める。

ここまでカルロ様に言わせるのには 理由がある。
やっぱり やっぱりカルロ様は 私が他の男に抱かれたのが辛かったんだ・・
そうよね・・・そう思っても いいよね?・・・
でも 私は どうすればいいの・・・

悲痛な顔になり 瞳をなお揺らし震える蘭世を カルロは両腕でそっと包み込む。
「大丈夫だ、蘭世。私しか見えない そして私はお前を愛しているよ」
悪魔のような優しい声でそう囁いて 頬へキスをする。

「さあ・・横になって」
”愛している”
その言葉に後押しされ 蘭世はその”お仕置き”を受け入れる・・
手からはらりと 引き寄せていたブランケットが取り落とされる。
魔法にかかったようによろよろとベッドへ仰向けになり・・
カルロの方へ足を向け・・・少し躊躇う
「ランゼ・・」
呼ぶ声の 包み込むような甘さに 蘭世は引きずられる。
(そうだ 私・・私も愛してるって 示さなきゃ)
そして私は あの夜をもう一度 味わいたいんだわ・・!

蘭世の両の踵がシーツをするすると滑り左右に離れていき、足の内側を晒していく。
そして その付け根の黒い茂みが遮るものもなく カルロの視野に現れる。

「ランゼ。私に全てを見せてくれ」
さらなる要求に蘭世は きゅ・・と唇をかみしめ瞳を閉じる・・が まだ魔法は続いていた。
おずおずと細い両の手が自分の大事なところへ伸ばされ 人差し指と中指が入り口の襞にかかる。
そしてゆっくりと左右へ引かれ・・ピンク色の泉が現れ カルロの視線に晒された。
潤みが ひんやりとした空気を蘭世のそこへ伝えてくる・・
そして 蘭世はカルロに請われずとも 懇願するのだ。

「おねがい・・・カルロさま・・・わたし カルロ様しか要らないの・・・
はやく・・・私の・・ここへ来て・・私・・あなたと つながりたいの・・!」
そう。
もう、理性も 何もいらない。恥なんか知らない。
わたし あなたを待ちこがれていたんだ。

私は私のからだ全体で あなたを待ちわびていたんだ・・・!!!

「よし・・良い子だ ランゼ・・・」
少し離れて蘭世を見守っていたカルロが 一歩 一歩蘭世へ再び近づいてくる。
そして顔を真っ赤にして震える蘭世の唇に 褒美を与えるかのようにキスをする。
そしてカルロはスラックスの前を開くと
柔らかくなったバターに熱くなったナイフをめりこませるように
その身を蘭世の潤んだ中心へ深く埋め込んでいく。
「あああああ・・・」
その声を喉にとどめることも 蘭世は忘れ 侵入してくる熱さと快感に呻いた。
何度か しずしずと 内側の感触を確かめるように熱いそれは蘭世の中を行き来し
深く 深くつながる。
「・・!!」
カルロ自身も待ちわびた入り江に 到達した喜びに体が一瞬で熱くなる
「あぁああ・・カルロさまぁ・・!」
蘭世の 理性を保つ最後の砦が崩れ去った。
一突きされるごとに 口元から睦声がこぼれ落ちていく。

カルロは蘭世の細い腰を抱え上げて浮かせ 自らも膝立ちになってそのつながったままの腰を抱え込むと 
杭を打ち込むように たたきつけるように激しく 激しく攻め立てはじめた。
「ひっ・・きゃああっ・・あああっ・・ああああっ」
奥まで何度も 繰り返し 繰り返し強く突き当たり 蘭世は恐怖すら覚える
「やああっ カルロ様っ 」
半泣きの声にも カルロは勢いを緩めない

そうだ、私はお前の体に 私を もういちど教え込みたい。
そしてもう二度と 他の男など 寄せつけさせない・・・!
(・・あっ)
カルロはつながっている蘭世の腰を軽く浮かせ 細い足の腿を掴んでひっくり返した
蘭世は俯せになり 膝立ちで腰を高く上げた状態・・
シーツに着いた頬をふと持ち上げると・・目の前には 縛られた筒井が。
蘭世は思わず我に返り目を背ける。
「目を逸らすな ランゼ」
カルロは静かな声で しかし性悪な台詞を投げつける
その台詞と共に また深く 背後から侵入していくのだ
「はぁぁぁん!」
カルロとのつながりがあまりにも甘美なのか
それとも知っている男の目の前でもう一人の男に貫かれる非現実的な世界が蘭世を煽るのか
ふたたび蘭世はあられもない声をあげる

一突きするごとに お前に刻みつける。
「ランゼ ランゼ・・覚えるんだ おまえは 私のもの・・」
「・・っ ・・ぅうっ」
「ランゼ・・お前も私に誓ってくれ・・お前は私のものだと」
そう、この男の目の前で。
蘭世は 身も心もカルロに完全に囚われたことに 気づく。
恐怖すらも 自分を煽る要素になっている・・!
蘭世は 喘ぎ声の間で カルロに応えた。
「そう・・わたしはっ・・ああん・・カルロ様っ・・あなたの・・もの!」
そう。
私。あなたの 虜・・・

「ランゼ ランゼ・・!そうだ おまえは私のもの だ・・!」


筒井の目の前で 蘭世は甘い声を躊躇うことなくあげつづけ幾度も幾度も上りつめた





蘭世が気を失い 筒井がカルロに解放されたのは夜中の3時
「別フロアに部屋をとってある そちらで休んで行くも良し すぐ立ち去るも良かろう」
「・・・」
筒井は部屋の鍵を受け取り・・そこでシャワーを浴びてから帰宅した
あまりの 強い刺激。
自分のプライドを思えば すぐにでもこのホテルを立ち去りたかった。
だが 目の前で繰り広げられた睦事の刺激に 体中の血が騒ぎ どっ と汗をかいてしまっていた。
しかも。汗だけではなく
(とてもこのままでは外へ出られない・・)
刺激に絶えきれず 筒井はひとり果ててしまっていたのだった。
「・・・若いな」
そう言って口元で小さく嗤うあの男の顔が忘れられない・・



つづく

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