対峙
「本当に消滅したのか?」
シェルは薄く笑って聞く。
闇夜は逡巡した。シェルの言葉を読み取るとまるで神 が生きているとでもいうように聞こえる。
「えぇ。神官の一人が確認しました」
レオは臆することなく答える。
あいつは信頼できる。あいつは意味のない嘘はつかない。
そういう思いがあったからだ。
その返答に鞍馬は確認できるものがいたのかと驚いた。
白き翼の女神もはじめて聞くことらしく小声で囁きあっている。
「神 の候補者か?」
シェルの後ろからダークが呟いた。
その言葉に暗家の二人はダークに目線をやる。
「そういうことか」
呟いたのは誰だったのか。
しかし精家の王族は真っ向から否定した。
「そんなことはありえない。代々神 は王家の中から選出される」
ルートを被った男、行生 はどうどうといった。
しかしその決め付けた言い方に眉をしかめる。
こいつは神のシステムを知らないのかと。
暗家の者がそう思ったのはある意味しかたのないことだった、
彼らの代表者は力で決めるからだ。ただ王家のものがたいてい力が強く代表者となる。
王家は代表者の協力者としてただ技術を残していっているのだ。
精家と暗家のシステムは違っていた。
「あなた方の目的は何ですか?」
この場で王家を示すルートをかぶった女、雪が痺れを切らして、口を切った。
シェルもそれを待っていたかのように話した。
「神 の心を傷つけることだ」
男たちの目的は実にはっきりしていた。
「今は、神 がいませんから、候補者の心を傷つけますがね」
鞍馬もにっこりしながらいった。
レオたちは少し身構えた。
それに気がついたのか鞍馬は女神の首に当てていたナイフをさらに押し付けて見せた。
「卑怯な」
「磨鈴 。そこにいる奴を、適当に選べ」
悪魔が、何処からか出てきた女に言う。
「は〜い」
と言い周りを磨鈴が一別するとものすごい勢いで降りてきたヘリに、レオを乗せ、
悪魔の男は、砂が舞ってるのをいいことに闇夜をぐいっと掴んで
「そいつに、化けろ」
と磨鈴に言った。
磨鈴が闇夜に化けると、闇夜のネックレスを掴み取り磨鈴にかけてとっとと去っていった。
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脱線しかけたのを軌道修正しました。
う〜ん、前よりも世界が広がってるや。
次ちょっこっと暴力シーン?あり。
殴られる程度?かな。