神具3

「っ何でこんなに暗いのよ。っもっと明るくできないの?」
「魔力を行使できないように結界が張られてるね。それに……」
ゼンは結界に手を伸ばし波動を確かめる。
「これを外すと、恐らく崩壊する」
アイノは黙ったまま進む。
この仲で唯一魔剣の気配を掴めるのはアイノだけだった。
「魔物がいないだけましだわ」
そうさっきからトラップ続き魔物がまったく現れていない。
本当に魔物がいなかったらよかったのだが。
「いる。油断をするな」
「そんなこと分かってるわよ。たいした事ないし」
何いってるのかしら?
ごつごつした岩に引っかからないように気をつけながら歩く。
暴れ放題だと思ったのにこれじゃあストレスが溜まるわ。
「泉だ」
ゼンは水を手にすっくて飲む。
「飲めるよ。へべのんでおいた方がいい」
ゼンはへべを誘って泉の近くに行く。
アイノも軽く喉を潤し口元を拭った。
「誰っ」
一番はやく対処したのは彼女だ。
「すいませんが水をすくっていただけませんでしょうか?」
その男は見るからに魔物だった。
肌はかさかさの鱗がパサつき下半身に覆われている。
眼は触ったら切れそうなほど鋭いく、手には鰭らしきものがあった。
アイノは哀れに思いコップに水をすくう。
水はゼンが安心して飲んだだけあって透き通っている。
「ちょっとあんた、なにやってんのよ」
アイノの行動を疑問に思ったらしいへベが止めるがアイノは制止も聞かず歩いていく。
「ありがとう」
そいつは飢え切ったようで、顔にかかるのも厭わずに水を飲み干す。
飲み始めてから数秒もたたなかったはずなのにそいつは明らかに変化していた。
鋭い肌は柔らかくなり、目にもだいぶ生気が戻ってきたようだ。
「水の精霊だったのか」
アイノが確認するかのように問うとその魔物だったものは素直に答えた。
「はい水辺に入れないように結界を張られてまして」
本当にありがとうと穏やかそうに答えた。
ゼンは目を細くし水の精霊を見つめる。
「水かそんな結界見当たらなかったけどな」
水の精霊の目の前には剣の先を喉元にあてたゼンの姿があった。
「本当です。信じてください」
水の精霊は請うがゼンはゆっくりと心臓に一突きする。
柔らかい肉から血が流れ出ることなくそのものは朽ち果てていった。
「ゼン。殺す必要はあったのか」
「アイノ何いってるの!魔物は殺して当然じゃない」
へべの知らないが故の真っ直ぐさにアイノはいらつきを覚えた。

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神話読んでみたいな……勉強不足なのは分かってるんだけど太くてぶ厚い本は読めない
blはいいんだけどな。

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