神具2

「アイノ?どこにいくの」
ニマァッと笑っていったのはヘラの娘へべ。
小生意気で、憎たらしいのだが、どうも無下にできないのだ。
「お前には関係ない」
アイノは率直に告げた。
「関係あるわ。だって貴方お母様の部下でしょう」
だからなんだというのだろう。母親は母親。お前はお前だろう。
「で、」
「連れて行きなさい」
自慢の赤毛を軽く流し、自信満々にいう。
こうなったら誰もとめられるものはいない。
唯一、この小娘を止められるのは兄のゼンくらいだろう。
どんなに嫌がってもこの小娘はついてくる。
「げっ兄貴」
「へべ?お前なんでこんなところにいるんだい?」
ゼン神は首を傾げてやってきた。ふとアイノに気づいたようで顔をしかめる。
「兄貴こそ、今日は外回りじゃなかったっけ」
へべは嫌そうに顔をゆがめる。が、ゼン神は気づいてないかのようににこやかにいう。
「お前がくると聞いたんでずらして貰った」
ゼン神のシスコンは上層部では有名だ。
嫌われているのにかなりおかしな話ではある。
「失礼。俺は先を急ぐ」
この隙に行こうとしたのだが、へべは俺の服をぎゅっと握っていていけない。
「私も行くわ」
「へべ邪魔してやるな。だいたい、あいつと行く必要がどこにある」
「兄貴とは行きたくないの」
ガーン
「兄貴止めるでしょ。土地を破壊させないわ。
呪文も禁止。男友達ともしゃべらしてくれないじゃない」
「それは当たり前だ」
「俺もさせないぞ」
アイノがそういうと少女は楽しげに微笑んだ。
「知ってるわよ。でも、アイノについていくと楽しいことありそうだし」
好きで厄介ごとに絡まれてるんじゃない。
アイノは憎らしげな微笑を見ながら思った。
「へべ。分かったいっていい」
ゼン神がため息をつきながらいうと
へべはこれ以上ないくらいはしゃぎまくる。 
「ただし、私もついていく」
その言葉に二人は思わず固まってしまった。
なんで行こうとするんだ。
やっと兄さんから解放されると思ったのにー。
二人の叫び声は口にこそ出されることはないが、
周りの空気がその雰囲気を読み取る手助けをしているようだった。

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へべまた、予定外の子が入ってきました。

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