俺達はゆっくりと階段を上がって行く。
トランクスでは吸いきれなかった汁が太腿まで垂れてきている。
さらにTシャツ越しでも乳首が勃っているのが分かる。
俺は悟られないように口を強く閉じて、内股で歩いた。
アニキは俺の部屋に入ると、後ろ手でドアを閉めた。
「さてと……」
それはあまりに突然のことだった。
アニキが俺のことをベッドの上に突き倒したのだ。
「いきなり何しやがる!」
「そんなに乳首を勃てて、気付かないとでも思ったか?」
そう言うと、服の上から胸や割れ目を触り出した。
「ジャージにまでマンコ汁がしみ込んでるぜ! こんな女見たことねぇ!!」
「俺は……おとこだ……ひゃん! あっ……んん!!」
「こんなので喘ぎ声出しやがって! お前は立派な淫乱女だよ!! お前の中はどうなってるかな……」
トランクスの内側にアニキの手が滑り込む。
しばらくは表面をまさぐっていたが、そのうち中指を蜜壷に突き刺した。
それは俺の中で蛇のようにうごめく。
異物が入ってくる感覚と、実の兄としている背徳感が、
何とも言えない不快感を与える。
「はぁん! ひぃ……や、やめろ……ふぅん……ひぎぃ!!」
「やめろとか言っちゃって、本当は犯して欲しいんだろ?」
しかしその不快感も、怒涛のように押し寄せる快楽の波にかなうはずが無い。
「2本目もいってみるか」
アニキは目をにやつかせた。
一度中指を引きぬき、人差し指とそろえて再び陰部にあてる。
左手で大陰唇を左右に開き、ゆっくりと陰裂に突き刺す。
「ア・・ニキ……、きついよ……」
「ちょっと黙ってな!」
アニキはクリトリスに爪を立てた。
「ひゃう!!」
今までのとは違って、鋭い刺激が俺を襲う。
徐々に目の焦点が合わなくなってきた。
指は2本とも内側に入りこんでしまったようだ。
アニキはその指を素早く抜き差しする。その度に膣のひだが擦れてしまう。
自然に俺の腰が揺れる。
下に家族がいるのは知っていながらも、声を抑えることが出来ない。
「気持ちいい……イッちゃうよぉ!!」
俺は快楽にその身をゆだねた。
そんな時だった。アニキが急に指の動きを止めてしまった。
「なんか飽きちまったなぁ。風呂でも入ってくるかな」
アニキはベッドから立ちあがり、ドアの方へと向かう。
俺の顔に落胆と絶望の色が浮かんだ。
身体は突然の出来事に混乱し、刺激を求めて疼く。
――ココまでしておいて、この仕打ちは何だよ!――
心の中で俺は叫んだ。
じわり、じわり。目に涙があふれてくる。
「頼む……。最後まで……してくれ……」
俺は声を震わせて、うつむいたままアニキに懇願した。
1滴、また1滴と涙がこぼれ落ちる。
アニキはしたり顔で聞き返してきた。
「イカせて欲しいんだな?」
アニキは確信犯でやったかどうかなんて、今ではどうでもいいことだった。
今はただ打ち寄せる快楽に身を投げ出したかった。
俺は恥ずかしがりながら、ちょこんと頷いた。
しかし反応は冷たかった。
「甘ぇよ、甘すぎるぜ!本当にして欲しいんだったらなぁ、『私のいやらしいオマ○コに、お兄ちゃんの太いオチ○チ○を挿れてぇ!!』ぐらい言ってみろ」
畜生、足元見やがって……。
俺は潤んだ目でアニキを精一杯にらみつけた。
そして心に固く誓った。死んだって言うもんか!
しかし身体は、俺を巧みに快楽の道へと走らせる。乳首が、尻尾が、陰核が、誰かの肌を求めて声を上げる。
俺はアニキに向けていた目線をそらし、力なくうつむいた。
「……・・お、……に……・」
俺はまた泣きそうになった。ただただ、涙がこみ上げてきた。
「……いえるかよ……・、そんなこと……・・」
すすり泣きする声だけが、静かな部屋に響く。
「……・冗談だよ。もう泣くな」
そう言うと、アニキはそっと俺の頭を抱き寄せた。
胸板から伝わる温もり。鼻の奥をくすぐるような匂い。
ダメだ……、頭がクラクラしてきた……・。

アニキはジーパンとトランクスを脱いだ。いきり立った肉棒が顔をのぞかせる。
ゴクリ。俺の喉がつばを飲みこんだ。
ソレが欲しい。ソレに貫かれたい……。
「お望みどおり、今すぐブチ込んでやる」
俺は仰向けに押し倒されて、両足を持ち上げられた。
股の下にアニキが立つ。
「挿れるぞ!!」
太くて熱いモノが俺の膣内に潜りこんできた。
奥のひだがこすれて、何も考えられなくなる。
「あぁ……はぁん! そこ、イイ!……気持ちいいよぉ……」
「まだまだぁぁ!!」
アニキは腰を強く打ちつけてきた。それに合わせるように
俺も腰も自然に動く。身体が少しでも多くの快感を得ようとしていた。
「ひぃ~、ひゃう!……あぁん!アニキ、アニキ!!」
「馬鹿!声が漏れたらどうすんだ!!」
静かな声でアニキが怒鳴る。
ヤバい、下には他の家族がいるんだっけ。俺は慌てて口をつぐんだ。
静かになると、肌のぶつかり合う音が一際目立つようになる。
その音は壁に反響し、俺の耳へと入ってくる。それまでもが俺を興奮させた。
閉じたはずの口も、いつの間にか半開きになっている。
「んん……はぁん……ひゃふぅん!声が……漏れる……う、ぐふっ!?」
アニキの唇が俺の口に覆いかぶさった。俺の歯に舌がぶつかってくる。
俺は何が起こったのか一瞬分からなかったが、
理解すると安心したような気持ちになって、ゆっくりと瞼を閉じた。
俺達は互いの求めるままに身体を動かした。
口内に入ってくる舌を優しく受け入れ、俺の舌と絡ませる。
接合部では、俺の柔らかい肉を固くてゴリゴリしたものが当たっている。
ひだが引きちぎれてしまいそうなくらい激しく動く。
「んっ! ふぅ……うんっ!!」
俺はアニキの背中に両腕を回し、自分のたもとに引き寄せた。
2人の身体が密着する。

舌の動きに合わせて腰のピストン運動が加速していく。
それは間もなく訪れる絶頂を暗示していた。
俺の口は喘ぎ声を出すかわりに、アニキの唇に強く吸い付いた。
頭の中がからっぽになっていく。
「ん、あぁっ! イクぅぅぅ!!」
「なかに出すぞ!!」
「きて!! いっぱい出してぇぇぇぇ!!!」
ドビュッ、俺の膣内に生温かい粘液が吐き出された。
それと同時に俺もアクメに達した。
ドバッ、ビビュッ、ビュッ……。
アニキの精液で、俺の膣内は満たされていく。
「俺のなか、アニキのでいっぱいになってるよぅ……」
「気持ち良かったろ?」
俺は返事のかわりに、アニキの頬に口付けした。
そして静かにベッドへ横たわった。

ベッドに横になって5分ほど経った。俺はだんだん正気に戻ってきた。
ジャージとトランクスを新しいのに履きかえると、俺は怒鳴った。
「てめぇ、さっきはよくも調子に乗りやがったな!!」
「あの泣き顔……、何度思い出したって笑えるぜ!!」
アニキが飄々と話す。
「それにあれ……。俺のファーストキスだったんだぞ」
「モテなそうだし。当然と言えば当然だな」
「これでもモテてたよ!好きな人のためにとっておいたんだ!!
 それが男に……しかも兄弟に奪われるなんて……」
俺はがっくりうなだれた。
「でも嫌そうには見えなかったぞ。最後なんて自分からやってたし」
それを聞いて俺はさっきの一件を回想した。
おぼろげだった記憶が、1本の線につながって行く。
――俺が? 自分から!? 確かにしたような……――
恥ずかしくて顔を上げられなくなった。
「立派に照れてやがる。バカじゃねぇの?」
アニキがどっと笑い出す。
「うるせぇ!! 黙ってろ!!!」
俺はアニキにストレートパンチを繰りだした。
しかし全く当たらない。完全に見切られてる。
「お前にケンカを教えてやったのは俺だぞ? 食らうわけねぇだろ」
「畜生、この糞アニキ!!!」
ここまでコケにされても何も出来ない自分に腹が立つ。
「お兄ちゃん達~、晩ご飯できたわよぉ」
「おい、もうこんな時間かよ!?」
「早くしないと食いそびれちまう!!」
俺達はリビングへと駆け下りた。


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