「…はあ?しょうがねえなあ…俺が来る前に始めんじゃねえぞ?」
…そんな、馬鹿な。何で俺がそこにいるんだよ!?
そして何より驚いたのは、この会話に聞き覚えがあったこと。…まさしく、俺がさっき話してた内容じゃねぇか…!!
そうこう考えてる内に、『俺』がぶつぶつ文句を言いながら出ていった。
「…!!ま、待てっ…グゥッ!?」
[俺]の後を追いかけようとしたら、後ろから髪の毛を掴まれた。首が反って、息が詰まる。

「おいおい…何処に行こうってんだよ?」
「アンタの相手は俺達がしてヤるってのにさぁ?」

そのまま、ぼすん!とベッドに放り投げられる。抵抗しようとしたのに、力が入らない。…否、力が無くなってる。
ここで、ようやく気が付いた。部屋の鏡に映った自分を見る。

「……え?」

そこに映っていたのは、『神楽高次』ではなく、それどころか男ですらない…そう、数分前に、事故の前に連れ込んできた女、その物だった。

「…そ…そんな、嘘だろ…!?」

鏡に映った今の自分を見て、俺は混乱した。だって、有り得ない。
こんな、非現実的どころか漫画にだって無いような事なんて、有り得るはずがない…!!
そう心の中で否定するが、次の瞬間一気に現実に引き戻された。脳髄に、電流が走ったような感覚が体を支配する。
「ひあっ!?」
「ああ、良かった。コイツ、パッド入れてねえや」
「あはは! ああいうのっていざって時に萎えるからなぁ、本当!!」
そう言いながら、今の俺…獲物の胸を鷲掴みにしてくるかつての仲間。
当然、愛撫なんて良いもんじゃなく、ただ握っただけだ。
…でも、それにすら俺の身体は敏感に反応した。頭の中に、少しずつ白い靄が浸食してくる。

「…おい、まだ高次が来てねえだろうが」
「大丈夫だって。本番さえ最初にゆずりゃあ高次も納得すんだろ?」
そう言いながら、また胸を強く揉んできた。
「ひぃっ!?」
声を我慢しようとしたのに、口の横から情けない声が出てしまう。…畜生…っ!!
何だってこんなに感度良いんだよこの女!!?
「…あれー? ひょっとして感じちゃった? へぇー、感度良いんだな」
仲間の1人が、俺が喘ぎ声を上げてることに気付いて、今度は今までみたいに鷲掴みにするのではなく、手慣れた手つきで"愛撫"してきた。
「んッ!? あうっ、ひやあっ!!?」
手が動く毎に、頭にかかった靄が、どんどん大きくなっていく。だんだん、喘ぎ声を抑えることも出来なくなってきた。
「ははははっ! 凄いぜこの女、胸だけでイっちまうんじゃねえの!?」
「とんだ淫乱だなコイツ!」
(畜生、畜生っ!!何で、俺が…こんな目に…っ!?)

「ほれ、搾乳だ搾乳!!」
「ひ、ああああああっ!!」

仲間の1人が私の胸をまるで牛の乳でも搾るかのように、握りつぶしてきた。
本来なら痛いはずのその行為ですら、この身体は快感として受け止めてしまう。

ちょろろろ…

下腹部から、何かがこぼれ落ちるような感覚と共に、意識が真っ白になった。

「…あ…あああ…!!」

「…あっははははは!!すげえ、この女胸でイったあげく、失禁までしやがった!」

自分が、壊れていくような感じがする。否、既にその兆候が出始めていた。
だって…"俺"は…今しでかしたことに対して、恥ずかしさの前に快感を、ほんの少しだけ感じてしまったから。

(…違、う…!! 嫌だ…"俺"は…"俺"はこんな事…気持ちよくなんか…!?
…あ…あああ…! 嫌だ…何で、"俺"に違和感感じてんだよ…っ!? 俺は…っ、俺はどうなっちまったんだ…!)


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