響はフラつくような足取りで立ちながらイスへ向かった。
「お、おい大丈夫か?」
まだ少し惚けた顔の響を心配し声をかけた。
「大丈夫〜」
多少フラつきながらもそう返事をし、なんとか自分の特等席のイスへと座る。
座った瞬間、響は急に何かに気づいたように自分の股を見る。
「むぅ、やばいなぁ。思ったよりパンツがぐしゃぐしゃに濡れている」
(な、なんてストレートに言うんだ)
聞いた瞬間見ていただけで少し濡らした晶の顔の方が赤くなった。
やった本人の舞は、両手をにぎにぎして思ったより張りがあったなぁとぼやき、
「でもどうするの? すぐ男に戻れなさそうなんでしょ?」
「数ヶ月かかるかそれとも数年か、何ともいえないな」
股の感触を気にしながら舞の問いにさらりと響は絶望的なことをいう。
「おいおい冗談じゃないぞ。
響は見た目全然変わってないし、大学も研究室にこもるだけだからいいだろうが、俺は学校があるんだぞ」
晶が女になってから一番悩んでいたことを口にした。
正直、親はこの変人を育てたぐらいだけあって、多少のことじゃ動じないだろう。
「なに私が話をつけといてやる、それにあの学校は多少のことには目をつぶる」
言われてみれば、あの学校もこの変人を3年間在校させたんだったな。
そう考えると女になってしまったといっても、いつも通り扱われそうだ。
晶は淡い期待を抱く一方、こいつに任せるのは不安だったが、仕方なく
「そのへんは響にまかせる」
心得たと言わんばかりに響は満足げに頷いた。
「じゃ話がまとまった所でとりあえず朝食にしましょう」
そう言いながら舞は立ちあがり部屋から出てていき晶もその後を追う。
「私はパンツを履き替えてからいく」
わかったわかったと手を振りながら部屋を出て行く。
そういえば洗顔もしていなかったなと思い洗面所にいく。
「うわぁ、思ったよりなんというか丸っこいなぁ…」
洗面所の鏡で女になった自分の顔を見た時、正直かわいらしいと思った。
響や舞は実年齢より大人っぽい女の顔立ちをしている。
晶はてっきり、自分もそんな感じの凛々しさのあるような顔だと思ってたんだが、
目の前の顔は想像よりは若干子供っぽい思春期特有の顔立ちだった。
しかしそこにはあの二人とは確かに兄妹だとでもいうべき女の色気もしっかりある
その色気のせいか自分の顔やその表情に釘付けになってしまっていた
いつの間にか笑顔を浮かべたり表情を色々変えながら楽しんでいると
響が階段から降りてくる音が聞こえ我に返る。
自分の行動が恥ずかしくなり、慌てて顔を洗い急いでリビングに行く。

「食った食った、茶でも飲むか」
朝食を食い終え片付けるとソファに寝転がりながらTVのチャンネルを変える。
「晶兄さん食後すぐ寝ない。響兄さんも新聞読みながらご飯食べない」
母親自体だらしないため、その反動か舞は家族に対して人一番厳しかった。
「ただでさえ暑いんだから暑苦しいこというなよ」
季節は夏真っ盛り、期末テストも終わりもう少しで夏休みという一番暑い時期。
晶は痩せいるが暑がりだ。何もしないで横になっているだけでも汗が出てくる。
その上今は巨乳という余計暑苦しい物をもち、その谷間もすごいことになっている。
「だめだ暑すぎ。シャワー浴びてくる」
そう言うと着替えを用意し脱衣所に向かった。
今朝のことがあるので慎重にシャツを脱ごうとするが、汗で張り付きうまくいかない。
「うー、ひぃひゃ、んふぅ」
結局努力の甲斐なく、敏感な突起をこすってしまい情けない声をあげてしまう。
「くっそーこのシャツお気に入りだったのに。もう着る気になれん」
顔を赤らめ文句を言いながらも服を全部脱ぎ、浴室にはいる。
ぬるめのシャワーで全身の汗を流し落とし、体を洗おうとタオルを掴んで思いとどまる。
「まてよ、シャツ着るだけでアレだぞ、タオルでこすったらどうなるんだ…」
タオルで体を洗いながら喘いでいる、まぬけな姿を思い浮かべ悩んでいると、
「舞が体洗うのに使っているスポンジなら大丈夫かな」
そう言うと壁にかかっているスポンジをとり、あわ立て体を洗っていく。
ぴりぴりというかゾクゾクというか変な感じはするが喘いでしまうほどではない。
慣れない乳房を丁寧に洗う。
乳房の周りと汗でべとべとだった谷間を洗うと、慎重に乳首にスポンジを当てこすってみる。
「んんぁ、ふぁん、あああぁぁ…」
シャツで擦れたような痛さはなく、ムズ痒さと甘い疼きが伝わる。
思っていた痛みがなく、意外な甘美な快楽でついつい乳首を何度も撫でてしまう。
その刺激を受けているうちに、先ほどの響と舞の痴態を思い出してしまう。
『はうぅ、ふあぁぁあああん、やぁぁぁ…』
『ふぅぅぅ、んんふぅぃ、くぅぅうう…』
『んあぅっ、ふあぁぁ、さ、先っちょはやぁぁっ、んんぁぁ…』
頭の中に響の喘ぎ声がリピートされスポンジは乳首をだんだん強くこすっていく。
「響も乳首弄られて感じてたんだよなぁ…ふぁん、ああぁ、いやぁ…」
あの二人の痴態を頭に浮かべたことで、快楽に逆らうという思いが頭から抜け落ちる。
上下運動だけをしていたスポンジは上下左右に円を描くように動き、開いていた左手でもうもう片方の乳房を握る。
思っていた以上に柔らかく、指が食い込んでいき、形のいい乳房が歪む。
「あうぅぅ、柔らかくてあったかい、んあぁ…むにむにするぅ」
なんどか揉みしごくと今度は乳首を直接つねりいじりだす。
「きぃぃー、ああぁ、あふぅ、んんんー」
いいきなりの強い刺激に背中を震わせるが、手は休むことなく動き続ける。
「はぁはぁふぁぁ…んん? あ、あああ…」
ふと前を見るとl浴室によりつけられた等身大の鏡が目に入り、その中に映る少女のあられもない姿が目に飛び込んでくる。
その少女が自分どうのこうのより、その淫らな姿に男として興奮してしまう。
とろんとして焦点があやふやな目。だらしなく開いた口と滴る唾液。
惚けて快楽以外何も考えていなさそうな表情。押しつぶされたひしゃげた乳房。
もっとこの女を堕とさせたい。もっと情けない姿をさらけ出させたい。
そう思うと、くの字に曲げていた体を起こし後ろの壁にもたれ掛かる。

こうすると鏡に胸や顔の表情、そして全身全てが映る。
「んふふ、ふぁ…ぜんぶぅぜんぶぅぅ、うつってるぅあはははは…」
鏡に映った姿を見て笑う。感情としての笑いというより、単なる脳内物質の作用による笑いだ。
女性の快感に男性の欲望。これだけでも気持ちよかったが、もっと強い刺激がほしい。
「あそこもぉ…ふぁん、あらわなきゃきれいに…ああぁん、ちゃんとぉぉ」
そういいながら右手にもっているスポンジを、茂みの全然ない大切な所へ向ける。
「あああぁ、すごいぃ、すごひいぃ…ふぁああんあぁ…いいぃぉぉ」
あまり力を込めず軽く撫でる様に擦っているだけだが、すっかりほてってしまった体は、その部分に対する刺激を強烈な快感に変える。
その生まれて初めて味わう快感に、ろれつが回らなくなり自意識が無くなる。
スポンジには先ほどからの行為での愛液も染み込み、やらしい音を立てる。
しかし強烈過ぎる快感に、すぐに限界が近づき意識がとけていく。
「ああぁ…いぃぃぃー、もうらめぇ、いくぅいふぃ…イっちゃうぅ…」
そう叫ぶとそのまま目の前が真っ白になっていく。
「女になりたてでもイク時とかちゃんとわかるんだな…」
意識がはっきりし、体の火照りを冷ます為シャワーを浴びながらそんなことをぼやく。
「しかしまぁこんな可愛い女前にしたら欲情しちまうのもしかたないよな。
オナニーなんて男ならだれでもやっていることだし。仕方ないことだ、うん」
オナニーをしてしまった言い訳をわざと口にしながらシャワーで体を冷やす。
しかしまるで女のように喘いでしまったことに罪悪感を覚えてしまう。
いくら言い訳をしても自分自身は騙されない。頭の中を様々な考えが支配していく。
(自分でわざと喘いでその声でさらに興奮していたのか? だとしたら淫乱すぎる)
(てかオナニーして5分たってないよな。イクのはや過ぎないか?)
(男のときでももうちょいもったぞ?)
(女って経験ないからわからないけど男よりイキにくんだろ?)
(あそこいじっている時間なんて30秒ぐらいだぞ。もしかしてめちゃ感じやすい?)

とりあえず悩みを頭の隅におしやり風呂からでて着替えをする。
一番ゆったりしたシャツを選んでいたので苦もなく着る事ができた。
着替え終わり脱衣所の扉を開けようとしてふと気づく。
「てか絶対さっきの声あいつらに聞かれてたよな…」
まるでAVかエロ本に出てくるセリフの様に喘いだ声を聞かれたことにヘコむ。
次から次へと出てくる悩みに頭が痛くなるが自業自得なので仕方がない。
部屋にもどるにはリビングを通らなければならない。
できるだけこそこそせずに平静を装って通り過ぎようとする。
リビングに入ると舞の姿はみえずに響がTVを見ている。
響と目線があい目をそらそうとするが、負けた気になってはいけないと思いとどまる。
すると何か言ってくると思っていたが何も言わない。
(聞こえてなかったのか?)
そんな虫のいいことを思い浮かべるが現実は非情だった。
響は何も言わずに眼鏡をとり、普段の印象とは違う柔らかい顔になると、にっこりと微笑んだ。
まるで私はお前を責めたりなんかしないと言わんばかりの笑顔で。
そのなんともいえない同情のような顔を向けられ無性に悲しくなった。

「思春期の馬鹿ヤローーーーーーーーーーーー!!!」

もしかしたら少し泣いていたかもしれないがかまわず自分の部屋に駆け込んだ。
「ちくしょう元々あいつのせいでこんな風になったのに何で俺が…」
ぶつぶつ文句を言いながらベットに倒れこみ、敗北感に苛まれる。
しばらくするとオナニーのせいか体の変化のせいか急に眠気が襲い、ねてしまった。

「ふぁ〜〜あ」
適当なあくびを出しながら目が覚める。多分1、2時間しか寝ていないだろう。
起き上がろうとするとするが失敗する。
ジャラジャラと鎖の音がし、体が引き止められてしまったからだ。
「はい??? なんだこれは!!」
見ると両手両足に皮のような拘束具が嵌められ、大の字になるようにがベットの隅に鎖で固定されていた。
これに見覚えはある。響が晶を相手に実験する時に使ったことがあるやつだ。
「まだ持っていやがったのかあの馬鹿は。女になった体を解剖でもするつもりか?」
検査ぐらいなら自分の体を使うだろうからわざわざ自分を拘束する理由がわからない
何度か騒ぎ喚いていると予想したのとは違う人物が入ってくる。
「おはよう晶姉さん」
「よかった舞か。すまないがこれはずしてくれ」
「だめよ」
「即答かよ。てかなんでだよ」
舞は何ともいえないやばい表情。いや、正確には眼つきでこちらに来る。
背筋がゾクリとする。そこで朝最初に会った時の眼つきだと思い出す。
「やっぱ俺が晶だって疑ってる? いや本当だって母さんの名前は静でおや…きゃあー」
必死に弁護しようとしたら、いきなり胸をさわられて女の悲鳴を上げてしまう。
恥ずかしさとかよりも不意に朝の出来事を思い出す。
「も、もしかしてお前レズなのか…」
「違うわよ」
即答された答えに安堵するがすぐにこう続けた。
「男の人とは経験ないけど嫌いとかじゃないわ。ただ可愛い女の子も好きなだけ」
「ぎゃーーーーーーーーーだれか助けてくれーヘルプー」
「騒いでも無駄よ。この家防音性高いし、響姉さんは高校のことで出かけているし」
この家は響が大金を手に入れた後に立てた家で、一見地味だが耐震防音などしっかりしている。
「若干面影はあるけど、響姉さんの変化と比べるとまるで別人。
いきなりこんなに可愛い娘が目の前に現れてオナニーの喘ぎ声なんて聞かされたら…
いくらなんでもあの声じゃリビングまで聞こえるわ。もしかして誘ってたの?」
微笑みながらそういい、晶の顔を撫で髪を手櫛でとかし、顔を近づける。
「姉さんが悪いんだから責任とってよね」
「たしかにオナニーのことは俺が悪かった。てか姉さんじゃねぇし顔を離せ」
呼び方が姉さんに代わっているってことは、晶として認めたが女としてみていることか。
(たすけてくれ母さん)
情けないが泣きそうな顔でそう願う。しかしその願いは無意味だった。色んな意味で。
「だめよそんなにいやがったりしちゃ。余計苛めたくなっちゃうよ」
「しかもSかーーー! まじで勘弁して…んん〜ふぅううくぅ〜」
哀願を聞き入れられることなく晶はファーストキッスを妹に奪われた。


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