二人が見たものは、象牙色の石柱に頭から突っ込んでいるドロップだった。
レオンは、柱からドロップを引き抜き、ひとまず柱の側に置いた。
良く見ると、ドロップには全身にすり傷と、頭部にたんこぶが出来ていた。
レオンはドロップを抱きかかえようとしたが。
『ムキーッ!!(レオンのバカー!!)』
「熱いじゃねぇか!!何すんだよ、ドロップ!!」
ドロップの吹いた火が、レオンの左手の甲に軽い火傷を負わせてしまった。
「ドロップちゃん…怪我を治しましょう…」
『ウギャアッ!!(ほっといてよ!!)』
「い…痛いですぅ…」
クララの差し伸べた右手を、ドロップが噛んでしまった。
レオンは声を荒げ、ドロップに怒鳴りつけた。
「いい加減にしろ、ドロップ!!クララに謝れ!!」
『キューッ…(ごめんなさい…ごめんなさい…)』
ドロップは、顔をしかめ、首をしなだれた。思った以上に、
すり傷やたんこぶが痛むらしい。その事に気づいたレオンは、
クララとドロップを自身の側に座らせた。
「ごめんな、クララ、ドロップ。上手く行くようにするからな…よし、じっとしててな」
レオンはクララに教わった通りに指を組み、自身の顔の前に当てて目を閉じた。
レオンの体からクリーム色の光が見え隠れしている。レオンは呪文を唱えた。


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