『 願い 』 41 Ψ(`▼´)Ψ キャロルの耳たぶ全体を口に含むと、軽く歯をあてしごくように邪魔な耳飾りを口から吐き捨てておもむろに耳の裏側をなぞりあげる、熱い舌と熱い息は、ゆっくり移動を続ける。 「…ぁっ」甘い刺激に首を竦ませた、その縮こまった強ばりを解くように、うなじへ移動し行き来する舌がキャロルの下腹部に、きゅっと甘い痛みにも似た感覚を揺り起こす。 「…姫は…ここが弱いな…」「…ぃ…いや」 「嫌?…ふふっ、『もっとして欲しいのだな』」更に強弱を付け刺激を続けると、頬を這い優しく唇を合わせ上唇をやんわりと噛む----何度も重ねている行為なのだが、キャロルはギュと目を瞑り唇を開く--- そのまますぐに、舌を差し入れられて激しく貪られるのに? 「…私をみるのだ…」微かに動けば触れ合ってしまう、男の熱い息がかかる距離での囁き-----薄く目を開くと、睫毛が触れてしまう位に接近した端正な顔、熱と艶を含む…その瞳-----何度も躰を重ねていたが、間近で顔を直視した事はなかった。 そのまま、目を逸らせずにいたキャロルの目を見つめたまま、唇を重ね舌を差し入れられる。 男の瞳に呪縛されたように、深くなる口づけ絡められる舌に酔わされて、僅かに舌を動かし応えたキャロルの初めての行為に、男の動きが止まった… 「…姫、もっと、もっと私に応えてくれ…」更に深く激しくなる口づけ--- 「…この躰に火を付け…支配するのは…私一人のみ…」 42 (愛しい…愛し過ぎて壊してしまいそうだ…) キャロルの浅い息が男の顔にかかる。 「…そなたの青い瞳に酔って…しまう」お互いから目を離さずにねっとりと絡み合う唇が求め合う。 強く腰を抱きしめ、再び衣装の裾をたくし上げ激しく双球をまさぐり、背中へと欲望にまみれた手が這い上がる。 「ぁっ…ぁっ」(何も考えられない…)その悦楽に翻弄されていた。 もつれる様に寝台へと移動し組み敷かれた、上掛けの布地のひんやりとした質感が火照った顔に気持ち良かった。 背中に感じる男の重さと、荒い息遣いが髪をくすぐる。夢中で抱き合っていた二人だったが、 --ピイーッ-- 微かに聞こえた口笛…(…ルカ…そなたは…)「…目を閉じよ…」 行為の最中の甘い囁きに目を閉じた途端、男の目に殺気が満ちる。腰を抱え口づけしなが寝台の端まで移動し、寝具の下に手を入れて隠してある剣を握る。 ガシャーンと激しい音に、驚き跳ね起きたキャロルの目前には剣を持ち、立ち尽くす大きな背中、床に散らばる花、割れた花瓶。 (何?…賊が?…もしかして?確かめたい…)震えながらも、目の前の男の後ろにに立つキャロルに気付いた男は無言のまま、後ろ手で寝台へと強く押し返され寝台に倒れ込む。 そして、剣で体を支えている侵入者と、扉の前で首に小刀が突き刺ささり動かぬ男目以外は布で覆っていた侵入者が「イズミル王子、覚悟ーっ」最後の力を振り絞るように突進する。 さっと体をかわすと、賊の首に手刀を打ち込み、蹴り飛ばす。そのまま天蓋の柱に激しくぶつかり動かなくなった。 油断無く、辺りを見回し倒れている賊を掴み上げると入り口へと引き摺ってゆく。 「待って!」慌てて走り寄り、気を失っている賊の顔を覆っている布を剥した。 (…違った…)その様子を黙って見ている王子・・・ 物音に気付いた衛兵達がバタバタと駆けつけ、賊を引き連れて行くのを見届け、今も油断無く身を潜め警備しているであろうルカ--(相変わらずの見事だな…一撃で喉を射抜くとは)小さく指笛を二度吹き合図を送ると回廊に響く短い口笛が応えると満足げに、キャロルの元に戻った。 43 「…賊はエジプト人(メンフィス)では無かったな…にしても、ひどい有様だ」 「姫が、守り刀を乱暴に扱ったか故の天罰かもな…」落ちていた守り刀を拾って、立ち尽くしていたキャロルの手に再び握らせ笑う。程なく取り乱したムーラと侍女がやってきた。 「王子!ご無事で何よりでした」王子の無事な顔を見て安心したのか、すぐに侍女に指示を出す。 「すぐに片付けますゆえ、それまで他の部屋でお休み下さいませ」キャロルの顔を心配気に見つめる。 「そうだな…姫も恐ろしい思いをさせたからな」「では、こちらに」とムーラと共に部屋を出ようとした時に侍女が小さく呟いた--- 「賊の落し物かしら?」その声に立ち止まった男の傍で小刻みに震えるキャロル(…衝撃で?落ちた?) 「…見せてみよ!」侍女に厳しい顔を向けると、布で包まれた小さな物を手に王子に掲げ跪く侍女から乱暴に取り上げた、その包みを握りしめ--(これは…開けてみぬとも…王の印だな) (何故に私を苛立たせる…意に従わぬのだ)---自分の中の狂気が暴走し、自分の感情が抑制出来ない。 握りしめている左手からポタポタと床に落ちる血--- 「王子、何をなさるのですか」と手を取ったムーラをその手で制し「…気が変わった…下がってもよい…」 「…では、お手当てだけでも…」極上の笑顔で「下がれと…申したのだ」 「は、はいっ」と侍女を促し部屋を出て行く。(このままでは、私の王子が壊れてしまう…何とかしなければ…) ムーラは侍女を下がらせ、ルカを探し始めた。 44 「さぁ、これはそなたの大事な大事なものであろう?返してやろう」キャロルの左手に血の滲む包みを握らせた。 (…先程迄…この腕の中にいたのに…いたのに…) 「あ、あの…王子…私…あの」口ごもるキャロルの右手に握らせていた守り刀を取り上げ…ビリッと上に纏っている衣装を引き裂く、驚きで声も出ないキャロルに「ふふっ無理に話さずとも良い」守り刀を鞘におさめると再びその手に握らせベロリと手首から腕を舐め上げ解放する。そして一人で天蓋に近づき天井を見上げて 「上手い隠し場所を、考えたものだな流石…ナイルの姫よ」くくっと笑い続け、キャロルを見る--- 「愛しさと、憎しみは姉妹のようだな…とても似ている…そうは思わぬか?」 「お…王子…」(怖い…)魂まで凍りつきそうな笑い--- 「さぁ参れ…姫、存分に酔わせてやろう」(…笑顔が、笑顔が…怖い…逃げなければ!) 懸命に入り口に向かって懸命に走る、が、体が竦み足がもつれる様に重い。 扉を開いた所で肩を掴まれ---腰を屈めてキャロルの目線に合わせると 「そちらでは…ないだろう?」禍々しい程に美しい笑顔に「…ぁ、ひどくしないで…お願い…怖い…」 怯えるキャロルに 「…あぁ、それで合点がいく。私の腕の中で声を上げ、しがみ付いて来るのは怖いからだったのだな…」 「ならば…怖れられるのも…悪くないな…さぁ……」 45 Ψ(`▼´)Ψ 抱き上げられ、寝台へいく間に床に散らばった破片を足で払い除け進み、寝台にドサッと乱暴に置かれその上で、膝を抱えて小さく丸まって震えているキャロルの足首を掴むと、ズルズルと寝台の端まで引っ張り上半身だけを寝台に寝かされた、足を掴んでいた手を離されると自由になった足を動かすと、床の固い感触とちくりとした痛みを感じ「っぅ」っと声を漏らす、どんな小さな声も聞き逃さない男は、キャロルが痛みを感じ、僅かに引いた足を持つと、踵の上にある窪みに口を付ける。 「あっ止めて!」その声にも構わず、舌を這わせ異物を探り出しと、吐き出す。 「…もう大丈夫だ…だが、困ったな…床はこの有様…歩けぬばかりか、足も付けぬな」 そう言うと、躰をうつ伏せにし脇下に手を入れ、床が触れない高さまでキャロルをずらしぐいっと前みごろの裾を踏みつける。 先の見えない恐怖感がキャロルを混乱させる(なにを、何をする気なの…) そして、衣装の後ろの裾を手に掴みバサッと広げた---真っ白な二つの膨らみが露になると 「…こうすると…まるで花のようだな…」躰を起こし逃れようとするが、衣装で拘束されて動けない! 「いやっ!」「ホラ…申し聞かせてあるだろう?怪我をするぞ…」「足を除けてっ」 「…花は口を聞かぬもの…」と裾を持ち上げていた薄物を、キャロルの背中に覆うように被せそのまま、滑るように乳房に移動した手が、両方の乳房の頂に小さく擦りつけ全体を甘く揉みしだく片膝を、キャロルのふくらはぎに乗せ、さらに拘束し、花弁に顔を近付け… 「…香りは…濃厚…」チロチロと舌で花弁を舐め「…そして甘い…」 「ぃ、いや、」 「…先程から…」ピチャ「嫌は…」ピチャ----「違うのだろう…」狭い蜜壷を舌と指でこじ開け広げる。 ぎゅっと寝台に顔を押し付け、声を封じているキャロルの肩が小さな竦みを繰り返している。 (---全く強情な姫よ…ならば…鳴かせてみせよう…) 46 (どこに?ルカは?)あちこちをキョロキョロと宮殿内を探して回ってムーラの前に 「王子に何か?」広間の横から音も無く出てきたルカが声を掛けると。 「ルカ…そなたはいつも突然と現れ過ぎです…」ムーラが胸を押さえて、恨みがましい微笑をルカに掛けた。 ムーラの様子に王子の無事を察したルカが、 「驚かせてしまいましたね、ムーラ殿」微笑で詫びる。 「…その通りです。そうでなくても最近は心落ち着かぬ事ばかりで…」ハッと思い出し、表情を曇らせ 「そんな事よりも、ルカ、ルカ何とかしておくれ…このままでは王子は王子で無くなってしまう」 ルカの胸を掴み軽く揺すりながら、泣き出すムーラ----- 「そして姫もナイルの姫も、今のままでは狂われてしまいます(何かに憑かれた様に、姫様だけを求め続けている…) …ルカ…どうすればお二人共救えるのでしょう…今も…姫は王子の…腕の中に捉えられたままです」 ムーラの哀しみが、少し前まで自分を苦しめていた思いと重なる。---やがてルカが口を開いた--- 47 「ムーラ殿…王子は未だに、あの部屋を訪れていますか?」 「あの部屋というと…王女の?」涙を拭うと、ミタムン王女の事を思い出して微笑む。 (兄思いの王女様…いつも王子の後ろを、付いて回っていた、ミタムン王女様……)その顔がやり切れないものへと変わったムーラ--- 「…ええ…今でも…時々に…殊更にご陽気なご様子の時には、必ずに…長い時間を過ごされます…」 それは、王と王妃も知らない…側近でもルカ・ムーラ・将軍の三人だけが知っているがその話題を口にする事は無かった。 王子が心から寛いで、癒されるのはミタムン王女の前でだけだった…その事を知っている者だけの秘密---人前で弱い所を決して見せない王子が、どんな思いで主のいない王女の部屋で過ごしているのか…王子を慕う三人には殊更辛いものだったのだ。 「…では、姫を…あの部屋に連れて行きましょう…」「ルカ!あの部屋は王子だけのものですよ」 怒りで大きな声で否定するムーラに。「あの部屋には隠し扉があるのですよ…王子もご存知ない事ですが」 「かくし?扉」目を丸くしているムーラに、とつとつとルカが話を続けていく。 「王子は、あの通りに厳しい方ですから、王女様も考えたのですね、ちょっとした探検を楽しまれてました…」 街へ御忍びで買い物にお出掛けになる時など、書物を読んでらっしゃる振りをして…時折、お供を言い付かってました」 楽しい思い出を懐かしむルカに「何という事を!何かあったら---」言いかけて「…それは王女様も良い思い出ですわね」 淋しそうに呟いた。 48 Ψ(`▼´)Ψ 体の底から、突然と湧き上がる大きく激しいうねり---それを避ける術もなく、うねりに翻弄されていく。 男の技巧は的確に、キャロルをいとも簡単に高みへと押し上げる。 腕輪の奏でる金属音の速さが変わる度に、キャロル自身が生み出す音も変化していく。 くちゅ……ちゅ-- 息が止まる程、寝具に押し付けている顔が熱く火照り、息が苦しい。 「…本当に姫の肌は…よく喋る…」背中に熱い舌を這わせながら呟く。 「…肌の言葉は…素直で従順なのにな…」そうして、キャロルの裾を踏んでいた足を外し寝台の上へゴロリと寝転び、頬杖を付いてキャロルを眺めている--- …解放された躰を起こし、緩慢な動作で身繕いするキャロルの、白い肌に付いた赤い刻印… 「…肌の会話を楽しみたいが、姫に話をしておかぬとな…」 ---「話が?」けだるく問い返す-- 「姫も聞いたであろう?父王が帰城する…姫、どういう事かわかるな?」 「ヒッタイト王は…私を使うのでしょう?…」(そして…戦が始まる) 「だろうな…だが、王は姫が我が手にあるのを知らない…」少しずつ謎掛けを楽しむ様に話を続ける--- 「(そうだった!王妃にも…)王子は、何をしようとしているの?」余韻はすっかり消え、意識が完全に覚醒する。 49 「ひどく暑い…考えがまとまらぬ…姫に酔い過ぎたかも知れぬ…」はぐらかしている様な物言いが。キャロルの勘に触る。 「ふざけないで!王子!焦らさないで教えて」(からかってばかり) 額の汗を拭う素振りをしながら「焦らす?焦らしてなどいないのだが…」小さく笑いながらキャロルに視線をやり 「脱ぎたくとも、この手ではね--痛くて脱げぬ…話を続けたくとも、こう暑くてはね?」大げさに溜息を付く 「なっ--嘘よ!だってさっきまで」言いかけ…口をつぐむ-- 「ん?先程まで…最後まで言わねば気になるではないか…」薄い笑みを浮かべ、首を傾げ問いかける。 甘い尋問に耳まで真っ赤になりながら 「---私に、私にどうしろと?」「…あいにくと、教えるのは苦手でね…」 のろのろと王子の傍までにじり寄り、とめ具を外し--衣装を脱がしていくキャロルの指が震えている-- 薄物だけになった男から、少し距離を取って座ると「…教えて下さい」 「そうだな、姫は一つ願いを聞いてくれた。では私も一つ…王には話すつもりはない」「じゃ戦はしないのね?」 「では、口づけを貰おうかな」「えっ?…」きょとんとするキャロルに「苦手だと言ったであろう?見返りがなくては」 クスクスと笑いながら「一つ教えて、一つ願いを叶えて貰おうか」 50 Ψ(`▼´)Ψ 目を瞑って待っている唇が動き「本気の口づけ以外は、認めぬぞ」 「そんな…」--心を決めて、顔の近くに座り屈むと、頬を挟むとゆっくりと…唇を押し当てて、ぎこちなく舌を入れると男の舌を探す--いつまでも深くならない口づけに舌を出す、と、小さな舌先が、おずおずと絡め突付く---そっと目を開けて懸命に舌を使っているキャロルの幼い技巧が、なお更に男を刺激する--「…っ、堪らぬ」後頭部を抑えつけ、舌を吸い上げキャロルの腰を掴み自分の体に重ね、更に激しく貪り始めた。 「っぁっ…王子っ…教えてっ」「戦は…する気はない…っ」「…本当に?」「…嘘はつかぬ」 先程の行為の余韻もあり、男の固い衝動が薄い布越しにキャロルの太股を叩く--- 性急にキャロルの裾をたくし上げ、下から脚を入れ、そのまま膝でキャロルの脚を開かせ、花弁へと指を這わせる 「…姫……そなた自身にも、氾濫は起こるのだな…」 「ぃっ……」キャロルを抱きしめて躰を反転させ組み敷く--- 膝を割り大きく広げたキャロルの脚の付け根の細い、コリコリとした筋に舌先を這わせ、筋に沿って舐め上げながら、蜜壷に指を挿し入れ、やわやわと掻き回すと、肉襞のざらついた個所…を指腹で擦り上げる--と「あっーーっ」ひと際高い声で鳴き、大きく躰を仰け反らせる。 |