デジャブ〜地味な追加要素
モーフィアスを長とするネブメンバーに連れられ、おめかししたネオは預言者のアパートに案内される。そして帰り道、サイファーの裏切りが原因で一同は襲撃を受け…。
映画では飛ばされていた「下水道を通ってマンホールから出るまで」がステージ化されており、ここでネオは、皆に援護されながら障害物を爆破して通り道を確保したり、エージェント・ブラウン相手に勝たないまでもうまく逃げ回ったりと地味に活躍する。
アンダーソン君からいきなり救世主様ではなく、こういう形の活躍も盛り込まれているというのは好感触。
また、エイポックとスウィッチの出番が増えていて、プレイヤーにネブメンバーへの愛着を湧かせることも見逃せない。
そしてネオは決断した。敵の尋問を受けるモーフィアスをこのままプラグを抜いて殺すのではなく、危険は承知で助けに向かうと。
ロビーの大乱闘後ステージが切り替わり、映画の映像を使ったムービーに入る。「ネオとトリニティーがエレベーターを爆破しながら上の階に向かい、爆発のためにスプリンクラーが作動してスミスの頭に水がザバーッとかかる」という場面だが、ぶつ切りにされず丸々採用されているのがこのゲームの中では異例である。少し気になる。
CGムービーにも気になる点が。屋上の場面で、大勢の兵士と交戦中。原作映画ではネオがトリニティに助けられるが、逆になっている。「ネオは後方への注意がお留守になっていて、兵士に狙われる。トリニティーがナイフを投げて助ける」という場面がなくなっている。
このCGムービーの変更はよく見ないと気付かないほど小さく、この変更がゲームをより面白くしたとは思えない。しかも、原作と変えてしまった事についてお叱りを受けかねないはず。何故わざわざ…。
総じて、このゲームでは原作映画よりネオの活躍場面が増えている様だ。
この辺りで最大の謎は、ネオがエージェント・ジョーンズの撃った弾をえびぞりで避ける場面のゲーム化である。
屋上のステージに入ると、いきなりネオとエージェント・ジョーンズが向かい合っている。プレイヤーはコマンドを入力してネオをえびぞらせるよう要求され、そうするとトリニティーの加勢によりエージェントはあっさりぶっ倒れる。
と、ここまでは映画の通りだったものの、その後ジョーンズは何べんも何べんも登場し、その都度同じコマンド入力で撃退する事に。挙句の果てにこのステージを出る間際、ムービーでもう一度同じえびぞりの場面が流れた。
ここまで当該場面を強調したのは何ゆえか。
わたしとしては、「あのえびぞリは決して、泡を食ってそっくり返ったネオが偶々運良く銃弾を避けられたというだけの事等ではなく、ネオの意思で選択して通常速度より早く動いて避けたんだ」という意味ではないかと勝手に考えている。
ゲーム内では、あのポーズはれっきとした技で、プレイヤーの意思によって発動するのだから。
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