スミスの表情

 「何故だ、アンダーソン君」
 キン肉バスター後、スミスはアンダーソン君に問いかける。
 どうしたことか、表情が柔らかくなってしまっている。 その後の怒った顔も、これまでの冷徹なイメージからは外れた、コテコテなものである。まるであわてて怒り顔を作ったかのように。

 この妙に人間くさい顔つきもまた、人間をウィルス呼ばわりにしたそばから自分がワームと化すなど何だかだ言って人間の影響を受けている節のあった スミスらしい、と言われればそれまでであり、わたしはそんな設定も気に入っている。

 しかし変化が唐突過ぎる。それに、このシーンでの彼の顔はなんぼなんでもかわいすぎる……。さらにスミスは決着がつくシーンで、 泥びたしで泣きそうになっている顔を見せていた。

 なんじゃこれは。

 わたしは個人的な趣味から、この姿を気に入っているのだが、泣きっ面はこれまでのマトシリーズで築いてきたイメージから だいぶ外れている。
 このときヒューゴ・ウィービングはに戻ってしまっていたのではないか、あの彼がそうなるには 余程急なシナリオの変更でもあったのではないか…。

 そう、アンダーソン君に問いかける時の口調には、いつもの歌うような抑揚がまるでなかった。 押し付けられた台詞をとりあえず読み上げているようだった。

 雨が酷くて、適切な口調・表情になっているかどうかウィービング自身把握できていなかったと言うのが定説だ*1が…それならいっそ、雨の方のリアリティを犠牲にしてCGの雨を多めに用い、ウィービングの顔をしっかり撮ったらよかろう。仮にも、「愛」に関する話題が出ているシーン、重要そうな語りシーンなのだから。
 あのシーンは、ウィービングが新シナリオを渡されてすぐ、正しく「それはないだろーっ!!」という精神状態のままで、そこにあった材料でパッと撮られたものではあるまいか。

*1:BOXセットを参照しても、そんな事を仰っていた。
しかしおかしい。このスーパー大乱闘序盤のシーンも雨中での台詞と殴り合いがあったが、ちょっと撮ってはカットしていた事を差し引いても素晴らしいものだった。違いすぎる、クレーターの場面はあまりにも違いすぎる。
さらにライバルやバーさんも口々に出来の悪さを雨の所為にし、あのクレーターの日の撮影は最低だったとのたまう。何故其処まで…。もしかすると、本当に最悪だと言いたかった相手は雨ではなく「撮る内容」だったのかも。

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