きぬが俺の部屋で寝ている。
そのこと自体はまぁ、よくあることだ。
まぢまぢと寝顔を見る。
・・・可愛いなぁ(←馬鹿)
いつもなら、ちょこっとイタズラした後に起こすのだが・・・
うん、そうだな。今回は王子様チックに俺のお姫様を起こしてみよう(←阿呆)

「きぬ・・・きぬ・・・・・」
がさごそ←寄り添うようにベッドに寝るレオ
「・・・ん・・・っ・・・ん〜・・・・・」

何でだ。
何でこんなに色っぽいんだ。
ちっくしょ、何か可愛すぎるから思いっきり甘い声で起こしちゃる!

「きぬ・・・聞こえるか・・・?」
「う・・・〜ん・・・ん?!」←起きた。
「お前にずっと、フォーリンラブなんだぜ・・・?」←気付かないフリ
「え、え?え??」
「好き・・・いや、愛してる・・・本気でだ」
「え、あの、ちょ?!」
「早くおきろよ・・・キス、しちまうぜ?」

「い――――いやぁぁぁあああああ!?」

バチーン!!

「いっ・・・!き、きぬ!?一体どうし――」
「だ、誰よアナタ!?出てって!出てって!!」
「いや出てけってお前」
「誰か!誰か助けて!!変質者、変質者がぁ!!」
「ちょ、待ってくれよぉぉぉ!!?」


3時間後。PM4時。

姫「しっかし、記憶喪失とはねー」
あれから。
とにかくきぬを落ち着かせるのに一苦労した。
俺の事を信用してもらうために生徒会の面々(姫・佐藤さん・祈先生)に招集をかけ、
みんなで必死にきぬを説得していのだ(警察に電話しようとしてた)
何故こういう自体に陥ったかは、あっさりと結論がでた。

―――記憶喪失。

蟹「なるほど。わたしは対馬さん、アナタの恋人なんですね?」
一人称も変わってるし。わたし、わたしてオイ。
・・・・・・イイカモ。
蟹「ニヤニヤしないで下さい気持ち悪い。それに何が、いいかも、ですか」
あ、声に出してたか。


良「ええーとあの!カニっちお腹空いてない?お昼から何も食べてないでしょ?」
微妙な空気を変える為か、佐藤さんが言った。
蟹「・・・はぁ、まあ」
姫「あーそれじゃ、よっぴー、昼食・・・じゃないわねもう。
夕食用意してあげてよ。今日は皆で夕飯ね」
良「うん!それじゃあ対馬君、台所借りるね」
レ「あ、うん。お願いします」
かしこまってしまう俺。
蟹「あ、手伝います」
良「え?だ、大丈夫だよ、私一人でも」
蟹「そういう訳にもいきません。お医者様の手配をしてくれた上に夕飯まで
ただで御相伴になるのは、わたしとしても立つ瀬がありませんから」
そういって服の袖をまくり、
蟹「大丈夫です。料理には自信があります」
自信満々のきぬ。ちょっととまどう佐藤さん。
姫「あーはいはい。それじゃカニっち、よっぴーば手伝ってね」
そういってから、姫と佐藤さんは、

多少の味の崩れは許す。がんばれよっぴー
そんなの無理だよエリーぃ・・・

無言のアイコンタクトを交わしていた。
きぬは料理が下手なのだ・・・。


夕食。
蟹「グラタンです」
きぬが、サッ、サッ、と皿を並べていく。
姫「ぐらたん・・・。私、熱いもの駄目なのよね〜」
蟹「はい。佐藤さんがそう言ってましたので、霧夜さん用に
冷ましたグラタンを」
冷めても美味しいですよ、と付け加えて、姫の席に程よく冷めたグラタンを置く。
姫「あら気が利く。ありがとうカニっち」
蟹「いえ」

椰「・・・先輩。素朴な疑問が一つ」
レ「みなまで言うな。俺だってどうしたらいいかわからないんだ」
未知なる生物を発見したかのように指をプルプル震わせる椰子(←合流した)
ちょっと複雑な気分になるオレ。

良「うぅ、私の出番、ほとんど無かったよぉ」
蟹「ですが、佐藤さんがいなかったらもっと時間かかってました」
祈「美味、ですわね。このミートソースお手製ですね?」(←さっき寝てた
蟹「はい。短時間で作ったんですけど、自信作です」
乙「トマトとナスのグラタンか。・・・ん、中々いけるな」
蟹「ありがとうございます鉄先輩」

椰「先輩・・・ここは何ていう空間ですか」
レ「椰子・・・これはヴァーチャルじゃない。現実、リアルなんだ・・・」
椰「そんな馬鹿な」

乙「おい二人とも、そんな隅でなにをこそこそ話している」
レ「あ、はい、すいません」
何故か卑屈になる俺。


30分後。
フカヒレ「おーッス!カニの馬鹿が記憶喪失になったんだって?」
夕食時の我が居間に、馬鹿が一人やってきた。
蟹「・・・?この方は?」
フカヒレ「なんだ本当に忘れたのか?俺だよ俺。鮫氷新一、
人は俺をシャークと呼ぶ!!」
蟹「シャーク、さん」
レ「きぬ、きぬ。フカヒレでいいんだよこんなの」
きぬがシャークと呼ぶことに軽く嫉妬する俺。
蟹「フカヒレさん・・・?」
レ「さんもいいから」
蟹「えぇ、っと。蟹沢きぬです。よろしくお願いします」
そういって幼なじみのフカヒレにペコリと頭を下げるきぬ。
フカヒレ「ぅえ?あー、その、ど、どうも」
同じく、ぺこりと頭を下げるフカヒレ・・・ってなんで顔が赤い!?

フカヒレ(やべぇ・・・なんか萌えだ)

レ「萌えんなよ人の彼女にぃぃぃ!!!」
ぶうぅぅぅん!!!(←回し蹴り)
フカヒレ「ちょっとまて人の心読むなぶぎゃぁぁぁぁぁ!!??」


姫(で、対馬君。アナタはどっちが好きなの)
俺にだけ聞こえるように、姫は囁く。
レ(どっちって?)
姫(もう、察し悪いわね。カニっちよ!)
にやにやとしながら、
姫(前のカニっちと今のカニっち、どっちがいいの)
レ(ちょ、変なこと言わないでくれよ)
姫(ふ〜ん。ま、いいけどさ。それよりも、注意したほうがいいかもよ?)
レ(・・・?何にさ)
姫(ほら、カニっち、記憶なくしたせいかどうかわからないけどさ、
かなり可愛くなってるでしょ)
レ(何を言う。きぬはいつでも可愛いぞ)
姫(はいはいクマクマ。ってそうじゃなくて!ほら何て言うの?
前までのはちょっとマニアよりのボクっ娘だったでしょ?
それが今じゃ正統派の美少女。どうよコレ?)
レ(どうよって。まぁ、鼻高高?)
姫(ちょっと忘れたの?カニっち、記憶ないのよ?)
レ(・・・・・・あ)
姫(馬鹿ねぇ。アナタへの想いも忘れた今、カニっち完全にフリーダムなのよ)
レ(ははは何を馬鹿な)
姫(言ってみれば今の対馬君は一方通行の恋でしょう?
だってカニっち記憶喪失だし。対馬君への想いを忘れてるから別の誰かに
恋をすることもあるでしょうね)
レ(・・・・・・そんな馬鹿な!)
姫(そうそうそんな馬鹿ななの。対馬君がカニっちのオトコで居続けたいなら
今≠フカニっちのハートもGETしなきゃね)

どうしようどうしようどうし(ry
待ってろよきぬ!俺の萌える愛で、お前の記憶を必ず戻してみせる!!

第一部、完


(作者・479氏[2005/09/18])


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※関連 姉しよSS「きぬの記憶喪失物語・番外編


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