+ Meteor +

クレストリアのキャラクタールームで聞けるボイスからのネタ。ダオス視点。
ダオスの幼少期エピソードを捏造しています。注意!


Short short log -04-

「あのっ……以前からずっと気になっていたのですが……ダオスさんはどうして宙に浮いていられるのですか?」

温暖な風が優しく城内に吹き込む心地の良い昼下がり。分厚い書を膝に乗せたからの唐突な問いかけに、つい微睡む意識が現実に引き戻される。

「……急にそのようなことを訊ねて、どうした?」
「魔術書を読んでいても、宙に浮く術のことはどこにも書いていないものですから。いつもどうやって浮いているのかなって……」

不思議そうに私を見つめるの双眸は、純粋で好奇心旺盛な子どものよう。確かに、魔術を行使できない人間にとって我が魔術は興味深いものに違いないだろうが。

「うむ、術で浮いているだけだが……この星の魔術理論と我が故郷の魔術理論は少し異なるのかもしらぬな」
「やっぱり魔術なんですね、いいなぁ……私ももし魔術が使えたら、ダオスさんのように宙に浮いて移動してみたいです。高い場所にあるものも簡単に取れるし、掃除もしやすそう……」

宙に浮いた後のことを楽しげに想像している彼女を眺めていると、私も幼い頃、初めて宙に浮く術に成功した日を思い出す。当時は"宙に浮く"ことしかできずその後の動きを制御することなど不可能で、上下左右に動き回る私を侍従たちが必死に追いかけていたものだ。今では宙に浮いた自らの動きを制御することは当然造作もなく、

「わっ!何っ!?身体が浮いてっ……ダオスさんッ!?」
「ふふ、お前が宙に浮いてみたいと言ったのでな。なかなか楽しかろう?」

こうして他人を浮かせ――意のままに動かすことも可能になったが。くるりと空中で彼女の身体を一回転させると、華奢な足元を覆う布がふわりと柔らかな曲線を描いて宙を舞う。恐らく未知であろう体験に小さく高い声をあげ、靭やかな手足が愛らしく跳ねた。

「もうっ、びっくりしました……でも、楽しいですね」
「言っておくが、宙に浮く術と、浮いた己を制御する術は別物だ。お前が宙に浮けたとして、制御できずどこへ飛んでゆくかわからぬ……故にこうして」

術で引き寄せた彼女を膝に乗せ背中と両脚を抱えてやると、小さな身体は容易く私の腕の中に収まってしまう。この愛らしいが宙に浮いたまま、私を置いて何処へ消え去ってしまうなど、あってはならぬこと。

「……お前は私の腕に収まっているのが丁度よいのだ」

彼女が術を行使できない人間であることに、私はいつの間にか酷く安堵するようになっていた。術を用いずしてこの私から逃れることなど不可能なのだから。人間である以上、は永遠に、この私のものなのだ――


---END---


シンフォニアでの天使化あたりのお話は
あくまで後付設定だと思っているので(シナリオライターも別の方ですし)
今のところ私の中では単純に「術による浮遊」としています。
この辺ザレイズとかで設定明かされないかな…?と期待しているのですがどうでしょう。

高度な術を難なく発動していくダオスは最高に格好良いですが
お茶目な術の使い方をするところも見てみたいです。絶対可愛い。

Good!(お気に召されたら是非…!)

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