+ Meteor +

ザレイズのログインボーナスネタ。
夢主がもしザレイズ世界にダオスと一緒に具現化されていたら…?という妄想です。


Short short log -02-

城の入口に置かれていた木箱。今がちょうど旬な、真っ赤に熟れたティル・ナ・ノーグ産リンゴがぎっしり詰められている。微かな酸味の混じった甘い香りには否応なく食欲が刺激されてしまう。

「皆で食べてくれ、これからもよろしく頼む――マーク・グランプ、ですって」
「……ふん、飽きない奴だ」

置き手紙の内容を聞いたダオスさんが小さく鼻で笑う。呆れ半分、けれど悪くはないといった様子だ。あくまで故郷の為に動くダオスさんは進んで彼らに手を差し伸べることはないと言っているけれど、彼らはダオスさんがちらと本拠地に姿を見せるだけでも有難がってくれる。利用できるものは利用するというのが彼の考えとはいえ、彼の目的を理解して必要時はコンタクトを取ってくれる彼らに、ダオスさんなりに多少は情を持っているのだと思う。だって、以前同じように贈られたメロンもあの後美味しそうに戴いていたし。

「ふふ、早速お切りしましょうか?」
「……ああ、頼む」

ほらね。アセリアでもティル・ナ・ノーグでも食事は彼の口に合うもの合わないものが激しくて難儀することもあるけれど、果物は味も似ているのか安心して食べてくれる。切り分けたリンゴを前にした彼は相変わらず表情も変えないで無言だけれど、早く食べたがっている雰囲気までは隠しきれていないところが実に可愛らしい。まるでおやつを待っている子どもみたいだもの。

「……お味は如何ですか?」
「うむ、悪くはないな。、お前も食べるといい」

フォークに刺さったひと欠片のリンゴが、唐突に目の前に差し出される。口を開けろと促され、恥ずかしさを堪えて小さくひと口いただくと口の中に爽やかな甘みが広がった。これはきっと良いリンゴに違いない。こちらも相応の品を見繕ってマークさんにお礼しないと。

「……ふっ、子どものようで愛らしいな」
「なっ……!」

予想だにしていなかった思考のシンクロに、返す言葉が見つからなくて目線がふらふら宙を泳ぐ。一方ダオスさんはと言えば、意味深にククッと喉を鳴らして嗤っていた。

……もしかして、私の思考は彼に読まれている?


---END---


何やかんや言っても、ダオスがいろんなものをモリモリ食べるお話は書いていて楽しいです。
意外と大食らいだと良い(しかし太らない)

Good!(お気に召されたら是非…!)

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