+ Meteor +

このお話は『ダオス視点』で進みます。
夢主のセリフにのみ『♡喘ぎ』が含まれますので
苦手な方はご注意ください…!


**愛おしさ故に**

回廊に響く軽やかなヒール音。今日の狩りを終えたらしいが軽快な足取りで城に戻ってきた。背に掛けた袋はいつになく大きく膨らんでおり、上々の成果があったのだろうということがそれだけでも判別できる。

「ただいま戻りました、ダオスさん」
「戻ったか。無事で良かった、。成果はあったか?」

そう問うと、は満面の笑みを咲かせて袋の中のものを取り出し始めた。

「新鮮なお肉にお野菜、それから果物もおまけしてもらったんですよ。今日はいつもより大物を仕留められましたから、素材もいい金額になったんです」

は愛用の腰鞄から小銭袋を取り出して私に見せた。袋を上下に揺らし聞かせる金属の擦音はこれまでになく重厚で、彼女の言うとおり満足のいく利益が出たのだろう。

「これでまたアップルグミやパナシーアボトル、それに狩りでは手に入らない食材もたくさん買えますからね、何か欲しいものがあれば仰ってくださいな。ええっと、他には……」

普段よりうんと荷物量が多いせいか、袋の中身を取り出すことに夢中になっている彼女の姿は何とも愛らしい。しかし同時に、私のために人知れず苦労を重ねているのだろうことを想像すると、私は胸が痛む思いでもあった。

「……面倒をかける、。ここが故郷なら、お前にこんな苦労をかけさせずに済むのだが……」
「お気になさらないでくださいな、身ひとつで戦わないといけないダオスさんに比べれば、これくらい何てことありませんわ。それに……ダオスさんの背負う苦しみを少しでも減らして、私もお役に立ちたいのです」

はそう言って、美しく透き通った真っ直ぐな瞳で私を見た。この星の人間に私の声は届かない。再三の忠告にも関わらず魔科学の追求などという愚かな行いを止めない人間に私は心底失望し、我が大義のためであれば滅ぼすことも厭わぬと心に決めたのだ。しかし彼女は、私の目的と忠告を解しこうして私と共にあろうと心を砕いてくれる。人間であっても彼女は、せめて彼女だけは……私は失いたくなかった。

「ダオスさ、んっ……」

溢れ出る愛おしさに、自然と彼女の小さな身体に腕が伸びる。布越しに伝わる熱、漂う甘い香り、滑らかな頬の輪郭。その顔にはいつも朗らかな笑顔をたたえ、機嫌を損ねているところも見たことがない。2度と人間の力など借りぬと強く誓ったはずだというのに、気付けば彼女の存在に、故郷と変わらぬ安らぎを感じている己がいた。故郷に戻った暁には、彼女にはもうこのような土埃に塗れるようなことなどさせず、誰よりも輝きを放つ艶やかな衣装を纏わせ私の傍で穏やかに過ごさせようか。

「ふぁ、ぁッ……」

のか細い腰を抱き寄せて、その柔らかな唇を奪ってみせる。僅かに舌先を吸い上げてやるだけでも、敏感な彼女はもれなく快感を拾い小刻みに背を跳ねさせた。無論、そうなるように躾けたのは紛れもなく私自身である。私だけの愛おしい。その全てを喰らい尽くしても尚、私が懸命に抑えている獣性を彼女は容赦なく揺さぶり起こすのだった。

「……うッ!」
「?……どうした?

つい我を忘れ彼女の口内を貪っていた矢先、何かに耐えるような、そんな苦しそうな声をあげたの唇が離れる。情欲をそそらせる熱を帯びた赤い頬、けれど一瞬ではあるが、眉をしかめて苦悶の表情を浮かべたことを私は見逃さなかった。

「なっ、なんでもないですっ」

それでもは先程の様子を掻き消すように、口先で小鳥のように私の頬を啄んだ。まるで口吻の続きをねだる小悪魔の様な振る舞いに、一度は鳴りを潜めた私の愛欲は否応なく再び掻き立てられる。しかし、どうにも彼女の背後を漂う暗い影。彼女自身が口にしないのであれば今は問うことはしないが、何かを私に隠しているような……そんな不穏さを、私は感じずにはいられなかった。


******


夕食までの間、私は一先ずいつものように城内で術技の鍛錬に励んでいた。稽古場に配置した的を、己の拳と蹴り、そしてそれらに繋がるよう紡いだ得意の術で薙ぎ払う。術の扱いではこの星の誰よりも腕に自信はあるが、研鑽を怠るつもりはない。私の背には10億の民の命運が掛かっているのだ。どんな戦いであっても、決して敗北を喫するわけにはいかなかった。

「ダオスさん、今日も鍛錬お疲れ様です。差し入れのお飲み物を持ってきました」

そうしていると稽古場の扉が開き、今日もが私の為にと新鮮な水を持ってきてくれた。私が程よく疲労していることを想定して、カップの隣にはひと口大の菓子まで添えられている。この星の食事はどうにも口に合わぬものが多いが、彼女は私が美味だと答えたものを的確に記憶しているようで、この菓子もまた同様であった。

「気が利くな、

彼女との付き合いも随分と長くなったが、彼女の私に対する献身は想像以上だ。正直なところ、私は生まれながらの立場故に侍従に囲まれた生活が常であり、献身を受けることにこれまで特別な感情を抱くことはなかった。しかし彼女は違う。私に尽くす彼女の姿は実に愛おしくありながら、もしもその献身が私以外の男に向けられることがあったならば……私の気は今にも荒れ狂う海のように逆立ち、只では済まないだろう。彼女の瞳にも心にも、私だけを映させたいという卑しい支配欲がこうも己の中にも湧き出でるのだと、彼女との出会いで私はまざまざと思い知らされたのだった。

「おかわりもたくさんご用意しましたから、遠慮なく仰ってくださいね」

手慣れた仕草でカップに水を注ぐ。しかし注意深く様子を観察していると判るのだ。彼女の動きから靭やかさが失われている、ということに。

「アセリアではもうダオスさんに敵う人などいないでしょうに、それでも鍛錬をなさるのですね」
「身体も、術の勘も、使わねば鈍るのでな」
「ふふ、あまりご無理はなさらないでくださいね。……ご無理をしてお怪我をなさってはいけませんから」

そう口にしたの視線が、どこか自信なさげに遠くへ投げられる。先程の何かに耐えるような声、硬直した仕草、私の中での疑念はこの時まさに確信へと変わったのだった。彼女と長く共にいるからこそ、その性格もとうの昔に理解している。多少の無理をしていても、彼女ならば私のために気丈に振る舞う――ということを。

「……今のお前は、私にそう言える立場とは思えぬがな?」

これ以上、逃しはしない。私に比べればうんと小さな身体、端から捕まえることなど容易いのだ。寝椅子の座面に彼女の上体を縫い付けると、驚いたように大きな目が見開かれた。

「ん、ちょっと、ダオスさんっ、何をなさってッ……!」

有無を言わせず、私は彼女の上半身を覆う衣服の留め具に手を掛け解いた。が必死に身を捩らせ私に抗うのは、その下に何か――それは私に見られては困るもの――を隠しているからなのだと、私は信じて疑わなかった。これもまた、彼女を数え切れないほど暴いてきた記憶からの、私の確信であった。そして予想していた通り、剥かれたの衣服の下には……痛々しく数カ所に渡って包帯に巻かれた傷が、隠されていたのだった。

「……この傷は誰にやられた!?何故私に黙っていた?」

こみ上げる怒りで、全身が火を噴いたように熱い。私の大切なをここまで傷付けた者となれば、只ではおかない。

「そ、れはっ……」

無意識のうちに腕が力み、寝椅子が悲鳴をあげる。の小さな身体は一層縮こまった。

「……今日の狩りでっ……魔物に止めを刺したって油断して……やられてしまったんです……そんなの、格好悪いし、それにダオスさんを、心配させたくなくってっ……!」

彼女の長い睫毛に飾られた目尻から、透明な雫が静かに伝う。私はハッと我に返り腕を離した。彼女が怯えるほど、私は相当に恐ろしい形相をしていたようだ。

「……そうか、責め立てるようなことをしてすまなかった。だがお前にも解ってほしい。私にとってお前は、お前が想像しているよりも遥かに……大切で、愛する存在なのだということを」

零れ落ちた彼女の涙の跡をそっと指先で触れてみると、の強張りもようやく解けていくようだった。一先ず人間にやられたわけではないという事実に、私は安堵した。それに事の発端は私を思っての行動なのだ。全く、この眼前に横たわる愛おしさの塊はどこまで私を虜にするつもりなのか。

「……お前がいてくれるから、まだ私もこうして、戦えるのだ」

大切なの身体を、痛ませないように優しく両腕で包み込む。この甘く温かな熱は、どんな苦悩さえも忘れさせ、この私にもひと時の幸せをもたらしてくれる。

「故に私の為に、身を削るようなことは二度とするでない。……良いな?」
「……はい……ごめんなさい、ダオスさんっ……」

素直なは、私の腕の中に大人しく収まっている。故郷から遠く離れたこの星でたったひとりで戦わねばならない私にとって、どれだけ彼女の存在がかけがえのない支えになっているか。これまでも時間をかけて彼女の心に、そして身体にもしかと刻んできたはずなのに、どうやら彼女はまだ理解し切れていないようだ。ならば、彼女の傷が癒えた後にじっくりと……もう一度、教えてやらねばなるまい。

「叶うなら、お前がこれ以上無茶をする前に鳥籠にでも入れて……永遠に私の手の届くところへ置いておきたいところだが、そうもいかぬからな」
「うぅ、それはご勘弁を……」

冗談に眉を下げて懇願する姿も何と可憐か。だが、もしも再び同じ事象が発生したならば、その時は私も……本気で彼女を籠に囚えてしまおうか。などと、内に潜む激しい独占欲の暴発を私が寸前で抑えていることを、彼女は知りもしないのだろう。

「ふ、では傷が癒えるまで毎夜、私がお前の身体をこの目で確かめてやろう。言っておくが、嫌とは言わせぬぞ」
「そんなっ……でも、わかりました」
「グミとやらを食せば傷の治りも早まるのだろう?忘れずに口に入れておけ」

は私に言われるまま、幼子のように頷く。かくして傷が塞がるまでの間、私によるの身体検査が続くことになったのだった。


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「ダオスさん見てください、すっかり傷も消えました……!」

あれから1週間ほどが経過した、夜。調子の良さそうな声色で私に語りかけるを見れば胸元も腕も白く靭やかで、ようやく元の美しさを取り戻したようであった。

「こんなに早く治ったのもダオスさんのお陰です、ありがとうございます」
「私は何も、してはおらぬがな」

彼女の顔にも花のように可憐な笑顔が戻る。やはりには、何よりも愛らしい笑顔が最も似合うのだ。就寝前の寝室を穏やかに照らす蝋燭の明かりを頼りにかつて傷のあった箇所に触れても、そこには痕跡さえ感じられない。正真正銘の完治に、私も胸を撫で下ろした。

「ん、ダオスさんっ……くすぐったい、ですッ……」

拒まれなかったことで調子に乗り、そのままの女性らしい滑らかな線を指先で堪能する。この柔らかな肌に触れていると、自らがふつふつと熱を帯びてくるのがわかる。目の前に極上の褒美を吊るされて7日も耐えたのだ。今夜くらいは、彼女のこの艶めかしさに溺れてもよいだろう。

「私がどれほどお前を愛おしく思っているか、お前はまだ……理解できぬようだからな?」

彼女の上体を寝台に押し倒すと、込めた力で枠が大きく軋む。今の私から逃げることなど出来やしないし、許しもしない。見開かれた彼女の瞳は艷やかに潤み、それでも尚この私を静かに煽っているようだ。

「もう一度、理解できるまでこの身体に刻んでやろう」
「そん、なッ……ダオスさ、んんっ……!」

の細い顎を掴まえ開かれた唇を奪いながら、彼女を包む頼りない薄布を荒々しく剥ぎ取る。傷は全て完治したのだ。少々力任せでも、もう痛みはしないだろう。

「あっ、やっ……♡」

留め具が全て外れ、只の布と化したの衣服はもう用済みだ。床に放って、次は胸元を覆う黒無地の胸当てを押し上げる。天辺を震わせて現れた、上品な大きさをした二房の果実を両手におさめて形を変えてみると、彼女の愛らしい顔はたちまち朱に染まった。

「ひぁッ、あっ♡♡」

手のひら全体で捏ねくり回し、彼女特有のその柔らかさを余すことなくじっくりと味わう。早くも桃色の頂きを硬くさせて、決定的な快感を欲しがるはなんと淫らか。もちろん、そんな身体へ彼女を"教育"したのはこの私なのだが、いざ成果を目の当たりにすると本能的な自身の昂ぶりに自らの思考など容易く呑まれてしまいそうだ。彼女の美しい身体を眺めるのに邪魔な胸当ては既に役目を果たせていない。こちらも取り去って床へ放る。

「お前が二度と忘れぬように、私の想いを骨の髄まで、徹底的に刻みつけてやる……再教育だ」
「ひッ♡♡」

両手で寄せ上げた乳房に口先で吸い付くと、彼女の白い肌に紅い花弁が散った。このの全てが、私の所有物なのだ。続け様に2つ、3つと飾りを増やし、そしてそれは線の浮き出た首筋にも、鎖骨にも。

「そこは駄目っ……服で隠せないからッ……!」
「お前に拒否権は無い。大人しく私を受け入れよ」

口では駄目などと言っておきながら、赤い印が増えるたびに彼女は自身の身体を震わせていることに、私が気付いていないとでも思っているのか。の思考も、肉体も、とうに全ては我が手中にある。それでも尚浅はかな抵抗を試みると言うならば、今度こそ力尽くで教えてやらねばなるまい――お前は私のものだ、ということを。

「あっ……♡♡♡」

男の私の力をもってすれば簡単に折れてしまいそうな、細い肩に腕。こうも儚い身体で、彼女は私の為にと強大な魔物にも臆することなく対峙する。危なげでありながら、無限に湧き出る愛おしさで、本当は私の方がどうにかなってしまいそうだった。衣服の上からでも見える場所へ印付ければ、此度こそ城の外でも私の想いを忘れずに居てくれるだろうか――などと、まるで初めて恋を知る青い男のように彼女に捕らわれてしまったのは、私の方なのだろう。満足できるだけの飾りを彼女に施したならば、次は私を誘惑するように目一杯存在を主張し続けている柔らかな実の尖端を収穫する。

「んっ!!あァァッ……!!♡♡♡♡」

片方は指で摘み押し潰すように、もう片方は歯を立てた口先で甘く噛んでやると、の背が大きく美しい弧を描いた。脚先まで力ませ、負荷の高い鍛錬を終えた後のように浅い呼吸を繰り返しているのが聞こえてくる。私の与える快感を従順に受け入れる姿もなお愛らしい。こうして私に溺れる彼女を感じれば感じるほど、自らの中に揺らめく愛欲の炎もまた、一層激しく燃え上がるのだった。

「あ、ぁッ……♡」

指先で、唇で、彼女のなだらかな身体の線を何度でも撫で回す。頬の輪郭を上った先にある丸い耳は、特に彼女の好む場所のひとつだ。誰ひとりとして同じ形状のない、彼女だけの繊細な造形物というだけで、それは私にとって如何なる宝物よりも価値のあるものとなる。舌先を這わせれば、それだけでの口からは甘い喘ぎが幾らでも零れ出た。

「……今宵も愛らしいな、
「んんンッ!♡♡」

耳元でそう愛でてやると、彼女は細い指で私の腕にしがみつき、引き締まった背中を跳ねさせる。そういえば、は私の"声"も好きだとよく言ってくれるのだ。声、というのはそれまで自身で意識の及ばない部分ではあったが、そんな箇所をも好いてくれているという事実は、私にとって素直に喜ばしいことだった。

「はっ、はっ……あぁッ……♡♡♡」

彼女の引き締まった腰の線を唇の先でなぞりながら、自らの身体には宿ることのない優美な曲線も惜しみなく堪能する。大人しく私に守られていればよいものを、彼女は私の足手まといにならぬようにと身体もよく鍛えている。私を想う彼女の気持ちが、こうした彼女の身体の各所に表れているという事実もまた、この私を酷く興奮させるのだ。

「はッ、あぅっ、ぁッ……♡♡」

持ち上げ広げた脚の白い太腿にも、たくさんの口づけと紅い飾りを添える。女性らしい、柔らかで弾力のある肉は食後の甘味を思い起こさせる。膝の裏側を食み、両脚の付け根を舌で味わうと、うんと甘い声をあげてが腰を震わせた。もうすっかり待ち切れないらしい彼女の様子を見下ろしながら、一方で彼女の思う通りにはさせまいと再び口先を膝裏へ戻す。既に自らの下半身はだらしなく今にも火を噴く寸前であるというのに、まるで私が彼女の生殺与奪の権まで全て掌握したかのような低俗な優越感で自らの心が満たされていく様を、心の中でもうひとりの私が嘲笑うように眺めていた。

「……さて、愛らしいお前を隠す邪魔は、これで最後か」

彼女の最も秘められた部分を守る、品の良い黒いレースで飾られた薄布。それを腰で留める頼りない紐を指先に巻き付ける。

「待って、ダオスさんっ……私だけ、脱いでるのっ……嫌ですッ……」
「今更恥じらう必要もあるまい?お前の身体は数え切れぬ程暴いてきたというのに」
「そうです、けど……私にもダオスさんの綺麗なお身体、全身で感じさせてくださいなっ……」

そう懇願する彼女の瞳は、この私をいとも容易く撃ち抜く。本当に、本当にはこの私をどこまで狂わせ堕とせば気が済むのか!あまりにも愛らしい我儘に、迸る劣情のまま私も身に着けていた一切合切の衣服を脱ぎ捨てると、彼女の纏う最後の鎧もまた、力ずくで剥ぎ取ってやった。

「そんなっ、じっと見ちゃ、やッ……♡♡♡」

頬を真っ赤に染めたが脚を閉じようとするが、到底私には及ばない力だ。両脚を押し広げ、現れた彼女の可憐な花壺をとことん賞味する。既にいつになく豊かな湿り気を帯びて私を待っていたそこは眺めているだけでますます蜜を溢れさせ、彼女がいつも清潔に保ってくれるシーツをも淫らに飾っていた。赤い血が盛んに巡り熱を帯びた花弁を左右に拡げてやれば、愛らしい小さな核が顔を覗かせる。

「やっ♡♡それだめッ!!♡♡♡ダメなんですッ♡♡♡」

まるで私に愛でられるのを待っていたかのような控えめな存在感は如何にも彼女らしく非常に愛らしい。口を窄めて吸い付いてみると面白いほどにの背中が跳ねる。当然、彼女がここを責められることを好むのはこれまでの営みから判りきったこと。緩急をつけ吸い上げたり、時に舌先で転がせば甲高い声をあげて何度でも背がしなる。小さな手でシーツを握り締め、注がれる快楽に耐える彼女の姿は実に官能的だ。

「あぁッ♡♡♡」

小さかったはずのそこはもう存分に血を巡らせ、今にも花開かんとする蕾のように大きく膨らんでいた。じっくりと快感に浸れるように花壺全体も舌で愛撫しながら、仕上げに指で核の皮を剥き上げる。最も敏感な状態となったところで根元から吸い上げると……

「だめだめだめッ!!♡♡やッ!!!♡♡イッちゃ、うっ……!♡♡」

抗えない絶頂の波は、容赦なくを飲み込んだのだった。汗の滴で貼り付いた彼女の前髪を払ってやると、すっかり雌の顔をしたが虚ろな目で宙を見つめている。じっくりと快感を享受した花壺は艶かしく収縮を繰り返し、その奥からはまだ物足りないと言わんばかりに蜜を溢れさせていた。この私を尚も惑わすというのなら、望み通りに彼女を快楽で壊してやろう。限界まで湿度を高めた彼女の中へ指を潜らせた私は、繊細な内部からもの弱点を責め続けることにした。

「ひぃぁ♡♡♡あっ♡♡♡もうやだ♡♡♡こわれちゃうぅぅ♡♡♡」
「……壊れて、私のことだけ考えているがよい」

籠に捕らえる代わりに、彼女を壊し狂わせて、私の元を離れられなくすればよい。そうすれば彼女は永遠に、この私のものになるのだから。

「あっ♡あっ♡あっ♡♡なんか出ちゃうッ!♡♡見ないでッ……♡♡♡」

彼女の好む部位を指の腹で丁寧に、けれど執拗に責めてやれば、手前から透明な雫が勢いよく噴き出した。快感と羞恥ですっかり紅色に染まった顔を彼女は懸命に手で隠そうとしたが、強引にその腕を取り払ってやる。恥じらう彼女の姿は何よりも愛おしく、だからこそいつまでも詳細に私の中へ留めておきたいのだ。肌を重ねて間もない頃のとは比べ物にならないほど、今の彼女は私の導くまま素直に快楽に溺れてくれる。甲斐甲斐しく私の世話を焼いてくれる彼女。戦い方もどこか私に似てきた彼女。夜の姿も私に拓かれてしまった彼女。それだけ私の色に染まった彼女を手放すなど出来る訳がないのだ。例え傲慢と罵られようとも、私は彼女も実りも、手に入れるつもりだ。

「んっ……♡♡」

力無く白い両脚を投げ出して胸を激しく上下させる彼女を私はうつ伏せに組み敷いた。私も滾る己を抑えつけるのは限界であった。

「ん、ダオスさんっ……♡♡そのままが、欲しいですッ……♡♡」

私が何をするか直ぐに察知したのか、四つん這いの姿で、桃の果実を思わせる形の良い丸い尻を突き出しはそう言った。あれだけ絶頂を繰り返し既にかなりの疲労を溜め込んでいるだろうに、尚も私を気遣ってそう強請る彼女の愛おしさに私はもう、脳内のタガは完全に外れ切っていた。

「あッ♡♡♡ぁ♡♡♡」

私を内側から焼き尽くさんばかりの激しい欲望のまま柔らかな尻を鷲掴み、後ろから彼女の中へ己を突き立てる。彼女の白肌に浮かぶ、私の手の形をした紅い跡が酷く淫猥だ。熱く蠢く肉壁をゆっくりと掻き分けて、ようやく辿り着いた彼女の最奥は一際甘い熱を帯び、私を歓迎してくれているようだった。

「んっ♡♡あッ♡♡きもち、いっ……♡♡♡」
「ッ……!」

極めて動物的な前後運動を繰り返す毎に、ふたり分の重みを受け止め寝台が悲鳴をあげた。寝室の窓から差し込む月明かりに繋がりの部分を照らされて、蜜がぬるりと淫らに光る。の中はまるで淫魔の如く私に吸い付き、搾り上げ、昂ぶり切った愚直はあっけなく彼女の胎へ欲を吐き出すのだった。

「はぁっ、はぁ……」

しかし、今の私はこれだけでは満たされないほど、欲深い男と成り果てていた。彼女と出会ってからというもの、ただ繋がり合うだけでは到底満たされない。愛おしい彼女の柔らかな身体を食らうように抱き締め、私に狂わされ見せる淫靡な果て顔を目に焼き付けてこそ。でなければ私は、飢えた獣同然であった。

「んぁ、ダオスさ、んッ……?」

四つん這いのを抱きかかえ、仰向けにする。絶頂を繰り返した彼女の身体は魂が抜けたように脱力し切り、さながら愛玩人形のよう。もう一度その靭やかな両脚を拡げてやると、まだ私の形が残ったままの花壺が花弁を震わせて、それでもなお淫らにこちらを誘い惑わすのだ。欲深いのはも同じではないか。などと、彼女を躾ける言い訳をいくら探したところで、滾りのおさまっていない自らを晒しているようでは説得力など欠片もないのだろうが。

「あうっ♡♡んぅ♡♡♡」

この私を徹底的に教え込ませるように、もう一度を己で貫いてやる。粘膜と粘膜がいやらしく擦れ合う度に、彼女は激しく背を跳ねさせ悦んだ。シーツを握って快感を逃そうとする彼女の手を取り指を絡めると、愛らしい手が私の手を握り返す。繊細な皮膚の上をさざ波のように快感が幾重にも走り、私の何もかもを溶かし、飲み込んでゆく。彼女を捕らえるなどと言っておきながら、本当は私の方が――彼女に捕らえられてしまっているのかもしれない。

ッ……」
「ん、ふっ……♡♡」

妖艶な吐息が止めどなく漏れる彼女の唇を貪り喰らうと、私の全身も彼女とひとつになる。愛おしいからのみ得ることのできる、暖かく圧倒的な幸福感は私の頭から爪先まで全てを優しく包み込み、この私を癒やしてくれる。故郷の為、民の為と我が身をひたすら奮い立たせ戦ってきたが、果たして彼女が居なければ、ここまで戦い続けることができただろうか?

「ッ、ぁ、イくッ……!♡♡♡♡」
「くッ……!」

他者の、ましてや人間の力など二度と借りぬ。そう固く誓ったはずだというのに、そんな心もいつの間にか彼女に溶かされてしまったようだ。私の、私だけの。他の誰にも決して渡しはしない。私の全てを包み込む熱いの中が私の欲望で埋め尽くされていくのを感じながら、私は大いなる実りと共に、必ずや彼女と我が故郷へと帰還するのだと、決意を新たにするのであった。


---END---


Good!(お気に召されたら是非…!)

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