+ Meteor +



**惚れて、溺れて、蕩けてゆく**

焼け付くような眩しい光が、遮る瞼さえ貫いて私の視界を明るく照らす。慣らすようにゆっくりと目を開けると、金色に輝く豪奢な飾りが枠に惜しみなく施された大窓から、さんさんと陽が降り注いでいた。伸びのついでにベッドサイドの機械時計に手を伸ばすと、時刻は既に朝とは言い難い頃へ差し掛かっていた。

「んん……酷い朝寝坊……」

すぐ隣の、ガラリと空いたベッドのいち領域には雑然と放られた黒の衣類。ああ、このスペースの主は今頃城の一室で術技の鍛錬に励んでいるところだろう。昨晩あれだけ私を情熱的に抱き潰しておきながら、決まった時間になれば欠かすことなくきっちりと日課の鍛錬をこなす彼の精力は一体どこから生まれるのだろうか。……って、そもそも彼はこの星の生まれではないのだから、我々人間の身体と比較できるようなものでもないのかもしれないけれど。一方私はと言えばまだ身体中が彼に注がれた熱の余韻でじんじんと痺れていて、どうにもすぐ起きる気にはなれなかった。

「ん……はぁ……」

造りは質素だけれど、彼の体躯に合わせた大きく広いベッド。それを覆う真っ白なリネンは私が選んだもので、こうして一糸纏わぬ素肌で触れてもサラリと滑らかな肌触りが心地良い。そんなベッドの上で力なく仰向けになると、視界の隅で朱い花びらが私の身体を幾重にも飾り立てているのが見えた。それは胸元に、腰に、太腿に。昨夜、熱を帯びた彼の唇が私の肌をなぞった跡だ。指先でその花びらと花びらを繋いでいると、脳裏に蘇る彼の蕩けるような愛撫の記憶に否応なく胸の鼓動は早くなる。

「んんっ……ふぅっ……」

切なさを埋めたくて放られたままの彼の衣服を手にとって抱き締めてみた。身体を清めるのに使っている石鹸と、汗と、彼の纏う香りが繊細に混ざり合った特有の色香が私の鼻腔をくすぐって離さない。何度も深く呼吸を繰り返し、肺の奥までその香りを取り込んで、堪能する。うっかり他人に見られようものなら"変態"のレッテルは免れられないだろうが、今はひとりなのだから、思う存分味わい尽くすことくらい、許してほしい。

「あっ……はぁっ……」

そうしていると自分でも驚くほど無意識に、指は湿り気を増すはしたない箇所に宛てがわれていた。彼の指遣いを思い出しながら、快楽を享受する為だけに存在するという小粒の突起を自ら愛でてやり、そこから波立つ快感に酔いしれる。大好きなこの香りに溺れながら、昨晩は身体を奥底まで暴かれたというのに……熱を増すそこはまだまだ彼が欲しくて堪らないらしい。

「んっ……ダオスさっ……!」

立て続けに私を飲み込み続ける大波。がくがくと腰が震え、その度にベッドが小さく音を立てて軋む。一層指を強く動かして、今まさに上り詰めようとした、その時。

「……ほう、私を置いてひとりで愉しんでいるとは……意地の悪い」
「……へっ?」

聞き慣れた低い声は、今ここで聞こえるはずがない。絶頂直前の、バカになった頭が聞かせる幻聴だと思いたい。でも、波打つ金の髪を垂らして私を上から覗き見下ろす浮世離れした美貌は、紛れもなく……本物だった。

「あっ……そのっ……おはようございます、ダオスさん……」
「ああ、実に良く眠る眠り姫だ。それでいて未だ身体は疼いたままか。私では満足できなかったか?」
「えっと……これはっ……その……」

慌てて身体を隠すように上掛けを被るが、もう後の祭りだった。眠り姫だなんて、夜の間ずっと抱かれ離してもらえなかったんだから疲れていて当然じゃないか、という些細な抗議を今はしている場合ではない。よりにもよって独りで致していたところを現行犯で見つかったのだ。あろうことか前の晩、一夜かけてくまなく愛され尽くしておきながら、だ。仮に痴女と呼ばれても返す言葉は何ひとつ見つからないし、とにかく恥ずかしすぎて合わせる顔がない。そんな私をからかう様にダオスさんに上掛けを剥がされてしまうと、真っ赤になった顔さえ隠すこともできなくなってしまう。

「……足りなかったのならば遠慮なく言えばよかろうに。それより、お前が心を焦がす男はどうお前を……導いたのだ?聞かせてほしいものだな」
「う、それはっ……」

肩から先を惜しみなく晒す鍛錬着のままの彼が私をベッドに縫い付けるように覆い被さると、一段とベッドは深く沈み大きな音を発して軋んだ。人形のように美しく中性的な顔立ちでありながら、形のいい筋肉がぷくりと浮き出た腕はうんと男らしくて、それが堪らなく色っぽい。普段着と同じ眩い金糸の刺繍が施された上質な仕立てのグローブを嵌めた大きな手の平に顔の輪郭を捕らえられて、彼の青い瞳が私の目を射抜き外さない。

「私の愛らしい、さあ、言ってみよ」
「……それはッ……」

耳元で、幼い子どもを諭すような優しい声が反響する。頬を唇の先で繰り返し啄まれ、彼の白く長い指が愛でるように寝起きで乱れた私の髪を梳いた。何と甘い拷問だろうか。それでも、自らの自慰のオカズを明かすのはあまりにも恥ずかしくて、口にすることはできない。

「駄目です、恥ずかしすぎるからッ……!」
「……良かろう。ならば……私が当ててみせるとしよう」

そう言うとダオスさんはゆっくりと両手のグローブを外し、ベッドの上に放った。よく鍛えられ引き締まったこの腕に捕まってしまったら、もう逃げられない。そのことを自身がよく理解しているからなのか、形の良い薄い唇に意味深な笑みを浮かべて、上掛けの隙間から彼が手を潜り込ませてゆく。

「んっ……あッ……!」
「ほう、気の毒に……こう触れるだけで腰が浮くとは、お前の焦がれる男はお前を頂点へ導いてはくれなかったようだな?」

達する直前の最も感度の高められた状態で剥き出しになったままの私の肌は、僅かに触れられるだけでも十分過ぎるほどの快感を拾ってしまう。ククッと喉の奥を鳴らしながら、右へ、左へ、時折寄り道しながらも、彼の指先はある場所を目指して確実に歩みを進めていた。

「ひッ……やっ……そこはッ……!」
「ああ、やはりここだな……既に蜜に塗れて、芯の部分もうんと血がよく巡っている。ここを触れられながら、果てる妄想をしていたのだろう?」
「ひぁ……そう、ですッ……」
「……ふふ、素直で良い子だ」

結局、彼には隠し事など何ひとつ通用しやしないのだ。観念して、彼が私に注いでくれる快楽を従順に受け入れようと思えてしまうくらいには、もう身も心も彼に囚われてしまっている。指の腹で優しく核を撫でられると、自分で触れる時とは比べ物にならない気持ち良さが全身を何度も駆け巡った。

「どうだ、お前が心を焦がす男より、私の方が……ずっと上手くお前を導いてやれるということを思い知らせてやろうか」

私を組み敷く彼の重みで、ベッドは更に音を上げた。顎をとられて僅かに開いた唇に、彼の唇が押し当てられる。ぐっと押し込まれた舌に口内を弄られて、それだけなのに背筋はぞくぞくと波立ってしまう。全身がざわめいて、もっともっとと彼を求めているというのに、ちゅ、と甘い音を立てて口先は切なく離れていく。

「あ、あぁ、んッ……」
「全身で快感を追うといい、

彼の長くて美しい、けれど男らしく節々は骨ばった手が私の内腿を繰り返しなぞる。まるで小動物を愛でるような手付きに、私は言われるがまま快感を追いかけては、本能のまま秘部をじゅくじゅくと湿らせていくしかなかった。けれど次の瞬間、圧倒的な力で脚が押さえつけられる。そこを隠すものは何も身に付けていないから、一切が彼の前に丸見えになってしまう。

「後ろに垂れた蜜が寝具にまで染みて……物欲しそうに花弁が収縮しているな?」
「うぅ、恥ずかしいから言わないでっ……」

もう数え切れないほど彼には暴かれているというのに、やっぱりそこをまじまじと見られる恥ずかしさにはとても慣れることはできない。けれどそんな羞恥心さえ、今の私には甘い快楽と化してしまう。言いなりの私の姿に、口の端を三日月形に吊り上げて満足そうな彼を見れば、それだけで身体の芯は再びはしたなく締まってしまうのだった。

「ふふ、感度が上がるようにお前の好いているこの場所を剥き上げてやろう……ほら、指先で少し触れてやるだけで」
「ひッ、あぁっ」
「硬さも大きさも増して……実に愛らしいな」
「や、あッ!だめぇッ!」

皮を剥かれいつになく敏感になった核が、彼の指によって苛められている。優しく撫ぜられたかと思えば、次の瞬間指先でぱちんと弾かれて、痺れそうな快感に全身が今にどろどろ蕩けてしまいそうだ。脳天を貫く快楽を彼に散々仕込まれた身体にとって、理性を捨て去るなどあまりにも容易い。

「あッ、ゃんっ……!」

脚先をびくびくと震わせ、甘ったるい声と共に早くも1度目の絶頂が私を飲み込んでいった。満足そうな眼差しで私を見下ろす彼に顎先を捕まえられてもう一度絡みつくような口付けを交わすと、果てたばかりのはずの身体は再び欲を纏ってしまう。

「……ふふ、こうも愛らしいと、何度でも啼かせてやりたくなるものだ」

まるで私のことなど全て見透かしているかのように、彼は私の両脚を容赦なく押し広げる。そしてその付け根にあるあまりにも欲に塗れた場所に似つかわしくないその美しい顔を沈めると、暖かく蠢くような極上の快感が肌の上を駆け巡った。

「ちょっと、まっ、お風呂まだ入ってないのにっ、そんなとこ、舐めちゃぁッ……!」

昨夜の交わりからまだ湯浴みさえしていないのだ。決して綺麗な状態とは言えないそこを口先で触れさせるのはあまりにも申し訳なくて逃げようとするも、太ももを一層強く押さえつけられてそれさえ叶わない。

「私は気にならぬ。どんなお前も……愛おしいからな」
「あッ、ゃあッ!」

ちゅる、といやらしい音を立てて核を吸い上げられ、電撃のような鋭い快感に腰が否応なく跳ねる。申し訳なさすぎて逃げたい心と、もっと快楽に溺れたい身体のせめぎ合いは、情けないことにどうやら身体が勝利してしまったようだ。私の反応を楽しむように、彼によってもたらされる快感の大波が更に2度、3度と立て続けに私を襲う。

「愛情を注げば注ぐほど、蕾のようによく膨らむ……」
「ぁ、だめだめッ、それ以上は、ぁッ……!」

舌先でこりこりと核を根元から執拗に磨かれて、激しい火花が脳天で絶え間なく弾け飛ぶ。真っ白に塗り潰された思考は、またしても彼によって絶頂に導かれたことを示していた。

「ふふ……今度は内側からも愛でてやろう」
「待ってっ、さっきイッたばかり、なのにッ、ゃあっ!」

呼吸を整える暇さえ与えられず、今度は彼の長い指がどろどろに蕩けた私の中を進んでいく。そしてちょうど腫れ上がった核を裏側から押し出すように指の腹で触れられると、止まらない快感でもう頭がどうにかなってしまいそうだ。

「言っただろう?私のほうが遥かにお前を導いてやれると。ほら、私にもっとその……愛らしい蕩けた顔を見せよ」
「ひ、はぁっ、ダオスさっ、んッ……!」

汗で額に張り付いた鬱陶しい前髪を、彼が優しく払い除けてくれた。色欲に染まり真っ赤に熱を帯びた、酷く品の無い顔をしているであろう私を覗き込む透き通った青い瞳はいつだってとても優しい。けれど、その優しい眼差しの中には確かに、雄の色が隠れていた。

「私の下で何度でも果てるといい、。……そうだ」

何か思いついたようにダオスさんは私の首元に顔を埋めると、ピリリとした痛気持ちよさが肌の上を駆け抜けた。

「今朝お前が私の下で果てた回数をここに刻むのだ。外からもよく見えて良い案だろう?」
「そんなっ、隠せないとこっ……」

首筋には既にふたつの紅い鬱血痕。ただでさえ胸元から下には昨晩の余韻がこれでもかと残されているというのに、これから数日は服を着ていても鏡を見るたびに今朝の交わりを思い出させられることになるのだ。まるでふとした瞬間の日常の思考さえ彼に支配されてしまうよう。でも……それも悪くないと思えてしまうくらいには、私はすっかり彼の虜なのだった。

「さて……お前の首を更に飾り付けてやらねばな」
「ちょっと、やッ、ぁんッ!」

印付けのせいで一層湿り気を増してしまったそこに再び彼の指が潜り込む。私が痛がることのないように優しく丁寧で、けれど容赦のない快楽の注入。肌を重ねる度、彼によって十分すぎるほど手懐けられたそこはもはや抗うこともできやしない。

「お前が好いと感じる場所は全て……知っている。だからこうして」
「あうゥッ!それだめぇッ!」

じゅっ、という淫らな音と共に激しい快感が下腹部から全身を駆け抜けてゆく。内側からは指で、外側からは舌で。彼によって同時に与えられるこの上ない気持ちよさに、私の理性はとうに破壊され尽くしていた。

「……お前を快楽の頂に導いてやるのは実に容易い」

何度も何度も執拗に快感だけを与えられ続け、目の前が光と闇の点滅を際限なく繰り返す。跳ねるように腰が震え、ベッドが小刻みに小さく軋む。もう何度目かもわからない絶頂、ぐしゃぐしゃに乱れたシーツを懸命に掴んで身を委ねる。

「はぁっ……はぁ……ッ……」
「さて、何度果てたか」

必死に酸素を取り込もうと胸を上下させる私を横目に、首筋にひとつ、またひとつと彼の唇から紅い花びらが落とされていく。このままでは私の首はキスマークだらけになってしまいそうだ。

「ふむ、まだ刻めそうだ」
「そんな、もうだめっ……」
「何を言うか、

またしても両脚を押し広げられ、淫らな欲にうんと塗れた恥ずかしい場所が空気に晒される。刺激を受け続けて膨れ上がりいつになく敏感になってしまった核にとっては、僅かな冷気さえも甘い快感と成り果てる。そんな私の姿を目を細めて満足そうに眺めながら、彼はゆっくりと自らのボトムスを留める腰紐を解いていく。中から、今にも腹につきそうなほど反り返った立派な男の象徴がぶるりと姿を現した。

「ここでこうして擦り上げるのも……気持ち良かろう?」
「あ……あったかくて、気持ちいい、ですっ……」

割れ目の筋に合わせてそそり勃ちをぴたりと合わせて、再び核を擦るように前後に摩擦すると、指や舌とはまた違う心地よさが下腹部を包み込む。それに彼の先端からもとろりと透明な雫が垂れて、その淫らな光景がますます私の欲に火を付けるのだ。

「……ところで聞き忘れていたが、お前が心底惚れているその男はどんな奴なのだ?」
「えっ?そ、れはっ……」

ふたりで快感を貪り合う最中の、唐突な質問だった。そもそも私が自慰のオカズにする人物なんて決まっているのだけど、彼はあくまで知らぬ顔をしている。そんな様子だと、こちらもつい……煽りたくなるものだ。

「……その方は、誰よりも強くって、それでいてとてもお美しくて、うっとりするほど格好良くて、それでッ」
「ほう……?」
「んっ……ぁッ……!」

先程より心なしか強い力で擦られているような気がする。ぐりぐりと肉剣の凹凸が私の核を撫ぜるたびに、甘い快感が身体中をほとばしる。

「それでいてっ……誰よりも故郷の人たちを大切に想う、お優しくてっ……ぁッ……立派な王様でいらっしゃる……ぁん!なのにぃっ!」
「……なのに?」

伝えれば伝えるほど明らかに彼のそこは硬さを増して、今にも爆発しそうなくらいに膨れ上がっていた。あくまで澄ました表情を見せておきながら、本当は照れくさくって、もう余裕もないのだろう。そんなところも愛おしい。

「私のことはいつだってとても激しくっ……情熱的に求めてくださるのッ……!」
「ふん、この私よりも……か?結局其奴もただの雄ではないか」

見るからに苦しそうな彼がふと密着した部分を離すと、くちゅ、とそこはいやらしく透明な糸を引いた。どうしたの、なんて口にする暇もなく、露の光る赤黒い凶暴が私の目の前に差し出される。作り物のように整った形の彼の唇が、ニヤリを弧を描いた。

「目を閉じろ、ッ……!」

快楽を注がれ続けぼうっとした頭ではろくに思考もままならず、何が起きるかも解らないまま言われた通りぎゅっと瞼を閉じる。彼の大きな手に輪郭を捉えられて、刹那、燃えるように熱いものが……私の火照った顔をゆっくり、どろりと伝っていった。

「ふふ……誰のことか、最初からお解りなのでしょう?」

ゆっくりと頬を伝うそれを指に絡め取って、見せつけるように口に含む。口内も支配せんと纏わりつく酷く刺々しい苦味も、もうすっかり味わい慣れたものだ。そんな私を見て、ふっと息を吐くダオスさんはいつになく……艷やかだった。

「……全く、お前はどこまでこの私を堕とすつもりか……」

迸る熱い欲望の塊。それを顔で受け止めさせられると、多くの女性は屈辱的だと思うらしい。けれど今、私はちっともそんなふうには思わなかった。耳からも、視覚からも、私は彼に首ったけなんだと伝えたかった。だから、

「お顔も良いですが、早く……直にダオスさんを感じさせてくださいな?」

そうお願いすると、びくりとまた彼自身が滾りを取り戻していくのがとても、嬉しかった。

「……私をここまで煽った責任は果たしてもらうぞ」

うんと強い力で両脚を広げられ、焦らされすぎてびっしょり濡れそぼったそこに彼が容赦なく侵入してくる。火傷しそうなほど熱い剣に身体を貫かれ、甘い快感に全身がじりじりと焼き尽くされてゆく。

「んっ……はぁッ……気持ち、い……!」

肉体的な快感はもちろんだけれど、愛する彼とひとつになる悦びはいつだってそれ以上だ。隙間なくぴったりと包み込むと、彼自身も同じように想ってくれているのか一段と質量が増しているように感じられる。そして私の中の1番深い部分に到達した彼に子宮口を何度もノックされると、それがまた蕩けるような快感となって全身がこの上ない幸福感でいっぱいになるのだ。

「ッ……!」

彼の方ももう待ち切れないのか、いつになく呼吸が荒い。白い額には汗が滲み、腰を前後に律動させるたび、水分を含んで束になった美しい金の髪がゆらゆらと揺れる。戦闘中は息ひとつ乱しやしないのに、私を抱く時はいつだってこうなのだ。本当に可愛くて……愛おしい人だ。

、しかと私を……受け止めよッ……!」

気付けば無意識のうちに、互いの指と指もまた強く絡み合っていた。一心不乱に粘膜と粘膜を擦り合わせて、ふたりでひたすら快感を食らい合う。眩く爽やかな日光の注ぐ部屋にはひどく場違いな、ぐちゅぐちゅという淫らな音がただ辺りに響いていた。

「ぁッ、ダオスさ、んッ……!」

彼によって与えられる、今日はもう何度目かもわからない絶頂。そしてついに限界らしい彼の怒張も、私の中で大きく震えている。どくどくと注がれる灼熱の心地良さに酔いしれながら、汗だくになったふたりの身体が、折り重なるようにしてベッドに沈んだ。

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「……この日の高さは、もうお昼……でしょうか」
「……そのようだな」

散々求め合い、身も心も満たされて、ふと気が付くと時刻は既に正午を過ぎていた。彼の長い手足に絡め取られた私の身体だけが相変わらずありのままを晒していて、急にこっ恥ずかしくなる。それに全身が汗やら何やらで酷くベタつくし、いい加減湯浴みをしなければ。

「私、シャワー浴びたいのですが、ダオスさんも鍛錬後でお汗をかいていたでしょう?良かったらお先に一番風呂どうぞ」
「うむ、それも良いが、折角なら共にどうだ?」
「え?わっ!」

訊いておきながら返答をする前に私の身体はひょいと持ち上げられ、半ば強制的に彼と湯浴みすることが確定した。生まれたままの姿で姫抱きにされ、恥ずかしさで背中が丸くなる。そんな私が面白可笑しいのか、彼はククッと喉を鳴らして笑っていた。

そして互いの身体を流し合いながら、早くも再び昂ぶった絶倫男に求められてしまったのは、また別の話である――


---END---


Good!(お気に召されたら是非…!)

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