+ Meteor +

この作品は『現パロもの』です。
夢主設定=オフィス勤務のごく普通の会社員。彼と同棲して1年が経過。
何でも許せる方向け。


**彼とマリンリゾートへ旅行に行く話**

「見て!最高の眺めね!」

眼前に広がるは雲ひとつない晴れ渡った青空、エメラルドブルーの海。デッキには大の大人ふたりがゆったり横になれるほどの広さを備えたモダンなデザインのソファベッドが据えられて、すぐ側には滞在中ふたりだけで自由に使えるプールまである。ここは穏やかで美しい、とある海の上に建てられたコテージ。今日からしばらくの間、こんな夢のような場所で大好きな彼と一緒に過ごせるのだと思うと……それだけで胸が踊るのを止められない。

「お前が気に入ってくれたのなら……私も満足だ」
「ふふ、本当にありがとうね、ダオスさん」

もう1年同じ屋根の下に暮らす仲とはいえ、こうして今回のように連休を取って遠い場所へ旅行に出掛けるのは久々のことだった。思いがけずお互いに業務の繁忙期が来たりして、なかなかタイミングを合わせて連休を取るのも難しかったし、そうこうしているうちに季節はあっという間に移り変わっていく。歳を重ねるごとに驚くほど時の流れを早く感じるようになる……と聞くがまさにその通りだった。そんな折、ふたりで何気なく見ていたTV番組で紹介されていたマリンリゾートに「良いなぁ」なんてほんの軽い気持ちで呟いていたら、彼がこの旅行を提案してくれたのだ。

「ダオスさんもずっと忙しそうだったし……ここにいる間は日常を忘れてふたりでめいっぱい遊ぼうね!」
「ふ、上機嫌になりすぎて身体を壊すでないぞ?」
「あら、それはダオスさんも」
「私は心配無用だな。ここには何度も来ている故」
「うう、こんなところに何度も……羨ましい」

この海上コテージ型ホテル、なんと彼のお父様の友人が経営しているんだとか。家族旅行の際も何かとよく利用していたみたいで、そんなご縁もあって声を掛けたらすぐに部屋を用意してくれたらしい。今のような夏のベストシーズン中ともなると本来なら半年以上前から予約を入れなければならないくらい、このホテルは大人気なのだ。その高いホスピタリティへの評判と信頼は、エントランスに掲げられていた『デリス・カーラーン国家連合、エリュシオン王室御用達』のエンブレムからもよく伺い知れた。エリュシオン王国といえば、この惑星を月よりやや離れた距離から公転する巨大な衛星に属するデリス・カーラーン連合国家群の最大国家であり、何よりダオスさんの出身国でもある。人類が唯一、この星以外の宇宙に築くことのできた居住拠点であり、最初の移住から数百年の時を経て今ではこの星を凌ぐほどの文化的、経済的発展を成し遂げた先進国家であることは、今や早くから学校でも教えられる常識だ。デリス・カーラーンとこの星は光速連絡船で行き来ができ旅行で双方の国家を訪れる人も多いけれど、王室の人たちまでわざわざ訪ねてくるくらいの場所なのだ、きっと忘れられないような体験ができるに違いない。そうしてあっさりホテルを確保したら航空券も偶然残り2席の空きを取れた上、業務の休みもお互いに同じ期間すんなり取ることができてしまって、不思議なくらい今回の旅行は本当にトントン拍子に事が運んだ。幸運の女神様は私たちに微笑んでくれているのかな?

客室の入り口までふたり分の重いキャリーを運んでくれたホテルのキャストさんへ、ダオスさんが慣れた様子でチップを渡すのを見届けてから私は早速海に入る準備を始めた。せっかくこんなに綺麗な海にやってきたのだ、1秒でも長く堪能しなきゃ勿体ない。

「……水着、似合ってるかな?」

大人の色気を醸し出す黒色の生地、そこに金色の糸できらびやかな刺繍が惜しみなく施された水着は、今回の旅行の為に彼が選んでくれたものだ。水着なんて長らく着ていなかったこともあり店頭であれこれ悩んでいたら、彼がこれだと持ってきてくれたのだ。

「私が選んだだけあってよく似合っている……私以外の男には見せたくないくらいだ。パレオも巻いておくといい」
「んっ……ありが、と」

水着だけを纏った心許ない身体を守るように抱き寄せられて、唇に色っぽい熱がひとつ。同時にこれまた彼が選んでくれた眩しいオレンジ色のパレオを腰に巻いてもらえば、下半身はすっかり布地に隠されてしまった。日頃落ち着いた性格の彼がこうして時折見せる男らしい独占欲、思わずキュンとしてしまう。軽く荷解きを済ませた彼も水着姿になると、よく鍛えられた身体が惜しげもなく露わになった。

「ダオスさんも水着、すごく似合ってるよ」
「そうだろうか?お前の水着と揃いの色柄なのは気に入っている」
「うん、お揃いだね!」

私の水着と同じ黒地のパンツには、サイド部分にお揃いの金の模様付けがされている。恐らく元から男女ペアのデザインとなっているのだろう。ダオスさんは背も高くて脚も長くて、私なんかより抜群にスタイルもいい。もう何度も見慣れているはずなのに、その美しさには毎度溜息をつかざるを得ない。肌も男性とは思えないくらい白くて滑らかで……こんな格好良い男性が海にいたら、ビーチの女性たちの視線は独り占めに間違いないのだ。

「格好良すぎて他の女性も皆ダオスさんに釘付けね。綺麗なお姉さんたちにナンパされないか心配……」
「案ずるな、この私がそのような軽薄な声掛けに靡くはずなかろう?私は……お前以外に興味などない」

そう言ってくれたのが嬉しくて、今度は私から彼をぎゅっと抱き締めると、彼の男らしい大きくて温かい手が慈しむように私の頭を優しく撫でてくれる。見た目どころか中身までこんなに格好良いのだ。何度でも惚れ直してしまうの、許してね。

デッキには直接海に入るための階段がついていて、そこから持ってきたフロートを浮かべることができた。彼とふたりで上に乗ってぷかぷか浮かんでいると、日常の小さな悩みごともどうでもよく感じられるくらいの清々しい開放感に包まれる。絶景も相まって本当に別世界へやってきたようにさえ感じられた。

「見ろ、魚の群れだ」

彼に促されてフロートから透き通った海の下を見やると、指先ほどの大きさの魚たちが数十匹ほどの群れを作って楽しそうに泳いでいた。どの個体も赤や青の鮮やかな色を纏っていて、いかにも南国の魚といった様子だ。

「本当ね!小さくて可愛いわ」
「……そうだ、少し待ってろ」
「わっ、ダオスさんっ!?」

何か思い付いたのか、ダオスさんがざぶんといきなり海に潜ったものだから驚いてしまった。この場所は大人の腰ほどの深さしかないから溺れたりすることはないだろうけれど、一体どうしたのだろう?

「……、ヤドカリだ」
「わぁ!可愛い!」
「手に乗せてみるか?」
「うん!」

淡い色の巻き貝の中から用心深そうに周囲を伺うヤドカリを手のひらに乗せてもらう。しばらくすると警戒心が薄れてきたのか、小刻みに体を動かし始めるのが可愛らしくていつまでも眺めていられそうだ。そうしてヤドカリとの時間をしばしの間楽しんでから、通じているかはわからないけれど、私たちはお礼を言ってヤドカリを海に戻してあげた。

「ありがとうね、ダオスさん。私のために全身ずぶ濡れになっちゃった」
「海に来たのだから濡れるのは当然だろう?」
「ふふ……"水も滴るイイ男"だね」

そう言われてまんざらでも無さそうな彼の反応が可愛らしくて好きだ。それに本当に、後ろでひとつに結われた柔らかなウェーブを描く金髪の先からポタポタと透明な雫を滴らせて、開けたラッシュガードの隙間から6つに綺麗に割れた腹筋を晒す姿はいつになく色っぽくてドキドキする。

、お前も海に入ってみるか?」
「うん、入る!」

脱いだパレオをフロートに置いてゆっくりと脚を海水に浸ける。彼がしっかりと手を取ってくれたおかげで情けなくフロートから落っこちることもなく着水。海に入るのなんてもうどれくらいぶりだろう?真夏の強い日差しをジリジリ浴びていた身体には冷たい海水がうんと気持ちよく感じられる。

「それっ!水を掛けちゃうよ!」
「……全く、お前もじきにずぶ濡れだな」

普段はうんと落ち着いている彼もすごく楽しそうなのは、柔らかく緩んだ表情からもよくわかる。いつもの澄まし顔のダオスさんは恐ろしいほど美形だけれど、やっぱり笑ってる顔が1番素敵だと思う。フロートと一緒に持ってきた水鉄砲で水をかけ合ったりして、歳甲斐もなく小さな子どものように彼も私もはしゃいで遊んでいた。

「あら?このボールは私たちのじゃないわ」

そうしてしばらく楽しんでいたら、ふとどこからかビニール製のボールがぷかぷかと流れてきた。名前は知らないが緑色の丸いキャラクターを模ったそれには小さな耳がついていて、お腹らしき部分は白く塗られている。

「近くの客のものだろうか……ああ、あそこの子どもが手を振っている」

彼の指す先には銀髪の子どもがふたり。申し訳無さそうに「すみません」と声をあげてこちらに向かって泳いでくる。背丈の低い子どもにとってはこの水深でも進むのは大変なはず。

「投げて返してあげるのはどうかな?」
「それが良かろうな」

というわけでダオスさんが思い切りビニールボールを投げ飛ばすと、澄み渡った空に美しい放物線を描きながらそれは子どもたちのちょうど手の先へ落下した。

「ダオスさん、ボールのコントロールも見事ね。昔そういうスポーツしてた?」
「いや、全く。ただの偶然だ」

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ひと通り海を堪能した後はコテージへ戻ってふたりでシャワーを浴びたりして、気付けばすっかり夕暮れ時になっていた。水平線に沈む陽の光が織り成すオレンジ色のグラデーションを眺めながらのディナーは、地元で採れた新鮮な食材がふんだんに取り入れられた豪華なコースだった。普段はなかなか食べられないご当地ならではのメニューに舌鼓を打ち、満足した私たちがコテージに戻る頃にはすっかり日も沈みきって、代わりに今度は満天の星空がふたりを祝福するように出迎えてくれた。

「ね、せっかくだから一緒にプール入ろう?」

少し休んだから、満腹になったお腹もだいぶ軽くなった。人工の明かりが休みなく灯るいつもの街とは違って、自然の中にあるこの場所ではこの美しい星たちの輝きを阻むものは何も無いのだ。チラチラと瞬く星々、穏やかに響く波の音、爽やかな海の香りを全身で感じながらふたりでプールを独占、なんてロマンチックだろう。

「見て!今夜は満月なんだね」
「そのようだな。ふ、月の光に照らされたお前も実に……愛らし
い」
「んっ……ダオスさ、んっ……」

水中で後ろからぎゅっと腰を引き寄せられて、そのままお互いの身体を密着させてのキス。体温より低いプールの水に触れていたからか、開いた背中で感じる彼の身体の熱はいつもよりじんと心地よく伝わってくる気がする。

「やっ……水着脱げちゃうっ」
「脱げたところで私以外の者に見られはせぬ……だが全て剥きあげるのは惜しい。お前の纏うこの水着は」
「ぁ、んっ……!」
「……私が選んだのだからな」

水中なのもお構いなく水着を上に押し上げられて、ぷるりと露わになった二房の胸の膨らみは彼の熱い手に簡単に捕まってしまう。

「知っているか?……満月の夜というのは」

やわやわと胸の形を変えられながら、同時に彼の低音が私の耳を包むように甘くくすぐってくる。耳たぶのラインを啄むように舌で撫でられれば、それは淫靡な予感を孕ませて私の理性を容赦なく揺さぶった。

「飢えた狼のように、男を獣にする……とな?」

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「んっ、く……はぁッ……」

デッキにあるソファベッドに組み敷かれ、手首をシーツに縫い付けられて半ば強引に唇を奪われる。赤くて熱い彼の舌に口内をくまなく犯されれば犯されるほど、淫毒を注がれたように身体の芯がどろどろと蕩けていく。本当に満月のせいなのかはわからないけれど、今夜の彼はいつもに増して激しく……私に食らいついた。

「今日のっ、ダオスさ……激しッ……!」
「言っただろう?満月の夜に……お前が愛らしいからいけないのだ」
「っ……あぁっ!」

彼の理論によるとどうやら悪いのは私らしい。確かに水着でプールに誘ったのは私だけれど、いくらなんでも理屈が強引すぎやしないか。けれど彼は私のそんな思いなどお構いなしで、夜風に触れる胸の先端を口に含んで甘く噛まれれば突き抜ける痛気持ちよさに腰が思わずびくりと跳ねた。

「あまり声をあげると隣のコテージに聞こえるぞ?私は大いに構わないがな」
「うぅ……ダオスさんの、いじわるっ……」

上から私を見下ろす世にも美しい悪魔がニヤリと嗤う。

「自慢の女は見せびらかしたいと……思うのが男だ」

彼の白くて長い指に頬の輪郭をゆっくりとなぞられながら顎をくいと取られて、この海と同じ色をした目と視線が重なった。水面から反射した満月の光が差し込んでうんと色っぽく、そして雄欲をありありと滲ませた瞳。そんな目で見つめられたら、それだけでまた心臓がドキリと大きく鳴ってしまう。

「ん……ふぁっ……」

もう一度唇に熱が落ちて、無防備な舌をじっくりと絡め取られる。何度も何度も口の中で彼と私はひとつになって、疲れて少し離れて、そして再びまたひとつになるのだ。口の端からとろりと落ちた銀糸。もうどちらのものかなんて分からない。

「お前がこうも愛くるしいと……欲に歯止めが効かぬっ……」

唇を離すと、珍しく彼が短い溜息を続け様に吐き出す。その理由はすぐにわかった。彼の下腹部を覆う水着の中心は既に大きな山を作り出していたからだ。堪え切れないのか珍しく余裕のない様子でガサガサと荒っぽく取り出された山の正体を、彼は私の両胸の間にぐりぐりと押し付けた。

、両手でこう……」
「ぁ……ちゃんと挟めてるかな……?」
「そうだ、上手いッ……!」

いわゆる"パイズリ"を命じられて、私の両胸で彼の滾りを何とか挟み込むと、想像以上に心地が良いのか前後に動かしただけでどくどくと血管の脈動が伝わってくる。先端から溢れ出すとろりとした先走りの露がちょうどいい潤滑剤となって、彼と私の間に絶妙な快感を生んでくれる。

「気持ち、良い……?」
「最高、だ、ッ……う、もう限界かもしらぬっ……!」
「待って、そのままじゃ折角選んでくれた水着にかかっちゃうから……」

彼が私のために選んでくれた水着は大切にしたかった。けれどモタモタしていたら彼に間に合わない……私は咄嗟に口を開けた。すると一瞬で意図を理解したらしい彼がその中へ自分の巨大な灼熱を一気に、突き立てた。

「うッ!んぐっ……んん……!」
「口の使い方も上手くなったな、……躾けた甲斐があるッ……!」

歯を当ててしまわないように顎をめいっぱい開けて、必死で彼の肉剣を吸い上げる。彼が言うとおり、彼の気持ち良く感じるところは全部、徹底的に……私の身体に教え込まれていた。それでも喉奥を先端で弄ばれるたび、生理的な反応によって涙がぼろぼろと頬を伝っては落ちていく。その様子が彼の中に眠る雄としての支配欲をさらにくすぐったのか、彼の手が愛でるように私の髪を梳き撫でた。

「ふ……ィ、くッ……!」
「んんっ……!」

限界を迎えてぶるりと震えた剣の先端から、たっぷりの白濁が私の喉を目掛けて注がれていく。もう数え切れない程味わってきた生々しい雄の苦味に今日も口の中を支配されながら、零さないように懸命に喉を鳴らして飲み干した。

「……、少しやりすぎた……すまない」
「ううん、ダオスさんが気持ちよくなってくれたなら……私も嬉しいよ」

溢れた涙の跡を、彼が男らしい角張った指先で優しく拭ってくれた。

「本当に……お前はどこまでも愛らしいのだな、

両手を再び捕まえられ頭上でひとつに束ねられると、抵抗できなくなった私の身体へ彼は紅い印をつけてゆく。

「……海辺で悪い虫が付かぬように」
「あっ……そこじゃ水着で隠せないよっ……」
「なんだ、私の目を逃れて他の男と戯れたかったのか?」

先程までの温和さから一転、刺々しく、冷酷にさえ感じられる彼の目線が恐ろしい気迫を伴って私を貫く。手首を掴む力もぐっと強まって、顎まで捕らえられてしまったら……もう捕食される寸前の子鹿のように、私は縮こまってしまった。

「ちっ違うよっ……そんなわけ無いじゃな……ぃたッ!」
「……噛み跡だけは隠れる場所だ、感謝するといい」
「もうっ……」

ツンと勃ち上がった頂を食らうように、乳房へ整った歯型がひとつ。それでも出血はしない程度の力で刻んだ優しさが如何にも彼らしい。確かにいざ脱がせた女性にこんな跡がついていたら、恐れ慄いて抱くことなどできないだろうけれど……そもそも彼以外の男性となんて、今の私には絶対有り得ないのに!

「ふ、お前はこうして私に組み敷かれることをいつも好む。でなければ"ここ"がこれほど……蜜を垂らすわけなかろうなあ?」
「ぁ、やっ……それはッ……!」

下腹を覆う水着の股の部分をインナーショーツごと横にズラされて、剥き出しにされた割れ目を彼の指がつうっとなぞり上げる。彼は私のことなど全てお見通しなのだ。私が他の男性に気移りなどするわけないと信じてくれていて、敢えて私の身体を自身の所有印で埋め尽くす。そうして身も心も彼のものと扱われることが、私にとって至上の喜びであることを深く理解しているのだ。そして、私がそうなるよう躾けたのは他でもない――彼なのだった。

「……ふふ、腰の震えが止められないようだな?では、私の問いに上手く答えられたならば……お前の望むものをやろう」

ぬぷ、と淫らな音を奏でながら彼の長い指が私の中に潜り込む。彼によって拓かれた、私の中の気持ちの良い秘密の場所。けれど決定的な触れ方はしてくれない。意地悪な焦らしに、身体の芯がキュッと悲鳴をあげる。

……お前は誰のものだ?」

あと少しのところで動きを止めてしまうそれに、まるで拷問を受けているような気持ちにさせられてしまう。理性も羞恥心も全て捨て去ってしまえ、そうすれば望み通り、最高の快楽が手に入る――そう、私の中の本能が悪魔のように囁きかけた。

「あっ……ぁ……私、はっ……」

追い打ちをかけるように、外側の秘裂も執拗に撫で回されるものだから堪らない。寸止め地獄に背中を大きく反らせて耐え切るのも、もう限界だった。

「私はっ……ダオスさんのものッ……!」
「……ふ、正解の褒美だ」

私の顔にかかった前髪をそっと払うと、満足そうに目尻を緩ませた彼が額にキスを落としてくれた。そしてコリコリと内側を優しく撫でられながら、待ち切れなくて裂け目の間から顔を覗かせた核を口先でじゅっと吸われると、先程の焦らしから一転して怒涛の快楽責め。脳天が火花を散らして連続ショートする。

「ひッ!ぁ……だめっ……ぃくッ……ぅ……!」

彼の生み出した、快感の頂点へと誘う大波はあっという間に私を飲み込んでしまう。ガクガクと背中と腰を震わせながら、私はその悦びを全身で享受した。

「……全く、お前の愛らしさには敵わぬな、……」
「んっ、ぁっ……ダオスさん……?」

ぐいと片脚を押し上げられて、絶頂の余韻でまだ微かに痺れの残る秘部が夜の澄んだ空気に晒される。耳に伝わる彼の吐息が熱っぽく、そして荒い。よく見れば彼自身も再び滾りを取り戻していて、その中に秘めた欲望を解き放つ時を懸命に耐え待っていたようだった。

「何度、お前に私を刻んでも……刻み足りぬ」

彼の手がベッドサイドのテーブルへ伸びる。そこに置かれた小物入れ――最初この部屋に入室した際には無かったような気がする――を開けると、中から被せ物がひとつ取り出された。荒々しくその外装を歯で噛み切り、慣れた手で装着する。準備を万端に整えた雄々しい剣が私の中へ続く裂け目に充てがわれ……ゆっくりと子宮を目指して侵入を開始した。

「ぁ……ゃッ……!」
「くっ……私に慣らされて、よく締め上げるッ……!」

事前に十分湿らされた柔肉で彼を包み込むと、最初は心地の良い熱がじんわりと下腹に広がっていく。しかしすぐに、こちらの身を裂かんばかりの猛烈な圧迫感に取って代わられてしまう。

「お腹、の、中っ……いっぱい、だよっ……!」
「本当にお前は愛らしいな、……ほら、こうして奥を突いてやると」
「ぃ、ぁ、ぁ……ぁんッ!」
「……良い声で啼く」

彼の体重によってベッドに押し付けられ、優しく、けれど時に雄々しく子宮口をノックされると、全身が溶け落ちてしまいそうな甘い生物的快感に身が悶えるのを抑えられない。何とか耐えようとして必死でベッドシーツを手繰り寄せる私の手を、彼の手がすかさず絡め取った。白くて長くて美しい指を先端まで熱くして、うっすらと汗を纏ったその手は彼の激しい興奮を如実に示していた。

「ふっ……お前は私だけのものだ、ッ……!」
「そうだよ、ダオスさんっ……だ、から……一緒、にっ……!」

今は獣のようにさえ見える彼の熱い視線に貫かれて、尚も身体の芯は締まってばかりだ。くちゅくちゅと耳を犯すような淫らな音色を奏でながら、繋がり合ったそこが絶え間なく前後に律動する。互いの呼吸が一層荒ぶって、絡めた指先と指先を無意識に強く握り合った。

「ぁぁ!だめっ、ィくッ……!」
「ッ……ッ……!」

絶頂を迎えて大きくしなった私の背中の隙間に彼が逞しい腕を差し込んで、汗を纏ったふたりの熱い身体が密着した。お腹の中で彼が波打つように震え、同時に彼もまた達したことを理解する。下腹部の繋がりが一度解けても彼の腕にすっぽりと抱かれ、私たちは共に迎えた官能的な最高潮の余韻を噛み締めるように堪能した。蒼白い月明かりに照らされたデッキの向こうで、波がぱしゃりと跳ねた。

「……私の下で果てるお前は堪らなく愛おしい。朱に染まった頬、甘く愛らしい声、熱を帯びた華奢な身体……」
「え、あ……ダオスさん……?」

私の腕が再びベッドに縫われ、私に付けたばかりの紅の花弁を唇の先でなぞるように、身体中に彼からキスの雨が落ちる。そういえば私の膝の辺り、また熱くて硬いものが当たってるような……?

「満月の夜だ、今宵は寝られるなどと……思うでないぞ?」

彼の唇の端がニヤと吊り上がる。私の目の前に差し出されたのは小物入れから取り出された、ミシン目で外装がずらりと繋がった避妊具たちだった――

----------

「おはよう、
「ん……ダオスさ……」

結局、あれから彼が満足するまで求められ続けたおかげで夜はほとんど眠れず、身体も激しい運動を終えた後のような疲労感に襲われていた。けれど非日常感あるロケーションも相まってか、それを遥かに上回る幸福感に心は満たされていた。

、じきに朝食の受付時間が終わる。起きた方が良いのではないか?」
「……え、本当!?それは起きなきゃ……!」

彼と共にいただく現地の食事もまた旅行の楽しみなのだ。絶対に逃したくなくて、私は何とか重い身体をベッドから起こし急いで身支度を済ませた。ダオスさんはずっと先に支度を済ませていたみたい。夜通しあんなに激しく動いておきながら疲れのひとつも見えない顔も身体も、普段から自宅で行っている筋トレの成果なのだろうか?それなら私も今度から一緒にトレーニングさせてもらおうかな。

幸いレストランはまた朝食の受付を行っていて、私は一先ず安堵した。さすが人気ホテルだけあってか終わりがけの時間でも宿泊客で賑わっている。席を用意してもらうまでの少しの待ち時間中にも、続々と人が入ってきた。その中には昨日海で見かけたふたりの子どもたちもいる。側にいる男女が両親だろう。あの子たちも家族で旅行に来ていたようだ。

「あ!昨日海でボールを拾ってくれたお兄さんですよね?あの時はありがとうございました!」
「俺、あの時お礼言いそびれちゃって……」

子どもたちは彼の身なりを覚えていたのか、目が合うと彼の方へ駆け寄ってきてくれた。柔らかな曲線を描いた長い金の髪に、ハッと息を呑むほど整った顔。彼をひと目見たら忘れられないのは子どもたちも同じようだ。

「ふふ、そう改まるな。海は潮流がある故、道具が知らぬうちに流れてしまうことは珍しくない」

ダオスさんが膝を折ってふたりと目線の高さを合わせる。

「家族との旅行を楽しむといい」

"フォートさん、お席のご用意ができましたのでこちらに……"

恐らく彼ら一家の順が回ってきたのだろう。ピンク色の服を来た女の子はくるりとカールした長い銀の髪を揺らしてぺこりとお辞儀をし、緑色の服を来た男の子はニコリと笑うと家族の元へと戻っていった。

「礼儀正しい子どもたちね」
「そうだな」

何だかこちらの心までぽかぽか暖かくなって、ふたりの間にも自然と笑みが溢れた。

「ふふ、今日もめいっぱい遊ぼうね!」


---END---


Good!(お気に召されたら是非…!)

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