「ん…」 何か悲しい夢を見た。眠ったまま泣いていたらしい。寝返りをうとうとして、ツナは身動き出来ない事に気付いた。 あ ツナはまだ眠っている獄寺にがっちり抱き締められていた。 頭の上から寝息が聞こえる。 少し見上げて獄寺の寝顔を見つめた。 まつ毛長いなー鼻高いなー 温かい腕の中で整った顔をずっと眺めていたい。 しかしツナはちょっとした用事が出来てしまった。 名残惜しいが、しばしこの愛しい温もりから抜け出そう。 腕を解くのは無理そうだったので、ツナは腕の輪の下に出ようとしたが何かひっかかった。 え!? 激しいセックスを繰り返して、気絶するように眠ってしまったので、直前の事を覚えていないのだが。 は、入ってるまま寝ちゃった!? 自分の中の獄寺を意識したら、勝手に体が反応し始めた。 きゅうと膣が収縮して、中のものを締め付ける。 「んっ」 どうにか抜けないかと腰を動かすが、粘膜を擦りつけるだけだった。 「んっ、ん…」 どうしよう、なんかだんだん気持ち良く… 「あっ!」 ツナが動いたせいか、獄寺のペニスが体積を増やした。 中の弱い部分に当りそうで当たらない。 「ご、獄寺君、も、おきて…」 「う〜ん…さわださんてば、そんなとこまで〜〜vv」 「おーきーてっ!!」 「へ…?」 ようやく獄寺が目を開ける。目の前に、赤い顔で、もじもじしているツナがいた。 「さわださぁーんv」 「ちょっ、だから!まっ!」 更にぎゅうぎゅうと抱きつかれて、ツナは手足をジタバタさせた。 「やっ!あん!ストップ!ストップ!ダメぇ!」 「えー?しないんですかあ〜?」 まだ覚醒しきっていないのか舌足らずに獄寺が尋ねてくる。 「う、うん、あ、あとで、ね?その…ぬ、ぬいてくれる?」 「んー」 「ひゃっ!う、動いちゃダメ!」 「じゃ、どーすんですか」 しれっと言いつつ獄寺は腰を回すように動かした。 「だ、だから、そんな風にしちゃ…、あん!いや、あっ!」 「ね、このまま、1回しましょ?」 「ダメだったらぁ…」 涙目になりながらツナはいやいやと首を振る。獄寺もムキになってきた。 「どーして、そんな意地悪言うんですか、えい」 「あーっ!」 乳首を摘まれてツナは仰け反った。 「……の」 「え?なんて言ったんです?」 「トイレに行きたいのっ!!離して!」 「…………スイマセン」 「もー!」 「ん…」 ズルリと引き抜かれる感覚にツナは震えた。 「早く帰ってきてくださいねー」 「は、恥ずかしいなあ、もう」 しかしツナも既に淋しくなっている。 一体どんなバカップルだ、と心の中でツッコミつつ、早く帰ってこようと思ってしまうツナだった。 ベッドから脚を降ろした瞬間、ツナは違和感を感じた。 「え?」 ドロリと白いものがツナの中から滴っている。 「――――っ!」 ツナは真っ赤になってシーツをひったくると、それに包まり、走って部屋を出ていった。 一人残された獄寺は、床に目をやった。 ポツンと出来た白い小さな水溜まり。 昨夜から、そして今朝も、数え切れないくらいツナに注いだ獄寺の。 「ぐはーっ!」 獄寺は堪らず叫んで、ベッドに倒れた。 嗚呼、早く。 早く帰ってきてください、沢田さん。 本当はもう一秒だって、あなたの傍を離れたくない。 |