della Tempesta




真剣な顔で言う獄寺に、ツナの心臓がはねる。
しかし、獄寺は行為を再開せずに、ツナから離れて立ち上がると、焚き火の方に歩いて行った。

「?」
あれ、やっぱりやめちゃうの?

どうしたのかとツナが見ている前で、獄寺は干してあった自分のシャツを取ると、
それを地面に丁寧に伸ばして敷いた。

「すいません、まだちょっと湿っぽいんですけど、何も無いよりは…」

赤い顔で言う獄寺に、意図を察して、ツナも赤くなった。

な、なんか恥ずかしいんですけど!

獄寺はじっと待っている。
ツナは覚悟を決めて、中途半端に首にひっかかっている下着を外すと、シャツの上にゴロンと横になった。

「これでいい…?」

すぐに獄寺の熱い体が、覆いかぶさってきて、ツナは目を閉じた。


獄寺の大きな手が、ツナの肌の上を這っていく。
わき腹を腰から上にゆっくりと撫でていくのに、背筋がぞくぞくして、ツナは深くため息をついた。
「あ…」
指が固くなった胸の尖りに触れて、思わず声が出る。
そのまま、感触を楽しむように、指先で転がされ、捏ねるように弄られる。
「あ、やっ…ああん」
「10代目…」
「ああっ!」
愛撫する指はそのままに、もう片方を口に含まれた。
強く吸われて、体がビクンと震える。
「あっ!あっ!獄寺君…!」
腰の辺りが疼いてきて、切ない感覚に、堪らなくなったツナは胸の上の獄寺の頭を抱えた。

手を止めて、獄寺が顔を上げる。
「10代目?」
「あ…」
目が合って、ツナは思わず顔を逸らした。
早かった鼓動が更に速度を増している。
「どうしよう、俺…恥ずかしい…」
「え?」
「俺、変だ…どうしよう…」
「へ…?」

自慰の経験すら無い体は、快感を上手く受けとめ切れなくて、混乱していた。

要するにツナは、感じている自分に驚いて、恥ずかしかったのだが、自分でもそれをよく判っていなかった。

ツナが困っているのは獄寺にも解ったが、そんな複雑な心情まで通じるはずもない。
それに、恥らうツナの表情は、寧ろ…

「…嫌なんですか?」
「や、やじゃないよ!」
ツナは反射的に答えて、ぶんぶんと首を振った。
その様子に、獄寺はつい、そのままの感想を漏らす。

「じゅーだいめ、かわいい…」


「!」






「ごくでらくんのばか…」

そう言って、真っ赤な顔で口を尖らす様は、本当に可愛らしくて、
獄寺はもう何も言わずに、その唇にキスした。
そうしても構わないという事は、彼にも、もう解った。

ざわざわと波立つ感覚に、羞恥は収まらなかったが、ツナはもう不安ではなかった。


獄寺君なら、どんな俺でも大丈夫だよね


口づけを深めながら、また獄寺の手が触れてくる。
差し込まれた舌に、ツナはそっと舌をからめた。

獄寺の肩がびくりと揺れ、更にねっとりとキスが深くなっていく。

「んっ…ふ…」
「は…」

鼻にかかった甘ったるい吐息と、湿った音が続き、空気が粘度を増していくような気がした。




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