della Tempesta




「せっかく干したのに…」
「いや、その、あと1,2時間は大丈夫でしょうし、取りあえず朝飯食ったら、家ん中に移しましょう!
ロープ張って吊るせばいいッスよ!」
がっくりと項垂れるツナに獄寺がフォローを入れる。
「う、うん、そうだね」
「そうですよ!沢田さんの頑張りを無駄にはさせません!」
「うん…ありがとう獄寺君。ごはん食べよっか」
「はい!」

2人並んで屋敷に向かう。

「あの、沢田さん」
「ん?」
「その、洗濯、ありがとうございました」
「ん…」
「最初にちゃんと礼を言うべきだったのに、すいません」
「もう、いいよ」



朝食を取り、後片付けも済ました頃。

「あ!」
「どうしました?」
「蝶が部屋の中に入ってきてる」
ツナが指差した先には白地に黒の模様が入った蝶がひらひらと飛んでいた。
「モンシロチョウかな」
「雨が降ってくるのを感じて避難してきたんすかね、あ、もう一匹いますよ」
「ホントだ、あれ?あっちにも……えっ」
一匹かと思った蝶はどこからともなくやって来て、二匹、三匹、あっという間にニ十匹近い大群になった。
「蝶も大群だと…ちょっとコワイかも…」
「ぶ、不気味すね…動物は天変地異を予知するって言いますし、もしや大地震とか…」
「え!やだちょっとやめてよ!」

ツナが思わず獄寺の腕を掴んだ時、部屋の天井辺りで飛んでいた蝶たちは列をなして、窓から外へ出ていき始めた。
それはまるで訓練されたかのような、整然とした動きだった。

「っ!まさか!リボーン!?」
「え?リボーンさん?」
「アイツ、確か、虫を子分に出来るんだよ。一体何しようってんだ?」

蝶達を追いかけて外に出る。
芝の上に一匹、二匹と蝶が舞い降り、訓練されたように(多分実際そうなのだろう)整列していく。

「これ……」

並んだ蝶の羽の模様は、10ケタの数字の形に見えるようになっていた。

獄寺はすぐに携帯を取り出すとその番号を押した。
コールは一回のみですぐに相手が出る。
それを待っていたかのように蝶は一斉に舞い上がり、空の彼方へと消えていった。

『ちゃおッス』
「リボーンさん!」
『どうだ調子は。問題はねーか?』
「は、はい」
「リボーン!?リボーンなの?ちょっと代わって獄寺君!」
ツナは獄寺の手から携帯をひったくった。
「リボーン!」
『ようツナ、元気そーだな』
「お前!今どこで何してんだよ!」
『俺は色々忙しいんだ。おめーはそこでグータラ出来ていいじゃねえか』
「何言ってんだよ!いきなり俺の意思と無関係にこんな所に連れてきといて!」
『俺は充分、おめーの意思を尊重してやったんだがな』
「ふざけんなあ!」
『落ち着けバカツナ。今進行してる計画が順調に完了すれば、ママン達にもまた会えるようになるんだぞ』
「え…!」
『ずっとそこに軟禁されたくはねーんだろ』
「あ、当たり前だろ」
『だったら暫く大人しくしてろ。
ママンは立派だぞ、自分もつらいだろうに、おめーがいなくなって泣いてるガキ達を慰めてやってる』
「……そうなんだ」
ちび達の泣き顔を想像するとツナの胸は痛んだ。
『ビアンキもすっかり沈んでてな、飯もあんま喰わねえくらいだったんだが、ママンがビアンキの好物作ってやったりしてな』
「え?ビアンキが?」
ツナを暗殺する目的でやって来た当初よりは大分打ち解けたとはいえ、ビアンキがそこまで自分を大事に思っててくれたとは意外だった。
『そりゃ、たった一人の弟だからな』

え?

ちょっと待て。今、何て言った?


ツナの手から携帯が奪い去られる。
「リボーンさん!」
『何だ獄寺?…ああそうか、悪い、口が滑った』
全く悪びれていない声でリボーンが言った。
『じゃあ、また連絡する。ツナと仲良くやれよ』
プツッという音がして通信は切れた。
「貸して!」
ツナは携帯を再び手に取り、リダイヤルボタンを押す。
しかし返ってきたのは冷たい機械の合成音だけだった。

『お客様のお掛けになった番号は現在使われておりません―――お客様の…』





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