「うん、大体分かったかな」 「…っ……はっ……ぁ…」 左足に続いて右足もくすぐりに晒された後、ようやく美奈は休息を与えられた。 まだおろしたてだった靴下は、足の裏の部分だけが皺だらけになっている。 「感度もいいみたい。よかったね、美奈ちゃんは素質充分だよ」 「そんなの、知らない…」 もの凄くくすぐったかった。 そして、くすぐったいだけで全く気持ちよくなどならなかった。 「ふーん。まぁ、もうすぐ分かるよ」 特に気に障った様子もなく、有紀は美奈の靴下に手をかけた。 足首のベルト部分で少し引っ掛かったが、無理矢理に引っ張る。 すぽん、と両方の靴下を脱がせると、有紀はその足の裏をまじまじと見つめた。 肌色で滑らかで、ところどころがほんのりと赤い。 外気に晒されたことを恥らうかのように、その指はきゅっと縮こまっている。 (これから、ここを思いっきりくすぐるんだ…) 美奈は可愛らしい笑い声をあげ続けるだろう。 はしたない格好の彼女を見ていた有紀は、くすぐる前に余計な意地悪をしたくなってきた。 「あれ?美奈ちゃんの足、ちょっと臭わない?」 「えっ!?」 思わず目を見開く美奈の足元に屈みこみ、有紀はその足の裏に顔を近づける。 「やっぱりちょっと汗臭いかな…?」 「や、やだ!やめてよっ!!」 「あぁ、3組って今日体育あったもんね。それじゃあしょうがないかなー」 美奈も身だしなみにはそれなりに気を使う、年頃の少女だ。 なので、実際にはわざわざそう指摘するほどに臭っているわけではない。 しかし嘲るようにクスクスと笑われ、彼女の顔は、半裸であることに気づいたときと同じくらいに真っ赤になっていた。 そして、有紀が更なる辱めの言葉を浴びせようとしたところで、コンコン……とドアがノックされた。 「誰?」 「あたしー。ちょっと早かった?」 ドア越しであるためにくぐもった女性の声が聞こえる。 「ううん、今ちょうどいいとこ。開いてるから入ってオッケー」 「あーい」 「や、やだっ…!」 美奈は思わず抗議の声をあげた。 声質から察するに、有紀と話している相手は自分達と同年代の少女だろう。 しかし、だからといって自分のこの姿を見られる恥ずかしさはそう変わらない。 「おじゃましまーす」 ガチャリとドアを開けて入ってきたのは、美奈も見知った顔であった。 美奈や有紀よりも若干背が高く、健康的に日焼けした少女だ。 「やっほ。おぉー、中々色っぽい格好で」 「桃子ちゃん!?」 冗談じみた口調で話す彼女は、朝倉桃子。 それほどよく話すわけではないが、美奈のクラスメイトである。 「も……桃子ちゃん、助け…」 「無駄無駄。桃子ちゃんね、私と仲よしなんだから」 有紀はそう言ってベッドから降りると、近づいてきた桃子にぎゅっと抱きつく。 「……!」 そんな、まさか。桃子は有紀と違って、ごく普通のクラスメイトだったはずだ。 「そっちの体育、プールだったんだけ?日焼けあとエロいじゃん」 「もう超泳いできたし。キャミだと水着焼け目立つんだよねぇ」 そう話す二人は親しげで、会うのが一度目や二度目でないということを感じさせる。 「二人とも……どういう、関係…?」 桃子は何故、この状況に全く驚かない? 一瞬でも助けてもらえるかと期待してしまっただけに、ショックは大きかった。 「どういう関係って言われてもなぁ…」 「うーん。まぁ、一言で言えば『こういう関係』かな?」 有紀は前触れなく桃子の胸を鷲掴みにした。 「えっ…」 ぽかんと口を開ける美奈に理解させるように、有紀はむにむにと桃子の胸を揉み続ける。 しかしそんなことされても嫌がる様子もなく、桃子は笑ってなすがままになっていた。 「また大きくなってない?学年でトップ3には入ってるような…」 「いや、最近はあんま変わってないけど。そっちこそどうよ?」 「っ!ちょ、不意打ち禁止〜」 桃子も手を伸ばし、短パン越しに有紀のお尻を撫で回す。 「くすぐったいっては……っと。 どう?美奈ちゃん、だいたい分かった?」