「さ、覚悟して下さいね〜」 三人はそれぞれ指をわきわきさせながら、菜々の体に手を伸ばす。 「やめてってば…ちょっ……ぁ…ふぁっ!」 菜々はぎゅっと身を縮めるが、相手は三人だ。 三十本の指が這い回る感覚に、ついつい鼻にかかった声が漏れてしまう。 「先輩、抵抗しないで下さいよー」 「っくぅ…するに…決まってるでしょ!」 一応はくすぐれるのだが、しっかりと閉じられた腋や バタバタと動く足は上手くくすぐることができない。 「強情ですね…それならこうさせてもらいますよ」 智恵は一旦腋から手を離し、菜々の二の腕のあたりを優しく揉み始めた。 「え…な、何?あっ……っ!やぁっ!」 腕の力が抜けたところをバンザイさせられそうになり、奈菜は慌てて腋を締める。 「気持ちいいでしょう?我慢しなくていいんですよ〜」 「や…ぅんっ!あはっ…こんなの……ズル…いぃっ!」 智恵がそうしている間にも、二人は無防備な背中やお尻を撫でまわしていた。 指滑りの良いレオタードの上からの刺激に、奈菜の体は敏感に反応する。 「ひぃっ…ぁ…うううぅぅ〜!っく…はぁんっ!」 執拗に腕を揉みほぐされ、ついに集中が途切れる。 力の抜けた一瞬の隙をつかれた奈菜は、両腕をガバっと頭の上に上げさせられてしまった。 「残念でした〜。もう降ろさせませんよ」 智恵は抵抗する暇も与えず、奈菜の両手首に練習用のリボンを ぐるぐると巻きつけた。 「あっ…!?や、やだっ!解いてよぉ〜!」 中学二年生の女の子に、こんな経験がある筈がない。 「ふふっ…先輩、中々似合ってますよ」 「色っぽくていいじゃないですか」 腕を縛り上げられた奈菜に、三人は好き勝手な事を言う。 当然のことながら、腋は剥き出しだ。 これから起きる事を想像し、奈菜は思わずぶるっと身震いした。