「あはっ。体は素直じゃないですか」 「ここ、濡れちゃってますよ〜」 股間から指が離れると、くちっ、と水っぽい音が鳴る。 「っ!はぁ…も…もういいでしょ!?お願いだから…」 汗を浮かべて懇願する菜々の表情は、普段からは想像もつかないような危うい魅力に満ちていた。 「無理ですってば。そんな顔されたら、やめようにもやめられませんよ」 「ね。もっと色々したくなっちゃうっていうか」 智恵が指先で乳首を軽く弾くと、菜々の体は電気に打たれたように飛び上がる。 そこで裕香が呟くように「…最後まで、やっちゃおっか」と言うと、 場に形容しがたい緊張が走り、空気が揺らいだ。 「やっぱり…ここまで、きちゃったら、ねぇ?」 「ゃ…駄目っ!いくらなんでも、そんなの…絶対駄目っ!先生とかみんなに言うよっ!!」 気持ち良いのはもはや否定のしようがないが、これ以上を許す訳にはいかない。 菜々の剣幕と『先生とかみんなに言う』というフレーズに、三人はさすがにたじろいだ。 「どうする?」 「女の子同士だから罰まではないだろうけど…怒られるよね」 だが、そんな躊躇も興奮を鎮められる程の物ではない。 三人は結局「言えない位恥ずかしい目にあわせちゃえばいい」という結論に落ち着いた。 「そうだよね…っていうか、先輩が可愛すぎるのがいけないんだから。見てよ、この顔」 裕香が菜々の顎に指をそえ、くいっと持ち上げる。 目は大きく、瞳は黒目がち。 みずみずしい唇は僅かに開き、ちらりと白い歯がのぞく。 前髪は汗で張り付き、元々白い肌はピンクに染まっている。 真正面からそんな菜々の顔を見つめているうちに、千尋の頭に一つのアイデアが生まれた。 「そうだ…みんな、ちょっと待ってて!」 千尋はマットから立ち上がり、体育館と繋がっている倉庫へと駆けていった。 「何だろ?」「さぁ…」 想像もつかない三人には、黙って待つことしかできない。 二分程すると、千尋はガラガラと台車を押しながら戻ってきた。 台車の上には大きめなテレビと、コードでそれと繋がったビデオカメラが乗っている。 「あ!それって…」 「うん。たまに授業で使うやつ」 千尋が手際よくコンセントやスイッチをいじると、テレビに菜々たちの姿が映った。 ビデオカメラに撮られた映像が、コードを通じてテレビへと送られているのだ。 このセットは新体操部の練習でもフォームの確認などによく使われている。