(気持ち…いい……凄く、気持ちいいっ!) 心に生まれた淫らな願望を、認めざるをえなかった。 『欲しい』 頭がおかしくなってしまいそうで、おまけに息苦しいような。 しかし甘美で、いつまでも感じていたい…そんな不安定な快楽。 これをもっと、もっともっと欲しい。 偽りのない気持ちに従い、玲奈は意識的に抵抗をやめた。 なるべく体から力を抜き、四人に身を任せる。 この時が、彼女の性の目覚めともいえる瞬間であった。 「班長、疲れちゃったの?」 「あたしたちも疲れちゃったし…」 「うん。それじゃみんな、ラストスパート〜!」 四人の指が、舌が、玲奈を高みに押し上げていく。 「ぅあ……はひっ…!…ぃ…あっ……」 足の指がぎゅっと丸まり、全身がピンと伸びる。 玲奈は口を大きく開けて喘ぎ、圧倒的な快感に全てを委ねた。 「はぁ…ぁ、やっ……ぁああああ!!」 弓なりにしなった体がガクガクと震える。 そして数秒間の痙攣の後、浮いていた腰がマットへと落ちた。 『イく』という単語すら知らない玲奈は、こうして秘部に指一本触れられることなく絶頂に達した。 そして快楽の波が引いていくと、貧血になったかのように視界が暗く、狭くなっていく。 「――長―――丈夫―!?」 「生き――」 四人の声が遠くから聞こえる。 玲奈が意識を失う直前に見たのは、少女たちの心配そうな顔だった。 ___________________________ 彼女はそれから十分ほどして目を覚まし、保険医への言い訳に大層苦労することになる。 唐突に反応のなくなった玲奈に慌てた四人は、 彼女にスカートも穿かせないまま保健室へと運びこんだのだから。 ちなみに時間が遅かったため、廊下では生徒の一人ともすれ違わなかった。 これが玲奈にとって唯一の、不幸中の幸いと言える事だろう。 おしまい。