「麻美ちゃん。この三人の中に、一人だけ仲間外れがいます。それは誰で、何ででしょう?」 「ふぇ?」 いきなり質問を受け、麻美は間の抜けた声を上げる。 「えっ…と…千佳ちゃん?一人だけ成績悪いから」 「はずれ。ねぇ、麻美ちゃん…もしかして、私のことキライ?」 千佳ががくっと肩をコケさせる。 「麻美、面白いけどハズレだよ」 「じゃあ由美ちゃん」 「どうして?」 「大人っぽい」 「はい、嬉しいけどハズレ」 千佳が今度は「_| ̄|○」のポーズになってうなだれる。 千佳にしてみれば、麻美に同じ子供側と分類されたのは心外であった。 「で…正解は?」 「もちろん、麻美だよ」 由美はさりげなく麻美に擦り寄りながら答えた。 「私はおかしくなっちゃう位くすぐられたし、千佳は電気あんまであんな風になったよね?」 「麻美ちゃんだけ、まだ何にもされてないんだよねー」 千佳もようやく立ち直り、麻美ににじり寄る。 麻美はそんな二人の態度に、猛烈に嫌な予感を感じた。 そして一瞬後には後ろから千佳に抱きつかれ、予感は確信へと変わる。 「で、内緒話の方だけど」 密着した千佳の髪の毛が、麻美のうなじにかかる。 「麻美にはくすぐるのと電気あんま、両方やるのはどうかなー…って話してたんだよ」 由美が麻美の左足を掴み、足の甲を手のひらでさっとなぜた。 「ひゃっ!」 麻美はすぐさま足をひっこめ、身を縮める。 「ちょっ、やだよ…麻美、そんなことされる理由ないもん!」 「ダメって言ったのに私の胸触ったでしょ」 「…あ゛」 別に口実は何でも良かったのだが、電気あんまの時にちょうどいい大義名分が出来た訳だ。