罰ゲーム 3
 「お兄ちゃん、オムツして」
その日の夜、いつものようにパジャマ姿の弟が俺の部屋へやってきた。オネショが治らない弟は毎晩布団へ潜る直前にこうして俺の所へやってくるのだった。
午後10時半。小学3年生の弟が床に着くには少し遅い時間だった。翌日は日曜日で学校が休みだから、小学生の弟もほんの少し夜更かしをしていたのかもしれない。
この時俺はベッドに寝そべってぼんやりしていた。 ゲーム機は未だに出しっぱなしで、2つのコントローラーもまだ床の上に置き去りにされていた。
背中の下の布団はとても温かかった。 つい数時間前に自分のベッドでナオがおもらししたなんて…それはまるで夢のような出来事だった。

 「もう寝るのか?じゃあズボンを脱いで横になれよ」
俺は立ち上がって温かいベッドを弟に明け渡した。
弟はすっかりオムツの装着に慣れている。 彼は俺が押し入れへ紙オムツを取りに行っている間にパジャマのズボンとパンツをあっさり脱ぎ捨ててベッドの上に飛び乗った。
紙オムツを手にしてベッドへ近づくと、仰向けになった弟が煌々と光る蛍光灯の下に自分の粗末なものをさらけ出していた。 そしてもちろん膝を折り曲げた両足はこれ以上ないほどに大きく開かれていた。
「水泳教室は楽しいか?」
俺は大きく開いた弟の足の間に座って紙オムツを着ける作業に取り掛かった。 枕の横にはクマの絵が描かれたパジャマのズボンが放り出されていた。
弟の股間にぶら下がるものは本当に粗末で、その大きさはナオの小指と同じぐらいだった。 ふとそんな事を感じた時、ベッドの上で小指をしゃぶるナオの姿がとてもいやらしく思えた。
「今日クロールのタイムを計ったら前より少し早くなってたよ」
弟は仰向けになったまま嬉しそうに微笑んでそう言った。 彼は知らないうちに風呂に入ったようで、短く刈り上げた髪が少し濡れていた。
弟は小学校へ入学した時からずっと水泳を習い続けていた。そのせいか体は小さくても弟の足にはかなりの筋肉が付いていた。
「そうか、よかったな」
俺は弟の声にそう応えながらゆっくりと紙オムツで弟の粗末なものを覆った。

 この時俺はナオの紙オムツを外した時の事を思い出していた。
太陽の日差しを浴びながら気持ちよさそうな顔をしておもらしした彼。昼間の彼は、本当に天使のようだった。
水を吸って重くなった紙オムツをそっと開くと、真っ白だった紙が少し黄色っぽく変化しているのが分かった。
ぬるま湯で湿らせたタオルで局部を拭いてやると、ナオの体が一瞬ピクッと動いた。 俺がおもらしの後始末をしている間、ナオはずっと目を閉じて小指をしゃぶっていた。彼はすっかり俺に身を任せていた。
放尿を終えたナオのものは小さくしぼんでいたけど、俺のものは相変わらず大きく膨らんでいた。
俺は毎晩弟にオムツを着けてやっているけど、今までおかしな気持ちになった事は一度もなかった。 それはもちろんオネショの後始末をしてやる時も同じだった。
なのに相手がナオだとどうしてあんなに興奮してしまったんだろう。その答えはいくら考えても分からなかった。

 紙オムツを着けた弟が出て行くと、部屋の中が静寂に包まれた。
俺は大きくため息をつき、ひとまずゲーム機を所定の位置へしまい込もうと考えた。 でもまずは押し入れの前に置いてある紙オムツの入ったビニール袋を先に片付ける事にした。
俺は煌々と光る蛍光灯の明かりの下でサッと白いビニール袋を拾い上げた。 そして何気なくその中身を覗いた時、ある重大な事実に気付いたのだった。
ナオに紙オムツを着けてやろうと考えた時、俺は今と同じようにビニール袋の中を覗き込んだ。
その時たしか紙オムツは5枚あったはずだ。それからナオと弟が1枚ずつそれを使用した。 つまりビニール袋には紙オムツが3枚残っていなければならなかった。だけどどう見てもそこには2枚しか入っていなかった。 ビニール袋の奥に手を入れてかき回しても、残りの1枚が手に触れるような事は決してなかった。

 俺は昼間の事を思い出し、1枚の紙オムツがどこへ消えたのかを必死に考えた。するとその答えは徐々に浮かび上がってきた。
ナオのおもらしの始末をしてやった後、たしか俺は使用済みの紙オムツを処分すると言い残して自分の部屋を出た。
使用済みの紙オムツは、本当なら自分の部屋のゴミ箱に捨てておけばそれで済んだ。 でも俺にはどうしても部屋を出たい理由があったのだ。
1人で部屋を抜け出した俺は、トイレの横にあるゴミ箱の中に濡れた紙オムツを投げ入れた。 それから俺はトイレに駆け込み、すぐにジーンズを下ろしてマスターベーションを始めた。
あの時俺は有り余る興奮をすぐに処理したかったのだ。そうしなければ、心も体もおかしくなってしまいそうな気がしていた。
…きっと間違いない。
ナオは俺がトイレへ行っている間にビニール袋の中から紙オムツを盗み出したのだ。
じゃあ、いったい彼は何故そんな事をしたのか。その答えは明らかだった。
ナオは自分の家へ帰った後もう一度紙オムツを身に着け、たった1人で気持ちよくおもらしをしてみたかったのだ。

*   *   *

 俺とナオは同じクラスだった。
月曜日の朝教室でナオと会った時、彼は少し恥ずかしそうに微笑むだけだった。
俺たち2人が土曜日の午後に何をしたか。それはもちろん誰にも内緒だった。
朝の教室にはお揃いの制服を着た男たちが18人いた。この朝俺にはナオの姿がその中で1番可愛らしく見えた。 彼の真っ白な頬や肩の上で跳ねている髪を見つめると、たったそれだけですごくドキドキした。
俺はあれ以来ナオの存在を今まで以上に強く意識するようになっていた。
授業中は黒板の文字ではなくナオの背中ばかりを見つめていた。そんな時がしばらく続き、午前中の授業はまったく上の空だった。
俺は窓際の席で小さくため息をつき、これではいけないと思いながら窓の外を眺めた。すると太陽の強い光が俺の目を幻惑した。
そういえば土曜日俺の部屋へナオが来た時、彼も同じように窓から入り込む明るい日差しに目を細めていた。
この日の俺は、何も見てもナオの事ばかりを考えていた。

 給食を食べた後、俺は少なからず尿意を感じてトイレへ向かった。
この時ナオは一緒にいなかった。俺は妙にナオの事を意識してしまい、この日はなんとなく彼と離れて行動していたのだ。
昼休みの廊下には、休憩時間を楽しむ生徒の姿がたくさんあった。 そこにいる皆は無邪気に走り回ったり、友達とお喋りしてのんびりした時間を過ごしているようだった。
廊下の隅にある男子トイレへ入ると、洗面台の鏡に映る自分と目が合った。
俺の頬は少し赤かった。それはきっと朝からずっとナオの事ばかりを考えているせいだった。
シャーーーーーッ
この時広いトイレの中には誰かが放尿する音が響いていた。
2つ並んだ洗面台の奥には男用の小便器が8つ並び、その向かい側には5つの個室があった。
何気なく奥へ目を向けると、紺色のブレザーを着た人影がチラッと見えた。 どうやらトイレの中にその音を響かせていたのは1番奥の小便器の前に立って放尿している生徒のようだった。
俺は自分も用を足すために奥へ向かって歩き出した。そしてその人の姿がはっきり見えた時、また心臓がドキドキしてきた。
いったいなんというめぐり合わせなんだろう。
俺とよく似た背格好。肩の上で跳ねている長い髪。俺の視線の先に立って用を足していたのは、まぎれもなくナオだった。
トイレの奥には曇りガラスの入った小さな窓があり、そこから差し込む光がトイレの中全体を柔らかく照らしていた。 肩の上で跳ねているナオの髪は、太陽に透けていた。
俺がゆっくり奥へ進んでいくと、やがて人の気配に気付いたナオが顔だけをこっちに向けた。
彼はズボンのジッパーの奥から取り出したものに右手を添え、尚も放尿を続けていた。
「智行…」
ナオは俺以上に頬を赤らめ、蚊の鳴くような声で俺の名前を呼んだ。
この時俺はまたよからぬ事を考えていた。
彼の制服のズボンがしっとり濡れてグレーから真っ黒に変化していく様子を見てみたい…
不意にそんな事を思うと、俺の股間にぶら下がるものがまた少しムクムクと頭をもたげてきた。

 俺はナオの背中にそっと抱き付き、その細い肩越しに彼が描き出す水の放物線を眺めた。 するとその時、ナオの柔らかな髪が俺の頬をくすぐった。
「ダメ。見ないで」
ナオはそう言ったけど、放尿中の彼はそこから動く事ができず、俺の目を塞ぐ事もできなかった。
ナオの先端からは糸を引いたように水が溢れ出していた。俺は白い小便器に流れ落ちていく温かい水を興奮気味に見つめていた。
「ナオ、今度の土曜日また家へ来て」
彼の耳に小さくそう囁くと、その耳が見る見るうちに赤く染まった。そして俺は彼の隣に立ってナオと同じように放尿を開始した。
シャーーーーーッ
トイレの中には2つのよく似た音が重なって響き始めた。
ナオは俺のおしっこが便器に吸い込まれていく様子を横目でチラチラと見つめていた。
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