「う〜ん」
ヘルミーナは一人、悩んでいた。
「あとちょっとなんだけどなあ・・・どうしよう。まさかドルニエ先生に頼むわけにもいかないし・・・、
かといって、他の男の人に頼むのも・・・」
今、ヘルミーナの前に、ほとんど完成間近のホムンクルスがある。
しかし、あと一ヶ所がまだ出来ていないのだ。
「どうせなら、立派な男の人と同じものを付けたいわよね・・・」
そう、彼女が悩んでいるのは、男のシンボル。
彼女は親を知らない。そして、わずか8歳でアカデミーで生活することになった彼女に、
男のモノを観察する機会など、あるはずもなかった・・・
「どうしようかなあ・・・?」
ヘルミーナは、腕を組んで考えている。
そうしているうちに、彼女の頭に、何かひらめきが宿ったようだ。
「そうだわっ!この際、徹底的に観察してしまいましょう♪」
ぐつぐつぐつ・・・
「あら?ヘルミーナ、何を作ってるの?」
リリーが鍋をのぞきこんで尋ねた。
「うふふ。秘密です♪」
さてさて、これから何を作るのか・・・?
「まあ、素敵♪」
リリーがヘルミーナの首にかけられたロケットをのぞきこんだ。
「ところで、中に入ってるのは、誰の肖像画かなあ〜?」
「えっ?や、やだあ!先生ったら、やめてくださいよお♪」
リリーとヘルミーナがはしゃぎ回る様子を、ドルニエ先生がにこやかに見守る。
そして、ヘルミーナがドルニエのほうを振り向いた瞬間・・・
「かしゃっ!」
と、小さな音がした。
あまりに小さな音なので、ドルニエはもちろん、リリーにさえ聞こえていない。
ヘルミーナ自身にも音は聞こえなかった。
しかし、このほんのわずかなヘルミーナの動きを、ドルニエのそばにいたイングリドは見逃さなかった・・・
「あやしい・・・」
「行ってきま〜す♪」
ヘルミーナが外に出ると、ザールブルグの城壁の方へ歩いていく・・・
「・・・・・・。」
イングリドは誰にも見つからないように、そっと工房を出た。
そしてすぐにヘルミーナの後を追う・・・
「どこへ行くのかしら・・・?」
ヘルミーナの後ろ姿を見失わないように、イングリドは慎重に後を追う・・・。
ヘルミーナは木の陰に隠れた。
「あそこに入ったわ・・・・・・?」
イングリドがおそるおそるのぞいてみると、ヘルミーナは先ほどのロケットを開けて、中を見ている・・・
そこに写っているものは・・・ケントニスの海辺で見た、あの奇妙な生き物にそっくりな物体・・・
(私たちの世界では、ナマコと呼んでいる)
「実験は大成功だけど・・・、こ、これが男の人のおちんちん・・・」
ヘルミーナだけではなく、後ろのイングリドも思わず顔を赤らめる・・・
「な、何見てるのよっ!」
ぎくっ。
ヘルミーナがおそるおそる振り返ると、そこには顔を真っ赤にして怒っているイングリドの姿が・・・
「な、何よ・・・」
ヘルミーナがイングリドをにらみつけた。
「あんたってば信じられない!何て不潔なことをしてるの!このスケベ!」
イングリドはそう言うと、ヘルミーナのロケットを強引に引っ張った。
ロケットの紐は頑丈でちぎれなかったので、ヘルミーナの体ごと引っ張られた。
「とにかく、このことはドルニエ先生に報告しますからね!」
イングリドは激昂してそう言った。
(まずい!)
ヘルミーナは身の危険を感じてか、いきなりイングリドに抱きつく。
「うわっ!」
二人はもつれあって倒れた。
「な、何するのよっ!」
叫ぶイングリドの目の前に、ロケットの中身が突きつけられた。
「ほら、イングリドも見たでしょ!これで、あんたも共犯者ね!」
「あ、あたしはそんなの見せられても、何ともないんだから・・・」
「そう?ここはこんなに濡れてるけど?」
ヘルミーナがイングリドの股間をさわると、じっとりと湿って、熱を放っている・・・
「ほら、イングリド。見てみなさい。ドルニエ先生のこれが、イングリドのここを・・・」
イングリドの目に写る、ドルニエの男の証。
それを見て、イングリドの熱い汁が、ヘルミーナの手に伝わる・・・
「何よ、あんただって!」
イングリドのプライドの高さが、されるがままのこの状況を許さない。
ヘルミーナの体をぐいと抱き寄せ、今度はイングリドの手が、ヘルミーナの股間をまさぐる・・・
「あんただって、こんなに濡らしてるじゃない!」
「あ・・・」
ヘルミーナの股間も、おびただしい量の熱い汁とともに、濃厚な香りを放っている・・・
ヘルミーナも再び、イングリドの股間に手を当てる。
「ああっ!」
二人は一心不乱にお互いの股間をまさぐりあっている・・・
くちゅ、くちゅ、くちゅ・・・
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
二人の荒い息使いが、いつしかぴったりと重なった・・・
そして二人は、自然に唇を重ねあう・・・
「ん・・・んん・・・・・・」
その場の状況も忘れて、ひたすら絡み合う二人・・・
幸い、ここは城壁のそばの木陰。誰も見ていない・・・
「何やってるの・・・、あの二人・・・?」
たまたま木の上にいた、エルザ以外は・・・
エルザは顔を真っ赤にしながら、二人の行為を一部始終見ていた。
「うそ・・・、あの子たち・・・!」
そのエルザに気づく様子もなく、イングリドとヘルミーナの二人はますますヒートアップしていく・・・
「ああっ!あああああああん!」
二人はひたすらに、荒い声をあげている・・・
「どうしよう・・・?とりあえず、リリーに報告するべきよね・・・?」
A・リリーに報告しるっ!
B・自分も参加しるっ!